おとなのオペラ座の怪人
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アンドリュー・ロイド=ウェバー オペラ座の怪人 25周年記念講演のCD
 
 最初見たころは、キャッツの方がよかったとか、ストーリーが不可解だとか、(あたりまえだが)歌がオペラに比べて非力だとか、素直に受け付けられなかったのだが、ガストン・ルルーの原作も読んで時間がたってくると、スタンダードなオペラと同じような自分のレパートリーになっているのを、つくづく感じるこの頃です。「ニュルンベルグのマイスタージンガー」のハンス・ザックスのようにいかなくて、ささやかな抵抗をするも、泣いて若い二人を許す独身男のお話です。

 2011年10月、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われた『オペラ座の怪人』の25周年記念公演。わたしが見たのは、2010年のアイスランド噴火で、イギリスに15日間もいた時の最終日。この時は24年めだったのか。

 ロンドンで見るミュージカルは、どれでも3千円ぐらいで見ることができるうえ、歩いてビッグベン横の豪華ホテルに帰って寝るという恵まれた環境だった。したがって歌手も日本人なのに、チケット代に一万円もかかるうえ、一時間も混雑した電車にのって帰らなくてはいけない東京公演など見に行く気にならないのであった。(郊外に住んでいるのが悪いのだが)オペラだったら行くんだけど。

ファントム: ラミン・カリムルー
クリスティーヌ: シエラ・ボーゲス
ラウル: ハドリー・フレイザーと書いても、誰も知らない。

今までのCDでは、オリジナル・ロンドン・キャスト版、劇団四季版と映画サウンドトラック版をハードディスクに入れている。それぞれ違った良さのある演奏だ。そのどれとも違って、自然に緩めのライブ感溢れる演奏。

 オーケストレーションが変えられて、全体的に繊細でゆったりしたテンポになっている。これはとてもいい。オペラに一歩近づいた。映画サウンドトラック版でもオリジナルよりもゆっくり演奏していたので、ロイド=ウェバーの本意はこちらにあるのだろう。

 歌の方は、今までのものと違った歌い方をしている。歌というよりも、演劇的に自然な歌い方というか、まあもうちょっと正確に歌ってほしいと思う。オケとずれているところも多い。慣れればよくなるのかもしれない。どっちにしてもオリジナルの端正な緊張感はない。

 クリスティーヌは特に、サラ・ブライトマンにかなうはずもない。たいていのオペラ映画もそうであるように、映画版でもこっちでも、見かけが…。どうせ歌は今一つなんだから(ごめんなさい)、見栄えのする人を望む。ちょっと文句をつけたくなるのも、気に入っている証拠だ。劇場でこれを見ていたら涙を流すであろうことは十分想像できる。

 ロイド=ウェバーは終演後の、挨拶の最後に紹介した。「わたしのエンジェル・オブ・ミュージック、サラ・ブライトマンです」



CDよりもブルーレイやDVDの方が安いのでお勧め。
オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドン [Blu-ray]

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[2014/09/30 17:42] | その他のオペラ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
サン=サーンス 「ヘンリー8世」 DVD
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サン=サーンス「ヘンリー8世」
アラン・ギンガル指揮、ピエール・ジュルダン演出・監督 198m
フランス・リリック管弦楽団、ルーアン芸術劇場合唱団 収録:1991/9/21

ヘンリー8世 フィリップ・ルイヨン(Br)
キャサリン王妃 ミシェル・コマン(S)
アン・ブリン ルシル・ヴィニョン(Ms)


 予備知識もなく見始めたのであるが、昨年映画で見た、確か「ブーリン家の姉妹」と重複するようなストーリーだ。映画の方も、特に見る気もなく見始めたのだけれど、主役のナタリー・ポートマンに見とれているうちに最後まで見てしまった。結果的にアン・ブーリンがエリザベス女王の母親になる。

 先に王に捨てられるキャサリン王妃が、メアリー・スチュアートの母親である。このDVDの解説書にもイスパニア女王カタリナと書いてあるが、スペイン女王ではなくて正式にはキャサリン・アラゴン王妃であろう。

