イル・トロヴァトーレ Salzburger Festspiele2014 第3幕
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第3幕 ロマの子 12:10、11:28

 相変わらず変な副題だ。ロマの子とは、アズチェーナの子ということだろうからマンリーコのことだろうけれど、本当のアズチェーナの子は死んでいる。トロヴァトーレというのもマンリーコのことだろう。マンリーコは、いちおうテノールだから主役扱いされているのかもしれないが、アズチェーナやレオノーレやルーナ伯爵に比べればキャラクターが弱い。タイトルになる要素はないと思うが。

 ルーナ伯爵側の陣営。みんな真っ赤な衣装であるが、どういうわけか少しずつ違った衣装を着ている。変なカブトとか、ベストとか、時代を特定できないようにしているのだろうか。合唱のみんなが後へ下がると、赤い円筒形の帽子をかぶったドミンゴが出てくる。まわりはやはり美術館の中。ここで捕まったアズチェーナが入ってくる。全員と言うべきか、主役の二人とも似たような真っ赤な衣装で、同類に見えるのはなぜ。

 背後では、フーケとラファエロなどの巨大人物画が、相変わらず動いているが、歌手主体のカメラワークのせいか、ほとんど気にならない。慣れたせいか、ここでやっとアズチェーナの声が立派だということが確信できた。

 第2場ではレオノーレとマンリーコ(ルイスもいるけど)の二重唱。なぜか一般人のお客が5人ほどソファーに座って二人の歌唱を鑑賞しているようだ。壁に掛かっている絵は、やはり何の関係もないようだ。いつまでこんなことをするのだろう。

 みんなおなじような赤い衣装だが、レオノーレのみベルベット風の、ちょっと高級そうな生地だ。左手には目立つ大きな指輪がしてある。これは、もちろん第4幕で意味を持つ。この短すぎる第3幕の締めにマンリーコが高音を出す。第2幕アズチェーナのアリアと双璧に強烈な印象を残す。

 いったん幕が閉まるが、比較的すぐに第4幕に突入する。休憩なしに進むようだ。短いからしょうがないが、だからして、書くこともあまりないのであった。それにしても、生で聴いた印象とまったく違って、老ドミンゴとネトレプコの声が同じくらいに聞こえる。ネトレプコが声をセーブしているのか。


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[2015/06/15 21:43] | ヴェルディ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
イル・トロヴァトーレ Salzburger Festspiele2014 第2幕
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第2幕 ロマの女 22:34、17:52

 ロマの女とは、当然、物語の主人公アズチェーナのことです。手持ちのCDライナーノートを見ると、「ロマ」という言葉はいっさい書いていない。こんな現実味のない言葉でいいのだろうか。

 古典的真っ赤なドレスや、マゼンダ、バイオレットの色をちりばめた40人ほどのダンサーが、美術館の中で踊る。ロマの集団ということです。その古典的様相に対して、アズチェーナはまたもよ、美術館のツアー係員です。先ほどの女声二人とちがい、青いワンピースにグレーのセーターを羽織って、ちょっと太らせた感じです。やはり目立つメガネをかけている。彼女率いるツアーは10人ほどですが、後に大勢のロマの集団がいます。ここでソファーに乗ってアリアを歌いますが、衣装とアンバランスな状況が強すぎて、歌がどうだったのか印象にありません。アズチェーナ最大の聴き所なのに。

 歌いながらソファーに倒れ込むアズチェーナを、ロマの5人ほどの女性が取り囲む。2分ぐらいゴソゴソ囲っているうちに、いつのまにかアズチェーナの衣装が古典的な、一般的イメージの姿になり、ソファーに倒れている。フェランドが入ってきて、ここから普通に歌が楽しめる。アズチェーナの歌はかなり立派だ。しかし後の壁面は動いているし、10人ぐらいの現代人が絵を鑑賞している。フィオレンツァ・コッソットの長期政権のあと、取って代わる人がいない。メトのザージックは気を吐いていたが、このマリー・ニコル・ルミューもなかなかいいと思う。

