それぞれの好みで楽しむのが、ぼくの所でのならわし
モリゾsepi



 今年は年末に、新国で「こうもり」をやってくれる。そこで、特に自分のためではなく、回りの人に聴かせようとすると、どの演奏がいいか?聞き比べてみた。オペラ好きを増やす作戦です。

 ビデオの方は、以前5つほど採り上げて、もはや私の評価はハッキリしているので、今回はCDで、とりあえず、アバウトに聴いてみました。

 結果、(アバウトですよ)、この順番に良かったように思います。

クレメンス・クラウス  ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1950
ウイリー・ボスコフスキー  ウィーン交響楽団 1971
ヘルベルト・フォン・カラヤン  ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1960
ヘルベルト・フォン・カラヤン フィルハーモニア管弦楽団 1955
カルロス・クライバー バイエルン国立管弦楽団 1976
アンドレ・プレヴィン ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1990

 「カラヤン フィルハーモニア盤」は、序曲や個々の歌唱など、熱気もあり、ほとんど完璧だと思いますが、なんだか遊びが足りない。強力すぎる。「こうもり」じゃなければいいんだろうけど、もうちょっと楽しくゆるーい雰囲気がほしい。

 「クライバー盤」は、そのカラヤン盤を、もうちょっと田舎っぽくしたような演奏。『ばらの騎士』のように、父エーリッヒが、ウィーンで録音していれば素晴らしかったのでは。

 ウィーン録音の3つは、それぞれに楽しい。ただ、デッカ=カラヤン盤の、ガラパフォーマンスはやめてほしい。ライブだったら楽しいだろうが、カルショーの、このような不自然きわまりない合成は、録音がいいだけに、気分が悪くなる。

 「ボスコフスキー盤」は、繰り返し聴いていないので、よくわからないが、楽しい。昨年京都で買ってきた「プレヴィン盤」は、まだ大切に保管してあって、聴いてない(なんでやねん)。楽しみにとっておこう。

 というわけで、予想に反し、古ーい「クレメンス・クラウス盤」が、とりあえず、誰がなんと言おうと、最高だ。


STRAUSS II, J.: Fledermaus (Die) (Vienna State Opera / Krauss) (1950)
ロザリンデ: ヒルデ・ギューデン
アイゼンシュタイン:ユリウス・パツァーク
アルフレート:アントン・デルモータ
アデーレ:ヴィルマ・リップ
ファルケ:アルフレート・ペル
オルロフスキー公爵:ジークリンデ・ヴァーグナー
ウィーン国立歌劇場合唱団 - Vienna State Opera Chorus
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 - Vienna Philharmonic Orchestra
クレメンス・クラウス - Clemens Krauss

  


  

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[2011/06/27 18:19] | こうもり | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
『こうもり』 クライバー指揮 バイエルン国立歌劇場 1986DVD
クライバこうもり


 先のウィーン盤ふたつ、ベームとシルマーのものと同じ、オットー・シェンク演出であるために、第2幕の舞踏会の盛り上がりとか、第3幕で12月31日の日めくりカレンダーをめくると32日になっているところなどを含め、ほとんど同じ。

 序曲を含めた各幕の出だしの音楽は、ウィーンに比べてオケが荒く、コクのない演奏になっている。クライバーの指揮も、めっぽう大げさに動いているが、テンポが速めなだけで、特にいいところは感じられない。

 DVD製品としての不備は、おそらく他メディアのものを単純に移したためか、1時間12分の所で、映像が完全に途切れている。これはしかし、よくあることだ。


カルロス・クライバー指揮 バイエルン国立歌劇場O&Cho
オットー・シェンク演出 ブライアン・ラージ映像 1986年12月30,31日
Ⅰ.48m12s Ⅱ.53m14s Ⅲ.ms

アイゼンシュタイン======エバハルト・ヴェヒター★
ロザリンデ==========パメラ・コバーン
オフロフスキー========ブリギッテ・ファスベンダー★★
フランク===========ベンノ・クッシェ
アルフレート=========ヨーゼフ・ホプファーヴィーザー
アデーレ===========ジャネット・ペリー
イーダ============イレーネ・スタンバイザー
ファルケ===========ヴォルフガング・ブレンデル★
フロッシュ==========フランツ・ムクセネーダー