 これはイングランドの皇太子をプリンス・オブ・ウェールズ(ウェールズ王子)と呼ぶのと似たようなものだろう。ヘンリー8世も、兄が王の時はプリンス・オブ・ウェールズだった。スペインもカスティーリャ王国がアラゴン王国を併合したようなものであるから、アラゴン王妃にも意味があるのだろう。

 ヘンリー8世のお話は好まれているようで、オペラにもいくつかある。リロの《カテリーナ・ハワード》、ドニゼッティの《アンナ・ボレーナ》、《マリア・ステュアルダ》、《ロベルト・デヴリュー》、ロッシーニの《イングランドの女王エリザベッタ》。どれも見たことがない。

 そういうわけで、ストーリーも面白かった。それよりも視覚的に、めずらしく落ち着いて見ていられる映像なので最後まで見た。(同時に借りてきたブーレーズとストラータスの「ルル」なんて、見始めてすぐ止めた)


 第1幕の舞台装置は質素である。エジプトやギリシャのような強大列柱が左右に二本づつ立っている。背景はいちおう室内らしくなっているが、それだけ。柱の前には堅い椅子が付いていて、ときおりそれに座って会話する。

 ハンス・ホルバインによる1540制作の「ヘンリー8世」、およびその前のジャン・クルーエによる1525~30頃制作「フランソワ一世」を忠実に模写したような衣装だ。しかし似ていることをいえばホルバインの「大使たち」の左の男性の方に近い。ホルバインはヘンリー8世の宮廷画家であるから、これが間違いないところだろう。

 極悪非道な王としてはホルバインの絵よりも、フィリップ・ルイヨンの方がずっとヘンリー8世に似ている。本人は知らないけど、こっちのほうが似ている。そんな気にさせてくれるピッタリな配役だ。歌手は、当然、歌えることが優先されるのだから、見た目が似ているなんてのは、ほとんどあり得ないぐらいめずらしいことだ。

 このような専制君主の場合、本人が生きている限り王の交代はありえない。したがって、暴虐を見るに見かねた近親や親衛隊による暗殺によって、新しい王に取って代わられることになりがちだが、彼は生きながらえた。ルキウス・コルネリウス・スッラみたいで、それはそれで見事だ。

 キャサリン王妃のミシェル・コマンもかつて美しかったであろう容姿と風格がピッタリで頼もしく見ていられる。彼女の歌がいちばん聴き応えがある。他を圧する美人に決まっているアン・ブーリンの方は、そういうわけにいかないことは言うまでもない。アイーダでも、アムネリスの方が美しいのに…、と思うことが多い。しかし、とにかく、指揮者もオケも歌手も全然知らないのに、曲も初めてなのに、とても良かった。

サン=サーンス:歌劇「ヘンリー8世」全4幕 [DVD]

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[2014/05/07 18:10] | その他のオペラ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
ジャンニ・スキッキ ミラノ・スカラ座2008
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 プッチーニの曲というと「トゥーランドット」しか愛好していない。したがって有名な「トスカ」「バタフライ」「ボエーム」なんかは、一応100回くらいは聴いているが、他の演目にはとんと手を出す気にならない。

 「トゥーランドット」は未完であるから、プッチーニが最後に完成したオペラはこれのようである。言うまでもなく作曲時期が「トゥーランドット」に一番近いわけだから、もしかしたら「ボエーム」なんかよりも気に入るかもしれない。可能性はある。

 そう思って前日NHK・BS放映された3部作を見る。2008年3月13日に、一度に上演されたものらしいが、「外套」「修道女アンジェリカ」「ジャンニ・スキッキ」配役はそれぞれ違っている。放映された源語のタイトル、個別にではなくて、「3部作」みたいな単語になっていた。そんな言い方でいいのだろうか。

 なんでも原作はダンテの「神曲」のお話みたいだ。12世紀くらいのフィレンツェ。それにしては背景に現代のフィレンツェのシルエットが映っている。舞台は全面真っ赤なところに、死者の眠ったベッドが客席から見やすいように斜めに置いてある。シーツも枕も背景も赤だ。死者に掛けてある毛布みたいなのだけ金色をしている。周りの人たちは真っ黒の現代的喪服。なんとなく全盛期のヴェネチア風である。