 ロマの親子の場面のみで、第2幕のような気がして仕方がないのだが、次の教会の場面も第2幕。手前の天上を蝶番のようにして、天上部分がステージを隠すように降りてくる。スクリーンとして名画の顔のさらなるアップが映される。ヤン・ファン・アイクの「ゲントの祭壇画」は強力に映し出される。左側にルーナ伯爵、右側から修道女で、しばらくしてレオノーラが出てくる。中央部分のみ背景真っ赤に歌手も真っ赤という状態。前面を覆っていたスクリーンが天井にもどると、舞台はついたてがなくて広くなっている。奥からマンリーコが登場する。

 ここでルーナ伯爵とマンリーコの対決となるが、ドミンゴはちょっと痛々しい。悪く言うと、穴に隠れていたのを捕まった、どこかの大統領。なんとなく他の歌手が気遣っているような気がする。敵役だが、がんばってもらいたい。それとやはりバスティアニーニみたいな声の方がいいんじゃないの。

 第2幕終わりで、休憩は、恐らく、ここで1回入るだけ。同じくネトレプコのザルツブルグ『椿姫』でも、第2幕の真ん中で、1回のみの休憩だった。時間の都合と、歌手の声休め的に、ここらが妥当なのだろう。それにしても第3幕は、2場合わせても、第2幕第1場ていどしかない。短すぎる。だからビデオで続けて見ていると、第2幕第2場からが第3幕のような気がする。第2幕第1場がこの物語の主題であって、それが終われば一段落。あとは第4幕までのつなぎ場面だから。

 もしかしたら絵に興味のない人には、美術館の中って舞台装置、そんなに違和感を感じないのだろうか。やっぱり音声だけで聴いている方が感動的だ。


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[2015/05/26 18:36] | ヴェルディ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
イル・トロヴァトーレ Salzburger Festspiele2014 第1幕
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第1幕 決闘 11:04、10:20、7:47

 幕が開くと、そこは(たぶん)国立大美術館の展示室。真っ赤な壁面に、身長の二倍以上ある巨大な人物画がぎっしり掛けられている。ルーブル美術館のルーベンスの間でもないかぎり、通常あり得ない並べ方だ。その壁が、真ん中、右、左と移動して、真ん中にスペースを作ったりする。絵は、フィリッポ・リッピ、ラファエロ、ファン・デル・グース、ジャン・フーケ、ファン・アイクなどの絵が、おおむね実物よりも巨大に描かれている。若干ヘタっぽいので、コピーではなくて、美術担当が模写したのかもしれない。模写を集めた美術館という設定なのかもしれない。

 フェランドは美術館の学芸員。30人ぐらいの現代人を引き連れて絵の説明をしている。まるで絵がルーナ伯爵家の親族であるかのように話している。しかし、兄弟、火あぶり、子供の骨、運命、魔女などのセリフが、展示されている絵とまったく合っていない。

 近年、昔風の呼び方はいけなくて、「ロマ」と書かなくてはいけなくなったようだ。ブログなんかでも、「不適切な表現」があると、文章を拒否されることがある。以前、画家の名前を100人ほど書き出したら、何か誤解を招くつづりがあったらしく、拒否されたことがある。だから書かないようにするけど、みなさんご存じでしょう。

 美術館の展示室には、すみっこに係員が座って監視している。フェランドも含め、係員はみな青のスーツを着ている。右に座っていた係員が歌いながら左へ。左に座っていた係員も歩み寄り、これがレオノーラのアンナ・ネトレプコだった。イネスはパンツ姿で、レオノーラはスカート。縁の強い黒めがねをかけている。首から身分証明書をかけている。

 これがまた地味で、とてもネトレプコと思えない。歌っている間、巨大絵を掛けてある壁面が、左右に動くのも、歌手を小さく見せる。一曲終わったところで、メガネを外す。ちょっと格好良くなる。天上の、左三分の一が降りてきて、スクリーン状になって、ここにも人物画のクローズアップを映す。次は上着を脱いで、薄いブルーのワイシャツ姿になる。だんだんネトレプコになってきた。

 ルーナ伯爵であるプラシド・ドミンゴ登場。薄いブルーのワイシャツ姿に紺のパンツである。この役は、当然バス・バリトンの役であるから、ドミンゴの声では、違和感ありすぎだ。だが、ドミンゴの歌うワーグナーよりも気にならない。リゴレットも歌っていたし、本来と違いすぎて、別物と考えられるのだろうか。とにかく、男性歌手はテノールが二人に思われるし、女性歌手はネトレプコの声が太いので、メゾ(アズチェーナのこと)が二人であるかのように感じる。テノール対メゾ・ソプラノの戦い。