 アイゼンシュタインがエバハルト・ヴェヒター。なんと1972年のベーム盤と同じ。明らかに歳を取りすぎているが、その分コミカルな演技は楽しめる。

 特に不満に思うのは、アデーレのジャネット・ペリー。容姿の点で、先に見たどのアデーレよりも落ちる。スタジオ録音ではルチア・ポップを使っているのに、どうしたことだろう。

 ロザリンデのパメラ・コバーン。以前見たときよりも不満は少ない。たぶんこの顔に慣れたのだろう。ヤノヴィッツの、ちょっと育ちを悪くした感じで、彼女同様、仮面を付けている時の方が美人に見える。横顔がとてもいい。

 オフロフスキーのブリギッテ・ファスベンダーが、予想外にすばらしい。彼女が歌うと、回りに緊張感が走る。いや、凍りつく。パリ・オペラ座盤のマリナ・ドマシェンコに匹敵する見事さ。コワルスキーやヴィントガッセンなどの強面の男がやるよりも、よほど恐い。女は恐いということか。

 ファルケがヴォルフガング・ブレンデル。このメンバーの中で、いちばん役にピッタリな感じがする。

 歌手はみんな慣れていて、芸達者。役そのものに成りきっている。お客の反応も的確で一体感に包まれる。その中ではむしろオケの演奏にぎこちなさが見られる。そうはいっても、第2幕フィナーレなどはクライバーもノリノリ、歌手もノリノリでとても楽しい。オフロフスキーの「もう充分、もう充分!」なんて、もう芝居じゃない。楽しい。

 第3幕はまだ見ていないので、あとで。

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[2008/09/27 21:24] | こうもり | トラックバック(0) | コメント(2) | page top
『こうもり』   カール・ベーム指揮 ウィーンPO 映画盤DVD
こうもりベム_


 またまたユニテル制作の映画盤オペラDVDですが、今回のはちょっと変わっています。解説には何も書いていないのですが、テロップに「デッカレコーディング」という文が入っています。よく考えてみると、デッカから同じメンバーのレコードが出ていました。通常考えられないことですが、どうやら、正式にレコード録音したものに、映像をつけた製品のようです。

 同じく解説には一部の配役は書いてありません。読みにくいテロップの飾り文字を見ていると、フロッシュ・オットー・シェンク、となっていて目を疑いました。オットー・シェンクの名前が出るのは2回目です。あっ、演出家が出ているのだ、と気づきました。

 このオットー・シェンクは、先に取り上げた『ウルフ・シルマー指揮 ウイーン国立歌劇場日本公演1994年』も『カルロス・クライバーが指揮したバイエルン国立歌劇場、1986年』も演出しています。つまり、全く見慣れた演出で、驚くようなところはありません。

 映画としての編集のしかたには問題があると思います。今までも、最後の音楽が完全に終わらないうちにフェードアウトしてしまったりするオペラ映画もあったのですが、今回もなかなかのものです。ビックリしますよ。

 映り始めユニテルのマークが消えるやいなや音楽が始まります。いきなり序曲が流れるので、指揮者はもうすでに動いています。指揮者が用意して、棒を振って、それから音楽が流れるのと違うのです。ベームがもの凄いせっかちな性格に思えてしまいます。

 そのうえ、第1幕が終わって、第2幕の音楽が始まるまで1秒とありません。気持ちよく終わったと思ったとたんに、第2幕が始まります。第3幕はセリフで始まるため、3秒くらい間がありますが、とにかく思いっきり切りつめて入れています。こんな編集のしかたで製品として出して良いものでしょうか。


カール・ベーム指揮 ウィーンPO ウイーン国立歌劇場合唱団
オットー・シェンク演出・監督  1972年映像収録 1971年11月音声収録
Ⅰ.49m50s Ⅱ.55m02s Ⅲ.38m14s

アイゼンシュタイン======エバハルト・ヴェヒター★
ロザリンデ==========グンドゥラ・ヤノヴィッツ★★
オフロフスキー========ヴォルフガング・ヴィントガッセン
フランク===========エーリッヒ・クンツ
アルフレート=========ヴァルデマール・クメント
アデーレ===========レナーテ・ホルム
イーダ============シルヴィア・ラカン
ファルケ===========ハインツ・ホレチェック
フロッシュ==========オットー・シェンク


 よく出てくるカール・ベームの指揮ですが、『こうもり』では、まったくいただけません。おなじウィーンでもウルフ・シルマーの指揮の方が断然生き生きしていました。レコードではカラヤンのものの方がいいでしょう。