プッチーニ「ジャンニ・スキッキ」53m。
リッカルド・シャイー指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団 2008.3.13
ジャンニ・スキッキ:レオ・ヌッチ
ラウレッタ(ジャンニの娘):ニーノ・マチャイッゼ
(どうせ知らない配役と歌手なので以降は省略、ヌッチはとてもいい)


 若い頃から、自分の娘が結婚する時のお父さんぐらい悲しい者はない。そんな悲しい思いをするぐらいなら娘なんかいない方がいい。と思っていたのだが、本当に今まで娘がいないとは想像していなかった。残念な気がする。

 娘に「おねがい!おとうさん」と哀願されて、拒否できるお父さんがいるものだろうか。

 3部作も、もちろんオペラ聴き始めの頃に、2~3回聴いてみていたが、わからずそのままになっていた。ただ「ジャンニ・スキッキ」のラウレッタのアリア「私のお父さま」だけは、いろいろなアリア集などに入っているし、美術番組「美の巨人たち」のエンディングテーマにも使われており、それこそ耳にたこができるくらい馴染んでいる。

 プッチーニのメロディーの枯渇ぶりは後期になるほどひどくなる。なにもモーツァルトやヴェルディのようなふんだんに美しいメロディが出てくることを期待するわけではないが、若い頃たくさんあったものの数が、すごく少なくなった。逆にそのせいか「トゥーランドット」のリューみたいに、ごくまれに出てくる歌に感動させられる。

 それで、この慣れすぎているラウレッタのアリアが始まったら、涙がこぼれてきた。

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[2014/03/14 18:35] | その他のオペラ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
「泥棒かささぎ」ってなに?
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 先日読み切った、「ねじまき鳥クロニクル」であるが、タイトルがである。
第一部「泥棒カササギ」、第二部「予言する鳥」、第三部「鳥刺し男」。
これって、ちょっとだけ本文で説明してあるけど、クラシック聴かない人に、どの程度伝わるのだろう。

 「予言する鳥」はシューマンの曲だが、オペラと関係ないのでやめといて(知らないんだけど)、「鳥刺し男」はパパゲーノのことなので『魔笛』の方に譲ろう。こっちは有名すぎる。

 ロッシーニの序曲で有名な、あくまで序曲だけだが、「泥棒かささぎ」である。ずっと前から、聴いたことだけはある。泥棒を疑われた娘がおったが、真犯人はかささぎであったことが分かって、めでたく結婚するという、お話だ。(はしょりすぎ)

 村上春樹は、アバド指揮のロンドン交響楽団の演奏を想定しているみたいだ。今回、それは手に入らなかったのだが、新しい「ヨーロッパ室内管弦楽団」、若手の寄せ集め軍団の演奏のCDを手に入れた。

 一部の曲を知っているだけ。比べてみると、最近のアバドらしい、現代的な、活気のある演奏でいいのだが、私はロンドン交響楽団時代の自然な演奏の方が好きだ。じわじわと体が温まってくるような。

 てなわけで、たいていのみなさん見たことがないであろう「泥棒かささぎ」の画像をひとつ…、ふたつ、みっつ。(アバドのはスキャンしました)




パパゲーノss
ついでに鳥刺し男も

泥棒かささぎ伊語イタリア語

泥棒かささぎ英語
英語

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[2013/03/28 19:52] | その他のオペラ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
「メリーウィドウ」2012フォルクスオーパー来日公演
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☆おふざけマイヤー


 最近オペラを、とんと、採り上げていないように思われますが、見ていない、あるいは聴いていないことはないのです。作品展があったせいか、体調不良のせいか、(たぶん後者)筆力が弱っているのです。絵はちゃんと描いていますが、文章をあんまり書いていません。

 そんで、たしか7月に録画してあったビデオを、最近見て、たいへん心あたたまる気分にさせてくれたももが、これです。(ももではない。モモは今年2個しか食べていない)

「メリーウィドウ」2012フォルクスオーパー来日公演

指揮:エンリコ・ドヴィコ   ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団・合唱団
演出:マルコ・アルトゥーロ・マレッリ ウィーン国立バレエ団