 古典的衣装を着たマンリーコとレオノーラに気を取られていたら、いつのまにかドミンゴも衣装替えしていた。みんな濃赤、マゼンダ、バイオレット気味の色あいの服を着ている。背景の赤い壁よりも、暗めの赤っぽい色だ。歌手はみんな、すごく立派に歌っているようだが、普通の絵と違って、インパクト強すぎる、巨大な顔の絵が回りを取り囲んでいるので、ちっちゃい歌手にしか見えないのが残念だ。

 第1幕締めの、3人が歌っている最中に、背後でベラスケスの「馬上のカルロス1世」の絵が移動している。「なんて日だ!」



"Il Trovatore" Salzburger Festspiele 2014年8月15日

マンリーコ: フランチェスコ・メーリ
レオノーラ: アンナ・ネトレプコ
ルーナ伯爵: プラシド・ドミンゴ
アズチェーナ: マリー・ニコル・ルミュー
フェランド: リッカルド・ザネッラート
イネス: ディアナ・ハラー
ルイス: ジェラルド・シュナイダー

<演出・美術>アルヴィス・ヘルマニス <衣 装>エヴァ・デッセカー

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[2015/05/19 21:08] | ヴェルディ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
イル・トロヴァトーレ Netrebko Salzburger Festspiele2014 プロローグ
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 2014年ザルツブルク音楽祭の、ネトレプコ出演「イル・トロヴァトーレ」です。

 この曲は、セラフィン盤 コッソットのアズチェーナと、カラヤン盤 カラスのレオノーラを理想としてきました。めずらしくこの二組のCDは持っています。マリア・カラスはめったに聴かないのですが、このレオノーラは最高でしょう。そのカラヤン盤ですが、馴染んでいたのはCDではなく、東芝EMI特製である疑似ステレオLPでした。あのザラついたステレオの方がスピントで直截な魅力に富んでいたと思っています。

 アンナ・ネトレプコもヴィオレッタ以外は、あまり聴きません。カラス同様、ライブだと素晴らしいのでしょうが、録音ではなんだか今ひとつな感じです。実力に比べて、日本での人気も今ひとつだと思います。このレオノーラは、あの2005年のザルツブルク音楽祭「椿姫」以来の適役だと思います。

 それというのも、不完全な音声だけで聴いても最高です。ウォークマンに録音するのにいろいろな不具合があり、5本のケーブルとプラグを介したところ、音声がモノラルになってしまいました。それでヘッドホンで、ビデオできちんと見る前に、音声だけで聴いて感動しました。ちゃんとCDレコーダーを使って、CD化しようと思うぐらいです。指揮のダニエレ・ガッティも見直しました。


Salzburger Festspiele Giuseppe Verdi: "Il Trovatore"

Anna Netrebko, Leonora
Marie-Nicole Lemieux, Azucena
Diana Haller, Ines
Francesco Meli, Manrico
Placido Domingo, Il Conte di Luna
Riccardo Zanellato, Ferrando
Gerard Schneider, Ruiz
Milo Bulajic', Ein Bote
Raimundas Juzuitis, Ein alter Zigeuner

Mitglieder der Angelika-Prokopp-Sommerakademie der Wiener Philharmoniker
Konzertvereinigung Wiener Staatsopernchor
Wiener Philharmoniker  Daniele Gatti

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[2015/05/12 19:56] | ヴェルディ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
歌劇「リゴレット」 ロペス=コボス指揮 リセウ歌劇場2004
リゴレットリセウ



 「リゴレット」という曲は、「イル・トロヴァトーレ」「椿姫」と比べて、聴く機会は少ない。それほど熱中したことのない曲だ。ちゃんとした舞台を見たのは、新国立だけ。あと、チョン・ミュン・フンのリハーサル(これは素晴らしかった)だけである。

 ビデオでは、有名なシャイー指揮のものと、あと二つぐらいしか見ていないはずだ。だから、特にこれと言ったイメージがない。今回のは小学館「魅惑のオペラ」シリーズの中の「リゴレット」である。2004年の収録なので、このシリーズの中では最も新しいものである。「アイーダ」なんて1980年物ですからね。