 この映画の見所は、ヴォルフガング・ヴィントガッセン、エーリッヒ・クンツ、エバハルト・ヴェヒターといった名歌手の顔を、きれいな映像で、マジマジと見ることができるところです。ヴィントガッセンって、こんな顔だったんだ、なんて思いました。クライバー盤でも出ているヴェヒターも、もの凄く若くてビックリします。

それからヘンデン・テノールのヴォルフガング・ヴィントガッセンが、なんとオルロフスキーです。写真で見るリストみたいなカツラをかぶった、恐くてドスの効いている、ちょっと気持ちの悪い風貌で出ています。

ヤノヴィッツも、何度か見た「伯爵夫人=ロジーナ」よりも若くて魅力的です。
『彼女がすてきなのは、第二幕でマスクをつけて登場して以後であって、マスクでもって顔の下半分だけが見えるようになると、彼女は美人になる』なんてことを、吉田秀和さんは書いていました。


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[2008/07/26 00:03] | こうもり | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
「こうもり」  シルマー指揮 ウイーン国立歌劇場日本公演1994 その2
こうもり5

★奈良公園

 第2幕の途中で、チャールダーシュの歌が終わると、歌舞台が回転してセットが変わる。より広くなり、食事のテーブルとバレエをする空間ができる。ここで「コウモリ博士」の顛末を話す。そして、シャンパンで乾杯しながらフィナーレへ突入する。

 ポルカ「電雷と電光」のテンポ感も最高。特別なダンサーなど出てこないで、アイゼンシュタインを筆頭に歌手みんなでワイワイガヤガヤ踊る。音楽の終わりと同時に、ロザリンデが懐中時計を胸元から出し、アイゼンシュタインがひっくり返り、全員がなだれをうって倒れる。

 特に変わったことを何もしていなくても、この盛り上がりは最高。テンポのゆったりしている部分が特に滋味あふれている。この幸福な感じは、どうしたものだろう。涙が出てきそう。
「愛とワインが楽しみを」
「楽しい夜、恋の酒」
私も劇中人物になって、
そうだ「人生もこのように楽しもう」


 第3幕は、パリとザルツブルグのような簡易的セットではなくて、本格的な?刑務所(知らないけど)。フロッシュは日本公演だからウイスキーではなく「ショウチュウ」で酔っぱらっている。そのほか「うるさい!」「だまれ!」と、日本語をときおり入れてくる。12月31日の日めくりカレンダーをめくると、32日が出てきて、ビックリ。フランクのワルター・ベリーの演技もプライ同様に、なんともいえない味がある。

 まあ、あいかわらず、演出は面白くないものの、アデーレの歌も、アイゼンシュタインとアルフレードとロザリンデの三重唱もうっとりするぐらいの立派な歌唱。
「それぞれの好みで楽しむのが、ぼくの所でのならわし」とオルロフスキーがしめて、それぞれにやましい所のある人々の合唱。
問題は解決していないのだが・・・・。
「今日起こったことはすべて、トラ、ラ、ラ、ラ」
「シャンパンのせいですって、トラ、ラ、ラ、ラ」

 この曲では、指揮者が何もしない方がいいのだろうか。
ふぅ、ウィーンって、なんて大人の街。

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[2008/05/12 19:09] | こうもり | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
「こうもり」 シルマー指揮 ウイーン国立歌劇場日本公演1994 その1
こうもり4

★奈良公園

 この公演は、当初カルロス・クライバーが指揮する予定になっていた。したがってウルフ・シルマーという無名の新人指揮者となったことにがっかりして、放映を見始めた。ところがどっこい、クライバー・バイエルン国立歌劇場のビデオよりも楽しめる演奏だ。

 うちのVHSテープの古さのためか、いくぶん音質と画質が悪い。それに標準で2時間という録画時間のせいで、比較的つまらない第1幕を思い切りカットしてある。それでも音楽部分に関する限り、どのビデオよりも優れている。

 いままでのビデオよりいくぶん遅いテンポで始まる序曲。ワルツの部分になると、ゆったりしたコクのあるウィーンらしい演奏。いままでのビデオでの演奏はいったい何だったのだと思わせるほど、序曲だけでも満足感を味わえる。