ミルコ・ツェータ男爵:クルト・シュライプマイヤー
ヴァランシェンヌ:ユリア・コッチー
ハンナ・グラヴァリ:アンネッテ・ダッシュ
ダニロ・ダニロヴィッチ:ダニエル・シュムッツハルト
カミーユ・ド・ロション:メルツァード・モンタゼーリ
カスカーダ子爵:ミヒャエル・ハヴリチェク
ラウル・ド・サン・ブリオシュ:カール=ミヒャエル・エブナー
ボグダノヴィッチ:ヨアヒム・モーザー
シルヴィアーヌ:リディア・ペスキ
クロモウ:マルティン・ヴィンクラー
オルガ:ベアーテ・リッター
プリチッチ:フランツ・ズーラーダ
プラスコヴィア:アレクサンドラ・クルーゼ
ニェーグシュ:ロベルト・マイヤー


 なんというか、みんな適役で、見苦しい歌手が一人もいなかった。それだけでもすごい。そして、ダニロとハンナ、主役2人が、さらに適役、バッチリ決まってきた。演出も適度に近代化された現実的舞台装置なので、先日のザルツブルグ音楽祭「ボエーム」のように気分を害するようなところはない。

 ハンナのアンネッテ・ダッシュがとてもいい。感受性豊かな適度に庶民的な女の子。決して高貴な生まれではない。おふざけも似合う。そんな感じがぴったりです。バイロイトのエルザにはちょっとガッカリしていたのですが、こっちはいいです。

 カーテンコールで、指揮者・演出家も舞台に出て、みんなで手をつないであいさつ?うん?ニェーグシュのマイヤーがいないぞ?
かれは、いつのまにかオケピットに入って指揮者の位置にいる。キビキビとした指揮で、最後のマーチをアンコール演奏。これは楽しい。


 それから、いつぞや20年間眠らせていたVHS、見たら素晴らしかったアバドの「エレクトラ」。それと同時代のアバドの「ホヴァンシチーナ」、これも編集中に断片的に見たのだが、合唱がすごい。名作に違いない。これは、またあとで。

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[2012/10/18 17:20] | その他のオペラ | トラックバック(0) | コメント(4) | page top
『ランメルモールのルチア』 藤原歌劇団 3月5日
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 結果的に、とても満足しています。みんな最大の成果を上げているように思えます。主役3人とも、特にルチアが、この難しい役を、特に破綻もなく見事に歌いきりました。このオペラは、っていうかドニゼッティ自体が初めてなので、ベルカントの型がどうとか言えませんが、ほんとによかったです。

 今回、ついに『影のない女』『トゥーランドット』『サロメ』と、見事に増えてきていた、”空席”が目立ちませんでした。公演日が2日しかないせいでしょうか。しかも2日ともキャストが違います。それぞれ1回しか歌わないのです。

 そんなことよりも、実は、藤原歌劇団って、もしかして初めてかもしれません。覚えてないのです。二期会は二十数年前から、何度か覚えているのですが。ふだんと違って、ここのところの立て続けの、自転車操業みたいなチケット取得オペラ通いのついでに、なにも考えず買ってしまいました。(ウソです)

 当方、ドニゼッティやベッリーニはちょっと敬遠しておりました。今までだったら買わなかったのですが、先日の「サロメ」に味を占めて、うっかり買ってしまいました。作品としてはやはり、「サロメ」とかワーグナーとかヴェルディに比べると、比べてはいけないが、ノンアルコールビールのような、アルコール度数が少ないような気がします。

 「サロメ」に「ルチア」に似たようなタイトルの…、そうですベッリーニ「ノルマ」ですが、こっちは2回ほど実演で聴いたことがあります。その時の主役を歌ったのは、リッチャレッリとグルベローヴァでした。「ルチア」で、アルコール度数を上げるには、もしかして、このような特別の名歌手が必要なのではないでしょうか。

 この「ルチア」、全曲はよく知らなかったにしても、「狂乱の場」というのは、サザーランドやグルベローヴァのCDで馴染んでいる曲でした。若き日の?超絶グルベローヴァのリサイタルでも2回聴いたことがあります。(今はそんなにすごくないと思う)

 急遽買ったチケット。予習のため『ランメルモールのルチア』のビデオを探したところ、ダンボール箱の中から、1本出てきました。あと10日後ぐらいにやってくる、フィレンツェ歌劇場、正式にはたぶん、フィレンツェ5月音楽祭管弦楽団と合唱団。ズビン・メータの指揮に(またっ)グルベローヴァでした。(他に歌手はおらんのか)たしか、今回は「運命の力」と「トスカ」をやるはずですね。