 演出は、中央に回り舞台があり、半円形の壁をクルクル回す、モネ劇場の「オランダ人」を思わせるような舞台転換です。もちろん色彩は豊富ですが。その半円形壁は、第3幕になると変化を付けて、かつてのバイロイトのように、円形の床が傾いて持ち上がった上に、半円をさらに半分にしたような壁が重なって乗っている、といった不安定なスパラフチーレの酒場です。その変化も面白いのですが、全体の流れに、説得力を感じません。

 男声歌手、両アルバレスの歌は、見事でオケの演奏にも不満は感じません。第2幕以降は、またまた目が離せない熱の入りようです。しかし、いつも言っていますが、ビデオではそれなりに見栄えのする歌手を使ってほしいものです。スルグラーゼのマッダレーナはいいですね。

 再び見る気を無くさせる点として、リゴレットが家では服を脱いで裸になるところです。コントでよくある「関取りの着ぐるみ」のようなモノを着ています。背中は異常に膨らんでおり、よく見れば顔も腫れています。ここのところを我慢するか、第1幕を飛ばせば、なかなか感動的な舞台でした。

 ジルダは、あのどこを取っても食い足りないようなポネル演出の映画版でのグルベローヴァの方がいいような気がする。「椿姫」と比べて、どうしてイイのがないのだろうか。それにしてもヴェルディ、最後に死ぬのばっかり。



ヴェルディ: 歌劇「リゴレット」
ヘスス・ロペス=コボス指揮 バルセロナ・リセウ大劇場管弦楽団&合唱団
グラハム・ヴィック演出 2004年
カルロス・アルバレス(リゴレット)
マルセロ・アルバレス(マントヴァ公)
インヴァ・ムーラ(ジルダ)
ジュリアン・コンスタンティノフ(スパラフチーレ)
ニーノ・スルグラーゼ(マッダレーナ)


  


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[2012/05/29 16:47] | ヴェルディ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
初めての新国 『トロヴァトーレ』
新国torova11



 震災以来、パッタリ途絶えていたオペラ観戦を、再開であります。オペラのブログでありながら、オペラの話も久しぶりです。新国立劇場で今期のオープニングに『トロヴァトーレ』をやりますな。

 とりあえず買えたのは『トロヴァトーレ』だけ。台本も含め(ここが大事)、もっとも好きな曲です。あまりCDを買わないようにしているのですが、なんと!、3組も持っています。これはモーツァルトものを除けば、いちばん多いCD枚数です。(普通の人だったら、もっとたくさん持ってると思うけど)

 この暗いオペラ。最初に見たのは、藤原歌劇団の公演をNHKで放映したものです。この手のものは、50回くらい見ないと、理解しない私ですが、なんと最初から衝撃を受けました。フィオレンツァ・コッソットが歌っていたからです。その後、彼女の生は4回ほど聴きましたが、いつも感動的でした。

 サントリーのホールオペラで一度、聴いたことはあります。S席で、グレギーナ、ブルゾンなどが歌っていましたが、特に感銘は受けません。このオペラは、アズチェーナが主役です。数種のCDや、コッソットにカラヤン、ドミンゴ、カプッチッリのライブでも、藤原歌劇団の時ほどの迫真の歌唱は見られません。レヴァイン=メトビデオは、最近の子供が言う、「普通!」。

 手持ちのCDは、カラヤンの2種、カラスとのEMI盤、プライス、コレッリ、バスティアニーニのライブ盤。コッソットも出ている有名なセラフィン盤。この極めてオーソドックスな3組。カラスの中では、これがいちばん好きだ。

 その前のLPの時に「カラヤン・カラスのEMI」盤を愛聴していた。それが、今となっては懐かしい、EMIのブライトクランクというか疑似ステレオ盤だった。そのせいか、後にCDで、普通のモノで聴くと、音としては正しいのだろうが、何かが足りないような、非常な物足りなさを感じるようになってしまった。どうしてくれるのだEMI。



新国立劇場『トロヴァトーレ』新演出
2011年10月2日(日)14時~17時 新国立劇場 オペラパレス
1・2部 75m 、休憩30m 、3・4部 70m

【指 揮】ピエトロ・リッツォ 【演 出】ウルリッヒ・ペータース
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
【レオノーラ】 タマール・イヴェーリ★★
【マンリーコ】 ヴァルテル・フラッカーロ
【ルーナ伯爵】 ヴィットリオ・ヴィテッリ
【アズチェーナ】アンドレア・ウルブリッヒ
【フェルランド】妻屋秀和