 演出に関しては、バイエルン国立歌劇場のものと、このウイーン国立歌劇場のものは比較的似ている。というか古典的なもので、それほど面白いところはない。


ウルフ・シルマー指揮 ウイーン国立歌劇場日本公演1994 ★★
オットー・シェンク演出 NHKホール 1994,10,13
Ⅱ.56m20s  Ⅲ.42m52s

アイゼンシュタイン======ヘルマン・プライ★★
ロザリンデ==========カラリ・マッティラ★
オフロフスキー========ヨッヘン・コワルスキー
フランク===========ワルター・ベリー★
アルフレート=========
アデーレ===========エディット・リーンバッハー★
イーダ============ロッテ・ライトナー
ファルケ===========ハンス・ヘルム★
フロッシュ==========


 比較的遅めの演奏をすることが多いこのビデオの中でも、特に第2幕の始まり部分がゆっくりと演奏される。これがまた味わい深くていい。

 この公演のウリの一つがオフロフスキー役のヨッヘン・コワルスキー。当時売り出し中のカウンターテナーで、通常メゾソプラノが歌うところを、男性が歌うわけだ。しかし、よくよく考えてみると、前回のザルツブルグ公演も男性だし、ベーム盤映像ではヴィントガッセンが歌っているから、男女どちらでもいいのかも。

 ともかく強面の男性であるから、セリフの部分はドスが効いて迫力がある。しかし歌の部分となると、高い声ではあるものの、裏声みたいなちょっと変な声なので不自然さがある。何度見ても、ちょっと居心地が悪い。やっぱり女声、パリ公演のマリナ・ドマシェンコがよかったですね。

 第2幕では、何といってもアイゼンシュタインのヘルマン・プライの演技がたのしい。出てくるなりオルロフスキーにむりやり立て続けにウォッカを飲まされる。終盤のコウモリ博士のお話の所やポルカのダンスも笑わせてくれる。 

 ロザリンデ、アデーレともに悪くない。いや、かなり良いのだが、パリとザルツブルグの方がかなり魅力的だったので、ちょっと見劣りがするのかもしれない。ロザリンデのチャールダーシュの歌は、序曲同様たっぷりと歌って迫力満点、満足できる歌唱。

 アデーレの第2・3幕での歌は、グルベローヴァの実演で聴いたことがある。歌手に対して歌が役不足と言うか、声が出すぎて、大アリアになってしまい、聴き応えたっぷりだがしっくりこないところもあった。あるていどキャピキャピの新人歌手の方がいいのかも。今回のアデーレは、第3幕の方がお見事。

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[2008/05/11 20:32] | こうもり | トラックバック(0) | コメント(4) | page top
「こうもり」  ミンコウスキー指揮 ザルツブルグ公演2001 ビデオ その2
こうもり3

★京都御苑

 ロザリンデの歌の後、いつも余興として入れられるバレエが始まる。いつも楽しくノリノリで大騒ぎの場面。しかし、ここでは白鳥の湖のような、静かでまじめなバレエ。まったく盛り上がらない。見ている方もそうだが、機嫌悪そうに見ていたオルロフスキーもたまらず「もう終わりだ!」「やめろ!」

 ダンサーが引き上げると、他の出演者全員も引き上げる。それどころかオケのメンバーまでぞろぞろ帰りだした。ここで女性のフロッシュが登場して「パウゼー」と一言。キョトンとしているお客に、もう一度「パウゼー!」(休憩)。しばらくして客席から拍手が起こり、会場が明るくなる。第1幕と第2幕続けて進めてきて、こんな所で幕。これは、なんだか面白い。

 第2幕再開してからの展開は、ムダな語りの部分はほとんどなく、通常どおりにすすむ。先に表示してある時間計測を見ても、前半はかなり通常よりも長いが、後半はほぼ普通の時間しかかかっていない。やたらと大勢の下着姿の女性が出てきたり、軽快なポルカの部分ではダンスではなくて殴り合いをしていたりと、見た目はひどく違っているが、音楽は軽快に通常どおり進む。

 第3幕。いつもフロッシュが楽しい語りで笑わせてくれる場面は、もう何度も出てきた、司会者のような女性のフロッシュの理屈っぽい話で、まったく面白くない。その後、終わり間近で、アイゼンシュタイン家の2人の子供が、ピストルでもう一人を撃ち、自分も頭を撃って死ぬ。そして棺桶に入れられて運ばれる。

 ここでもアデーレの歌は魅力的だったが、そしてオケの演奏も悪くないのだが、背後でのきついドタバタ劇に翻弄されて、お話と音楽の流れがどうなっているのか、よくわからない混乱のうちに幕となる。