 「ルチア」のあらすじを見ると、この後の「運命の力」となんとなく似ています。恋人2人の家は、ロミオとジュリエットみたいに敵同士で、ヒロインの兄が命をかけて2人の仲を裂こうとします。恋人2人は、最後に自ら死ぬ。なんて救われないお話でしょう。

 「運命の力」に比べ、「ルチア」の方が、さらに恋人たちにやる気がありません。ルチアはとりあえず兄のいいなりです。恋人エドガルドと兄エンリーコは、互いの屋敷に現れても、口で言い合うだけで、殺そうとはしません。2回目にやっと決闘の約束をするだけです。何で今、その場で戦わないか。草食系かっ!。

 そのため、前回の、極端に動き回る「サロメ」の反対で、動きのない舞台です。舞台装置は、真ん中に道がある、というかスキー中級コースなみの斜面があるだけの舞台ながら、なかなかの雰囲気を出して好感を持てます。ただ、お話の流れからして、決定的場面というものがなく、出てきては言い争いをするだけで引っこむ、という、演奏会形式のような動きの少ない舞台でした。見た目が綺麗だったからいいけど。


2011年3月5日(土) 15:00開演 東京文化会館
指 揮:園田 隆一郎    演 出:岩田 達宗
合唱  藤原歌劇団合唱部
演奏  東京フィルハーモニー交響楽団                
ルチア      佐藤美枝子   
エドガルド    村上 敏明  
エンリーコ    谷   友博    
ライモンド     彭   康亮    
アルトゥーロ  川久保博史   
アリーサ     牧野真由美   
ノルマンノ   所谷 直生    

第1・2幕 15:00~16:25 85分
休憩 25分
第3幕 16:50~17:45 55分

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[2011/03/06 17:56] | その他のオペラ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
新鮮なメト「ホフマン物語」 第2・3幕
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 第2幕はシンプルで薄紫の背景で右手にピアノがあるだけ。アントニア最初の大アリアである「キジバトは逃げていった」は、声質のせいかパッとしない。続く、フランツ(このキャラの意味がいまひとつわからないが)の、滑稽なしぐさと歌い方、オランピアの真似をしてホフマンをからかったりと、楽しめる。こんな場面、今まで見たものにもあったのだろうか。

 アントニアの次の歌「飛び去る恋の歌」では、ネトレプコ持ち直す。しかし、実演では素晴らしいのだろうが、ビデオになるとどんよりモヤッとした声に聞こえる。ホフマンの方がずっと声が通る。このときあたりから背景の色が肌色になったり、青になったりと変化する。手前にスリットがあり、ドアが4つあるようにも見える。

 ネトレプコは下着のような白いドレスで出てくる。アントニアの母が出てくるが、(見かけも)声もあまり良くない。ただし、ミラクルと母とアントニオの三重唱は盛り上がる。ドラマティック・ネトレプコが本領を発揮する。第2幕では背景がシンプルで、あくまでも歌手が中心という雰囲気で好感が持てる。

 幕間に2回目の、デボラ・ヴォイトのインタビューコーナー。彼女はネトレプコのことを、「アーナ」と呼んでいた。ホフマンの新鋭ジョセフ・カレヤには、「(いつぞやの舞台)ドミンゴが見ていたそうですが、どうですか?」と質問。「あんな生ける伝説みたいな大歌手にはとうていかないませんが……」
私が生で聴いたドミンゴは、全然よくなかったんだけど。

 第3幕も舞台上のセットらしいモノはないが、人でいっぱい。黒いブラとショーツだけのダンサー多数。たしか美しいヴェネチアのはずなのだが、トロヴァトーレの荒野、またはタンホイザーのヴェーヌスの世界だ。オランピア人形が4体出てきて、もはや回想ふうになってくる。

 終幕:ルーテルの酒場。さっきまで黒いコートだったニクラウスが、下着風桃色ドレスのミューズで登場するのでビックリする。アントニアとジュリエッタも登場。あれっ、ホフマン物語ってこんなフィナーレだったっけ??今まで見たのとだいぶ違うぞ。