タマちゃん、最高。

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[2011/09/29 22:00] | ヴェルディ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
日本公演中止のお知らせ
【謹告】フィレンツェ歌劇場2011年日本公演中止のお知らせ

 このたび、東北関東大地震により、被災されました皆様に対しまして心からお見舞い申し上げます。

 3月13日に開幕したフィレンツェ歌劇場2011年日本公演は、東北関東大震災の影響を受け、今朝フィレンツェ市長より、フィレンツェ歌劇場に対して帰国命令があり、今後予定しておりました全6公演(下記参照) を中止することになりました。
 この中止に伴うチケットの対応につきましては、現在各方面と協議を重ねておりますので、対応が決まり次第、改めてお知らせいたします。

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  ●3月16日(水) 18:00開演 「運命の力」  東京文化会館
  ●3月17日(木) 18:30開演 「トスカ」   NHKホール
  ●3月18日(金) 19:00開演  特別演奏会「レクイエム」  東京文化会館
  ●3月19日(土) 15:00開演 「運命の力」  東京文化会館
  ●3月20日(日) 15:00開演 「トスカ」   NHKホール
  ●3月21日(祝) 15:00開演 「運命の力」  東京文化会館
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[2011/03/15 16:50] | ヴェルディ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
輪番停電と鉄道の停止。ああ、これぞ『運命の力』
運命フィ



 いきなり前日の深夜に、輪番停電・計画停電の予定が発表されましたが、5つの時間割グループのうち、3つのグループに市の名前が載っている。次の日、さらに細かく検索して地域名で出ているところでも2つのグループに入っている。どっちかわからないから、結局1日じゅう警戒していないといけない。

 マンションの管理事務所に聞くても、近所の大きなお店に聞いても、どっちかわからないと言う。東武鉄道は、他の鉄道会社よりも厳しく、終日運行停止を発表しました。こういう事態が起こらないための、輪番停電ではなかったのでしょうか。結局停電はなかったのに、電車が止まって、上野に行けません。

 どういうわけか、一部、午後6時から深夜まで運転するということで、帰りは大丈夫そうなのですが、午後の時間帯、行くのが行けません。お昼頃までは、公演中止になると思っていましたが、1時頃になって、予定通り開催すると発表がありました。

というわけで、決死の覚悟で行くつもりだった、「運命の力」初日に行けませんでした!


 主催者側の発表では、以降全日、公演は決行するようです。

ジュゼッペ・ヴェルディ作曲
「運命の力」全4幕

2011年3月14日(月)16:00開演 / 東京文化会館

カラトラーヴァ侯爵 :エンリコ・イオリ
Il Marchese di Calatrava Enrico Iori
レオノーラ・ディ・ヴァルガス:アマリッリ・ニッツァ
Leonora di Vargas Amarilli Nizza
ドン・カルロ・ディ・ヴァルガス:ロベルト・フロンターリ
Don Carlo di Vargas Roberto Frontali
ドン・アルヴァーロ:ワルター・フラッカーロ
Don Alvaro Walter Fraccaro
プレツィオシッラ:エレーナ・マクシモワ
Preziosilla Elena Maximova
グァルディアーノ神父:ロベルト・スカンディウッツィ
Padre Guardiano Roberto Scandiuzzi
メリトーネ修道士:ニコロ・アイロルディ
Fra' Melitone Nicolo' Ayroldi
クーラ:アントネッラ・トレヴィサン
Curra Antonella Trevisan


指揮:ズービン・メータ
Maestro concertatore e direttore Zubin Mehta
演出:ニコラ・ジョエル
Regia Nicolas Joël

◆上演時間◆
第1幕・第2幕 16:00 - 17:30
休憩 30分
第3幕・第4幕 18:00 -19:50

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[2011/03/15 11:40] | ヴェルディ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
救いようのないお話 -大震災とオペラ-
地震とオペラ



 子供の時には海岸沿いに住んでいました。地震があると、「津波が来る!」「山へ逃げろ!」と言われて、家族で100mぐらい高いところに登りました。「津波って、誰や!」「殺されるんか?」と思ったものです。一度も被害に会ったことはないのですが、まことに津波とは恐ろしいものです。