 これって、何度か見直せば、理解できるものでしょうか。

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[2008/05/06 09:55] | こうもり | トラックバック(0) | コメント(2) | page top
「こうもり」  ミンコウスキー指揮 ザルツブルグ公演2001 ビデオ その1
こうもり2

★京都府植物園

 偶然パリ・オペラ座公演と同じ年の2001年、ザルツブルグ音楽祭の模様です。フルトヴェングラーの「ドン・ジョバンニ」やレヴァインの「魔笛」ビデオでお馴染みのフェルゼンライトシューレでおこなわれたものです。舞台背景は3階建ての建物に窓がずらっとつながっているという形式で、修道院の中庭のような雰囲気で、3幕ともかわりません。


ミンコウスキー指揮 ザルツブルグ公演2001 ★
フェルゼンライトシューレ
Ⅰ.49:02 Ⅱ.45:48+16:50 Ⅲ.33:42

アイゼンシュタイン======クリストフ・ホムベルガー
ロザリンデ==========ミレイユ・デルンシュ
オフロフスキー========ダヴィッド・モス
フランク===========ダーデ・デュジング★
アルフレート=========ジェリー・ハドリー★
アデーレ===========マリン・ハルテリウス★★
イーダ============
ファルケ===========オラフ・ベーア★
フロッシュ==========エリーザベト・トリッセナール

 序曲が始まるとコウモリとチョウチョのダンス。この点、パリと似たような印象。ただし、コウモリというよりもネズミにむりやり羽根を付けた様子。それから下着姿の女性がたくさん現れ、コウモリのくちばしを股間に挟んで、こすりつけたりする、なまめかしいダンスを披露。コウモリが街ゆく人々にバカにされているのを暗示しているのでしょう。

 第1幕に入っても、やたらと下着姿の女性たちが、ダンスをみせるが、ノーブラで踊っている人も多い。そういえば主役の女性二人もノーブラみたいだ。通常のコルセットで武装しているのと、どういう意味の違いがあるのかわからない。アイゼンシュタイン夫妻の2人の子供も現れるが、これがまたバカ騒ぎ。舞台上の動きが激しい分、歌の方がおろそかになっているように思える。じっくり歌を鑑賞するような雰囲気ではない。

 終盤、アイゼンシュタインとフランクは、舞踏会に行くために、直径1.2mぐらいの布製の円筒形の中に入って、顔と足だけ出しているスタイルで幕を終える。通常は第3幕始めしか登場しない、フロッシュが出てきて、進行役を務めているかのように、ときどき語りを入れる。

 第1幕が終わると、すぐに第2幕に突入。なにしろ舞台は何も変える必要がない。ここでもいろいろな人のダンスで始まる。みんな基本的には、現代風の衣装を付けている。

 オルロフスキーが登場するが、通常と全く違って、よれよれでお腹を出している、酔っぱらいのダダのおじさん。どっちかっていうと刑務所長のフランクのイメージに近い。こんなんで大丈夫かと思っていると、声はバス・バリトン。ときどき裏声で高い声を出す。それで、第2幕のオルロフスキーの歌は、歌わずじまい。

アデーレのマリン・ハルテリウス。昨年、チューリッヒの『ばらの騎士』でかわいいゾフィーを演じていましたが、この映像で見てもとびきり魅力的です。しかし彼女の歌の部分で、箱の中から血まみれの手と足が出た、死体を運んでいるかのようなモノをもって回りをうろうろ。なんだかわけが分かりません。

 そういえばフロッシュ、通常はもちろん男性のはずだが、ここでは女性。しかもかなり頻繁に登場して、難しいセリフを言う。音楽の中断部分が多くなって、劇の進行もいつもと違って、非常にわかりづらい。

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[2008/05/05 21:47] | こうもり | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
「こうもり」 ジョルダン指揮 パリ・オペラ座 2001 ビデオ
こうもり1

★京都御苑

 連休中は非常なほどに余裕があるので、パソコンにためていた映像をDVDにしたり、今まで見ていなかったビデオに目を通しました。うちには「こうもり」VHSが3点ありまして、2点はDVD化してありましたが、1点はまだでした。このさい残りの1点もDVDにして、全部見てみましょう。