 「人は愛によって成長し、涙によってなお大きくなる」
レヴァインの指揮も、20年前の実演の時よりもずっと暖かい。新春第一弾は、これで良かったのだ。
今まで見た、メトロポリタンオペラの中でいちばん感動した。


歌劇 「ホフマン物語」 (オッフェンバック)
ジェームズ・レヴァイン指揮  バートレット・シェア演出
2009年12月19日 メトロポリタン歌劇場

ホフマン   ジョセフ・カレヤ
ミューズ/ニクラウス  ケイト・リンジー
ステラル/アントニア  アンナ・ネトレプコ
オランピア   キャスリーン・キム
ジュリエッタ   エカテリーナ・グバノワ


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[2011/01/16 17:27] | その他のオペラ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
新鮮なメト「ホフマン物語」 第1幕
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 その1988年の来日公演でも、もっとも楽しかったオランピアの歌ですが、歌っているのはキャスリーン・キムという、恐らく韓国人歌手。オランピアの歌って、オスカルとかツェルビネッタなどを歌う歌手と共通している。かつてレコードで聴いた中では、サザーランドが良かったように思う。

 この手の曲では、哲人グルベローヴァでは、強力すぎて楽しくない。ちょっと非力な、スミ・ジョーとかキャスリーン・バトルでいいような気もする。キャスリーン・キム、歌はまったく素晴らしい。しかし、見かけが丸ぽちゃ東洋人。なんか変だ。西洋人の方がお人形らしくなるのだろうか。この、意外と珍しい、クローズアップに耐えないような歌手のいない素晴らしいキャストの中で、唯一、場違い感がある。

 プロローグ、第1幕が終わると、ホフマンとオランピアにインタビュー。後ろでは、舞台装置を動かしている。どうやら第2幕のセットに変わったようだ。インタビューも終わり間近、2人の歌手の後ろで、おどけた格好でポーズを取っている人がいる。カメラを意識してふざけているのだ。ネトレプコだった。

 今までで、とくに目立っているのは、実はミューズ/ニクラウス役のケイト・リンジー。何だかカッコイイ。男性っぽい女性歌手。黒っぽいコートを着ているので、「アンドレア・シェニエ」ビデオのフーキエ・タンヴィルみたいだ。グレギーナが出ているやつ。つまり悪役っぽいのだ。


 そうそう、また思い出したのだが、新国立劇場でも見たことがあった。
舞台装置は非常に美しかったが、今シーズンの「アラベラ」「アンドレア・シェニエ」と同じフィリップ・アルローだったのか。

2005,12新国立劇場
演出:フィリップ・アルロー、指揮:阪 哲朗
東京フィルハーモニー交響楽団
ホフマン:クラウス・フロリアン・フォークト
オランピア:吉原 圭子
ジュリエッタ:森田 雅美
アントニエッタ:砂川 涼子
ミューズ:加納 悦子
ニクラウス:加納 悦子
ステラ:林 美智子
母:林 美智子
悪漢4役:ジェイムズ・モリス
召使など:青地 英幸

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[2011/01/09 20:44] | その他のオペラ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
新鮮なメト「ホフマン物語」 プロローグ
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☆ちょっと変なオランピア

 昨年11月末に放映された、『華麗なるメトロポリタンオペラ』シリーズです。(こんなタイトルだったのか。) 「トスカ」は飛ばして、「アイーダ」「トゥーランドット」と中途半端に続きましたが、4つめの「ホフマン物語」です。

 「アイーダ」「トゥーランドット」共に、古い演出みたいだったのですが、今回は新鮮な感じがします。今回は、インタビューアーが、これまた有名なデボラ・ヴォイト。ワーグナーもののどこかで聴いたことはあるのかないのか覚えていない。

 レコーディング・エンジニア室みたいなところからマイク越しに「マエストロ、ピットへ!」と声が聞こえレヴァインが登場。ここで、思い出した。って言うか、なぜ忘れていたのだろう、レヴァイン指揮のメト来日公演で聴いたことがあったのだ。

 調べてみたら、1988年の来日公演。同時に来た名歌手は、ドミンゴ、コッソット、モリス、ミルンズ、バトル、ボニゾッリ、ミッロ、ハンプソン、ヴァネスなどそうそうたるもの。