 昨年来の天変地異によって、ツアーでひどい目にあったので、旅行などを自粛していました。その代わり、でもないのですが、ここ1ヶ月ほど、集中してオペラとコンサートに行きました。都内では、11日当日以外は、コンサートが中止になることもなく、予定通りおこなわれているようです。

 ここ2日、都内で朝を迎えた人、5~6時間歩いて家まで帰ってきた人、渋滞で長時間車に乗っていた人などの話をうかがいました。あの日以来、コンビニやスーパーで、お弁当類が売り切れです。逆に、ふだんはお客でいっぱいの人気のパン屋さんが、ガラガラでビックリしました。

 さて、東京では、救いようのないお話のオペラをやっています。
不謹慎ながら、食料と、防寒具と、覚悟を持ってオペラに向かいましょう。

パーチェ。パーチェ。パーチェ。



苦しみがやってきたことは名誉なのだと思って、自分のカルマがどんなものであっても、快活に耐えねばなりません。どんなにつらくても、さらに一層悪いものでなかったことを感謝しなさい。

カルマは、あなたの好きなものや、一番愛している人々でさえも取り上げてしまうかもしれません。それでも、あなたは何時でもどんなものでも、みな手放す覚悟をして快活でなければなりません。

決してどのような人の悪口も言ってはなりません。誰かが人の悪口を言っていても、耳を傾けずに穏やかにいいなさい。

 あなたはすべてのものに、完全に寛容でなければなりません。また、別の宗教の教議にも、自分達の宗教と同じように進んで感心を持ちなさい。他の宗教もやはり、最も高いものに至る道です。すべてのものを助けるためには、すべてのものを理解しなければなりません。

 うわべではどんなに悪く見えても、すべての人、すべてのもののなかにある神を見分けるようになりなさい。

 怒りということはすべて馬鹿げています。

しなければならぬと知ったことは全て、力の限り行なえ。誘惑も、世俗的な楽しみも、世俗的な愛情さえも、あなたを引きつけてはいけないのです。あなた自身が道と一つにならねばならないからです。

 全ての条件の中でも愛が一番大切です。人のうちに愛が大層強いときには、愛はその他の条件をみな修得させてくれます。愛とは、願いというよりはむしろ、意志とか決心決意ということです。この決心が他のどんな感情も残る余地がないほどに、あなたの性質の全部を満たさなければ、愛の結果というものは生まれません。

 奉仕が習慣となるように、毎日、小さなことで奉仕をせねばなりません。大事をなすべきときがきた際に、その滅多にない機会を取り逃がさないようにするためです。

 道にいる者は、自分自身のためではなく、他の人々のために生きているのです。

(大使のみあしのもとに  より)

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[2011/03/13 21:00] | ヴェルディ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
情熱が一糸もまとわず直立している
チョンリゴレット




チョン・ミョンフン「リゴレット」公開リハーサルの続きです。

 今週、NHKで4回シリーズ「北山修 最後の授業」を放映した。「帰ってきた酔っぱらい」「どうしてこんなに悲しいんだろう」「あの素晴らしい愛をもう一度」「戦争を知らない子どもたち」などの作詞家です。ザ・フォーク・クルセダーズで、1年間だけの華々しい芸能界活動も経験しました。

 その時の経験から、曲が大ヒットをすると、自分の意図した気持ちと、かけ離れたモノに変質してしまう。テレビに出て大勢の人前出ると、自分の本音が言えなくなってきた。そんなことを経験して、芸能活動の足を洗い、精神科医としての勉強を始めたようです。

 精神分析の臨床で、患者と一対一で対話する。これほど、自分の心を、他人に対してさらけ出すことはない。プラトンも言っていますが、心の通じ合った、一対一の対話でなくては、真実は伝えられないのです。本やテレビなんかでは、伝わらないのです。

 それでもどうしても伝えたいことがあるから、大学を退職するのを機会に、NHKのカメラに入ってもらったそうです。こんな特殊な状況で、大勢の人に見られるという状況で、生徒の方も、いつもと同じように授業ができるのか?、とまどいながら始まりました。


 「リゴレット」の公開リハーサル。前半のバラバラ出入り確認がすんで、後半は第1幕を通して演奏した。控えめな私は、客が座ってもいい最前列の次の6列目に座っていた。指揮者のちょっと左側。それでも通常考えられないほどの前方で、ジルダも、ちょうど目の前に立った。