 「こうもり」ビデオとしては、カルロス・クライバー指揮バイエルン国立歌劇場のものが有名ですが、期待して見て、ガッカリしました。歌手もオケも未熟だと思います。CDの方も固くて好きになれません。

 このパリ・オペラ座のもの、ショルティ『フィガロの結婚』は全然ダメでしたが、「こうもり」では、どうでしょう。フィガロほどこちらの要求がきつくないから、不満は少ないと予想されます。


アルミン・ジョルダン指揮 パリ・オペラ座O&Cho 
コリーヌ・セロー演出★      2001.1.1 バスチーユ 
Ⅰ.43m17s Ⅱ.50m56s Ⅲ.29m15s
    
アイゼンシュタイン======ウィリアム・ジョイナー★
ロザリンデ==========アディナ・ニツェスク★
オフロフスキー========マリナ・ドマシェンコ★★
フランク===========オドビョルン・テンフィヨルド
アルフレート=========エドゥアルド・ヴィラ
アデーレ===========マリス・ペーターゼン★
イーダ============ジャンヌ・トレムザル★
ファルケ===========マリアン・ホープ★
フロッシュ==========ジル・プリヴァ★


 まず、指揮者のアルミン・ジョルダンが現れる。ゴツイ顔をしているが、動きは早く、音楽は軽やかに始まる。序曲のあいだ、舞台上では、早朝目覚めたこうもりが、街を歩く人々にからかわれながら歩いて帰途につく場面。それから上から降りているロープを両手につかんで、空中ブランコや吊り輪のような曲芸を披露する。それから大勢のこうもりが出てきてサーカスのようになり序曲が終わる。

 第1幕のアイゼンシュタイン邸。徹底したアール・ヌーボー様式のデザイン。窓もクリムトがデザインしたステンドグラスのよう。悪趣味な成金を象徴しているのか。歌手には全く不満はないが、ウイーンやバイエルンのものに比べると、いくぶん気品に欠ける。ロザリンデもアデーレとそんなに違わない。これも成金の育ちの悪さを表しているのか。不思議なことに一部だけ、終盤のアンサンブルのところで、プロンプターの声がよく聞こえる部分があった。第1幕としてはこんなもので上出来。

 休憩を挟んで、第2幕はローマ宮殿様式の立派な建物。これまたパロディかいと思うぐらい徹底的にローマ帝国風。皇帝が持つ、上に誰かの像がついた3m程の棒というか杖を持ってオルロフスキーが登場。杖のようなものからビニールの管が。なんと点滴をしながら歩いているのだ。オフロフスキー役のマリナ・ドマシェンコ。今回みんないい歌手だったが、特によかった。存在感があり、声がよく通り、ほどほどにドスが効いている。オルロフスキー、ロザリンデ、アデーレの歌は、文句なしで気持ちいい。

 私が初めて海外旅行で訪れたのはパリで、そのときバスチーユでオペラも見た。「アドリアーナ・ルクブルール」チョン・ミュン・フン指揮 ミレッラ・フレーニ他だった。このオペラを理解していなくても演奏の凄さが伝わってきた。その中に入っていたバレエに驚いた。恐らく「こうもり」でそうであるように、劇中の余興としてあったのだろうけれど、これがめっぽう面白い。バレエと言っても、プリマが踊る派手なものではなくて、パントマイムに近い地味な踊り。狂言の動きを見ているような不思議な世界。パリの文化の伝統の重さを感じました。

 そしてこの第2幕の後半にあるバレエ。むちゃくちゃ面白い。こうもりの第2幕はいつも楽しいのだけれど、こんなに変化に富んでいて面白いバレエを見たことがない。普通のバレエでは「ジゼル」しか見たことないけれど、これって本当にバレエと読んでいいのだろうか。

 それで思いっきり興奮状態の中で第2幕が終わると、5秒ほど間があって、すぐに第3幕に突入する。第2幕のローマ宮殿のセットの前に、刑務所のセットを横滑りして出しただけ。3階建てで、上の方が上流階級、下の方が一般庶民と別れている。ここでいつものフロッシュの愚痴っぽい語りがあるが、これがまた、むちゃくちゃ面白い。この後もう少し劇は続くが、今までの破天荒な楽しさで、もうどうなってもかまわないといった気分のうちに、アッという間に第3幕も終わってしまう。アルミン・ジョルダンの演奏がどうだったのかなんて、もうどうでもいい。

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[2008/05/03 20:57] | こうもり | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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