 「ホフマン物語」に出演しているのは、ホフマンがドミンゴ、悪4役がジェームズ・モリス、その他ではオランピア役のエリー・ミルズ、この人だけ飛び抜けてよかった。ちょっと良い席、B席を買ったのだが、2階センターであるが、いちばん奥の壁際の角、最悪だった。3階のどこでも、これよりは良いだろう。あまりにひどいので、その後の幕は、1階の後ろで立って見た。

 このようなパッとしない印象の公演よりも、ずっと素晴らしい演奏だ。オケもスッキリ、快活に音楽が流れている。レヴァインの良さが出ているようだ。(大抵はつまらないと思っている。)いつものメトとは違うみたいだ。

 いつものような、壮大な舞台装置などは全くなく、書き割りかカーテンがほとんど。周りは暗くてよくわからない。人間の動きと、小道具の使い方によって、洗練された舞台となっているようだ。目が書いてある和風の傘を効果的に使っている。



歌劇 「ホフマン物語」 (オッフェンバック)
ジェームズ・レヴァイン指揮  バートレット・シェア演出
2009年12月19日 メトロポリタン歌劇場

ホフマン   ジョセフ・カレヤ
ミューズ/ニクラウス  ケイト・リンジー
ステラル/アントニア  アンナ・ネトレプコ
オランピア   キャスリーン・キム
ジュリエッタ   エカテリーナ・グバノワ

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[2011/01/06 22:32] | その他のオペラ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
3組の『オペラ座の怪人』を聴く。 The Phantom of the Opera : 3 works.の続き。
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 とまあ、グチっぽく言っている「劇団四季」の公演ですが、演奏と歌は、なかなか見事なものです。日本語に足を引っ張られているとはいえ、ロンドン版にそれほど引けを取りません。カルロッタの部分のように、こっちの方が優れていると感じるところもあります。

 これと正反対(といっても比べる数が少ないのだが)なのが、映画版サウンドトラック。歌がそれほどうまくない。が、しかし、ここだけすごいのが、オーケストラ。きっと予算がふんだんにあったのだろう、劇場付きのではなく、ちゃんとしたオーケストラを使っているようで、重厚な音色が違う。テンポも驚くほどゆったりで、作曲家は本来、こうしたかったのではないかとも思う。

 しかし、オペラ映画などでもそうなのだが、映画監督というものは、音楽を疎かにする。映像のカット割りの都合に合わせて、音楽が途中で終わったり、フェードアウトしたりする。むしろ、音楽を完全に流して、それに映像を合わせてほしいものだ。

 特に、かなり重要だと思われる、「プリマドンナ」終わり部分と第1幕最後のセリフがカットされている。いちばん良いところなのに。


 ロンドンでの実演時にもっとも感動した、「支配人のオフィス~プリマ・ドンナ Notes...~Prima Donna」の部分。この7重唱の、オペラのフィナーレみたいな盛り上がるところ。

 この時はあらすじも知らず、曲のことが把握できていなかったので、ソロ曲はよくわからなかった。それより、スピーカーから拡声されて出てくる歌(キャッツの時は、かなり自然だった)にうんざりしていたのだ。しかしこの7重唱は感動した。重唱が作曲家の腕の見せ所です。

 いま思うと、ロイド=ウェバーの技量にまんまとはめられたということか。主題はどう見ても、ちょっとかっこわるい曲調だ。このミュージカルの中では、「プリマドンナ」とか「オペラ」というものはパロディー化されている。こんなふうに作れば、オペラでしょう!オペラって単純でしょ!みたいな。

 ここのアンサンブル、やっぱり「劇団四季」が弱く、映画版はカットされており、ロンドン・オリジナルが素晴らしい。

 「キャッツ」も「オペラ座の怪人」も、シアターで見ると、導入に度肝を抜く演出があるが、ミュージカルってこんなものなのでしょうか。他は見たことないので。

 第1幕では「ハンニバル」The dress rehearsal of "Hannibal"、第2幕では「ドン・ファンの勝利」"Don Juan Triumphant"というオペラを扱っているが、この全曲も作ってほしい。ベームやカラヤンが「こうもり」を演奏し、バーンスタインが「ウエストサイド・ストーリー」を録音し、グルベローヴァが「キャンディード」の曲を歌うように、だれかやらないものか。