 「リゴレット」という曲は、私にとっては「トロヴァトーレ」「椿姫」よりも軽く見ていた。この中では、ただひとつ、オペラで見たことがあるのは「リゴレット」だけなのだが、新国で見たときはおもしろくなかった。

 ジルダは暗めのタイツ姿。テノールとバリトンはTシャツにジーンズにスニーカー。浅田真央ちゃんの、リンクでの練習風景を思い出した。あるいは、バレエのレッスンスタジオを覗いた感じでもいいんだけど。何もカッコつけてない機能的な衣装って、なんて、気持ちいいんだろう。

 バレエとか、フィギアスケートとか、本番でバッカみたいにキレイなドレスで踊っているのを見ると、妙に白けてしまう。馬子にも衣装というか、本人に似合っていないのだ。スーツ姿の国会議員なんかもそう思うけど。あんた、そんな人じゃないでしょう!!

 指揮者のチョンからして、写真の通りの黒の半袖シャツ。ただの不機嫌なおじさん。客席の方など一切見ずに、音楽に没頭している。そして、普段は座ったことのないSS席とも言うべき、歌手間近の席。ソプラノもテノールもとても良かった。

 しかし、不思議なことに最も良かったのが、リゴレット役のバリトン君。私は29日の本番に行かなかったので、名前もわからない。レナート・ブルゾンを始め、ヴェルディのバリトンもそこそこ聴いたことがあるのだが、こんなに感心したことはない。主役はオーディションで選ばれた(そこそこ無名の)韓国人歌手だから、誰も知らないのかもしれない。ジョン・ビョンホ、パク・ジョンミン、イ・ユンギョン、アン・ギュンヒョン?はて、どれがだれ?

追加:わかりました。
ジルダ イ・ユンギョン
リゴレット パク・ジョンミン
マントヴァ公爵 キム・アルフレッド
スパラフチーレ アン・ギュンヒョン


 絵の場合はよくある。描きすぎないで、途中でやめておけばもっと良かったのに、ってことが。人に見られながら描く、ということがないのが幸いだが。

 演奏中、入りを間違えて、自分を叩く仕草や、今日はノドの調子が悪い?と変な顔をしたりと、決して安心してみていられるわけでもない。
 ただ、裸で歌っているわけではないが、
「情熱が一糸もまとわず直立している」(黒田恭一さんの言葉)のだ。
こんなことって、たまたま偶然の事件なのかもしれない。
「リゴレット」が、ヴェルディが、とっても良く解ったような気がした。


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[2010/08/01 09:34] | ヴェルディ | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
チョン・ミョンフン&東京音大 「リゴレット」公開リハーサル
チョンリゴレット


 チョン・ミョンフン&東京音大 「リゴレット」公開リハーサルに行ってきました。

 始めての海外旅行でパリに行ったとき、チョン・ミョンフンはバスチューユオペラの音楽監督でした。当日券で買った「アドリアーナ・ルクブルール」は、2階センター2列目という、最高の席でした。

 海外で音楽を聴いたのはこの時限りなのですが、素晴らしい体験でした。そういうわけで、チョン・ミョンフンは、わたしの最も期待する指揮者です。


ヴェルディ:歌劇「リゴレット」全曲(演奏会形式・原語上演・字幕スーパーの用意なし)

指揮:チョン・ミョンフン
演奏:東京音楽大学オーケストラ〈夏〉
合唱:東京音楽大学合唱団〈夏〉
韓国人ソリスト:ソウルでのチョン・ミョンフン氏によるオーディションに合格した若手

この公演の■公開リハーサル■であります。
 
日時:2010年7月27日(火) 15:00~(予定)
会場:東京芸術劇場 大ホール
※入場無料:(財)としま未来文化財団 友の会会員の方より希望者、先着200名様を招待


 リハーサルとかゲネプロとかに立ち会うのは、アマチュアオケではありますが、こんな一流指揮者では初めてです。オケが揃っても、舞台上は裏方らしい男性が5~6人うろうろしている。恐らく音大の指導者だと思われる人が、オケの真ん中で、今日の注意事項を説明。小さい声であまり聞こえないが、ひときわ小さい声で、「今日はお客が~~」、オケの女の子が「先生(客に)聞こえてるわよー」

 みんな私服で、特に男性はひどい。美大生かと思わせるようなスタイルの人もいる。スタッフも歌手もTシャツにジーンズがほとんど。大道具の集団の中から現れたのは、ひときわ目立たない黒シャツの男。チョン・ミョンフンだ。だが、不機嫌なよっぱらいのように指揮台に座る。

 指揮者の横に、他の人とは違う白いドレスの女性が座っている。てっきり主役の歌手かと思ったら、通訳だった。チョンは、日本人には英語で、韓国人歌手にはもちろん韓国語で指示をしていた。

 公開リハーサルの前半は、演奏中の歌手の出入りの確認。指揮者自身が、歌手の椅子の位置を微妙にずらしたり、歌う位置の入れ替わり、どこで袖に去るかなど細かく説明する。

 みんな揃ったのに、指揮者が呼んでも、ソプラノが出てこない。オケに向かって「オペラは忍耐だ!」ちょっとウケる。その後、演奏を始めるも、歌手が出てきて歌い始めると止め、最後だけ歌ってはける、そんな練習ばっかり。

 韓国人歌手は、ペットボトルを持ったまま現れたり、歌手同士でヒソヒソ相談したり、舞台では見せない変な顔をしたり、まあ、指揮者共々、お客がいるのを気にしていないようすだ。
そんななか、東京音楽大学オケと合唱団は、終始、緊張感にあふれていた。

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[2010/07/28 15:38] | ヴェルディ | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
いま見てきた!ミラノ・スカラ座「ドン・カルロ」
スカラ座



 ただいま、行ってきました。
ミラノ・スカラ座 2009年日本公演 「ドン・カルロ」全4幕(イタリア語版)
であります。

 いままでオペラで使った最高額になります、この「ドン・カルロ」。恐らくオケの演奏も外来オペラ最高水準と思われ、半分くらいの歌手も悪くないのでありますが、残念ながら大して感動はしませんでした。

 何度も聞いたり見たりしたのですが、やっぱり「ドン・カルロ」という作品に納得できないのです。きっとそうに違いない。

 おまけに今回のスカラ座の舞台、ほとんど舞台装置のないシンプルな舞台なのにもかかわらず、シーンごとに幕を閉じて、5分ぐらいガタゴト音を立てて、装置の位置を変えているのです。

 歌手では、フィリッポ二世:ルネ・パーペ、
ロドリーゴ:ダリボール・イェニス、
宗教裁判長:アナトーリ・コチェルガ、
国王の布告者:カルロ・ボージが良かったですね。

 女性二人は悪くないのですが、好みの声ではありません。特にガッカリなのがドン・カルロ:ラモン・ヴァルガス、声が弱い。


指揮:ダニエレ・ガッティ

演出・舞台装置:シュテファン・ブラウンシュヴァイク
衣裳:ティボー・ファン・クレーネンブロック
照明:マリオン・ヒューレット
合唱指揮:ブルーノ・カゾーニ


フィリッポ二世:ルネ・パーペ
ドン・カルロ:ラモン・ヴァルガス
ロドリーゴ:ダリボール・イェニス
宗教裁判長:アナトーリ・コチェルガ
修道士:ガボール・ブレッツ
エリザベッタ:ミカエラ・カロージ
エボリ公女:アンナ・スミルノヴァ
テバルド:イレーナ・ベスパロヴァイテ
レルマ伯爵:キ・ヒュン・キム
国王の布告者:カルロ・ボージ
天の声:ユリア・ボルヒェルト


 さて、今日いちばんの感動は、2回目の休憩から、第3幕の前に、なにやら会場がさわがしい。2階センター前列の席が続けて空いている。あそこへ移動しようかなー、なんてよからぬことを考えていたら、、。

 黒スーツの外人ボディガードみたいな人が立っていると見ていたら、なんと、皇后さま、美智子さまが登場した。席まで来ると、しばらく立って拍手に答える。会場内にはカメラを持って入ってはいけないはずだが、フラッシュの嵐。

 私は、3階右の席なので、間近で見下ろすかたちになった。おまけに通路の横だったので、見えない位置の人がどっと押し寄せた。センター席の3階、4階の人たちは、いったい何ごとが起こったのかわからずに、こちらの様子を見ていた。

 そういえば以前、現天皇さまが、皇太子だったときに、同じように2階横の席で、間近に見下ろしたことがある。
というわけで、今回のスカラ座の公演、よかった、よかった!!

テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

[2009/09/17 21:32] | ヴェルディ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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