『オペラ座の怪人』第1幕の曲目

〔1〕プロローグ
   Prologue
〔2〕オーヴァチュア
   Overture
〔3〕ハンニバル
   The dress rehearsal of "Hannibal"
〔4〕スィンク・オブ・ミー
   Think of Me
〔5〕エンジェル・オブ・ミュージック
   Angel of Music
〔6〕リトル・ロッテ
   Little Lotte...
〔7〕ザ・ミラー(エンジェル・オブ・ミュージック)
   The Mirror...(Angel of Music)
〔8〕オペラ座の怪人
   The Phantom of the Opera
〔9〕ザ・ミュージック・オブ・ザ・ナイト
   The Music of the Night
〔10〕怪人の隠れ家
   I Remember.../Stranger Than You Dreamt it...
〔11〕舞台裏
   Magical Lasso...
〔12〕支配人のオフィス
   Notes...
〔13〕プリマ・ドンナ
   Prima Donna
〔14〕イル・ムート
   Poor, Fool, He Makes Me Laugh
〔15〕オペラ座の屋上
   Why Have You Brought Me Here.../Raoul, I've been There...
〔16〕オール・アイ・アスク・オブ・ユー
   All I Ask of You



  



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[2010/12/16 20:08] | その他のオペラ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
3組の『オペラ座の怪人』を聴く。 The Phantom of the Opera : 3 works.
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 映画『オペラ座の怪人』、劇団四季の吹き替えで金曜ロードショーにて放送決定!
12月17日、日本テレビの「金曜ロードショー」で放送される米ミュージカル映画『オペラ座の怪人』の吹き替えを劇団四季の俳優たちが務めたことがわかった。

 この記念でも何でもなく、4月にロンドンへ行く前から、少しずつ聴いていたのである。

●オペラ座の怪人 ロンドンオリジナルキャストThe Phantom of the Opera (Original 1986 London Cast)
The Phantom of the Opera  MICHAEL CRAWFORD
Christine Daae  SARAH BRIGHTMAN

●オペラ座の怪人 劇団四季ロングラン10周年記念キャスト 劇団四季
今井清隆、井料瑠美、柳瀬大輔

●オペラ座の怪人 2004年版映画サウンドトラック
# 監督:ジョエル・シュマッカー
# 出演:ジェラルド・バトラー(ファントム)、エミー・ロッサム(クリスティーヌ)、パトリック・ウィルソン(ラウル)、ミランダ・リチャードソン(マダム・ジリー)、ミニー・ドライヴァー(カルロッタ)

 この3組です。ブロードウェイ盤とか他にもあるけど、とりあえずこの3組。これはまた、想像以上にそれぞれ違って、聞き比べた意味があると思います。


 ガストン・ルルーの原作や、以前の映画ではなく、ロイド=ウェバーの作曲によるものを聴く限りでは、このお話、ワーグナーの「ニュルンベルグのマイスタージンガー」Die Meistersinger von Nürnbergと共通するものを感じます。

 細かいストーリーは気にしない、音楽第一主義なので、反論は受け付けません。(ウソです)。
その気になって、手を尽くせば、素敵な女性と結ばれることも出来た師匠が、自分のハンディキャップを自省し、自分より(見栄えばかり良くてバカで単純な、と付け加えたいが)若い男性と、お似合いの男性と結ばれるように、取りはからう物語です。
だから、ちっちゃいことは気にするなというのに。

 『ばらの騎士』を裏返しとも言えますが、とにかく、悲しいお話です。それで、悲しいお話は、あまりハッキリ聴きたくないのです。「劇団四季」の公演は日本語なので、きついところがあります。

 たとえば、「私の宝物に手を出す奴。無礼な若造め、愚か者め」「この悪党、これが見たいのか、畜生!」などと、劇団特有のことであるのか、歌よりも、歌詞の意味を伝えることを大事としているらしい。明瞭すぎる日本語は不自然に感じるし、音楽を阻害するのではないか。

 ついでに、台本上「私」となっているところは「あたし」と発音している。
「あっ・たっ・しぃーを見てー」と歌う。こんなところ、世にミュージカル嫌いがはびこる原因ではないのかと思う。ミュージカルと言うよりも、日本の演劇の傾向から来るものでは。オペラ嫌いも多いだろうけどね。

 しかし、なんと言っても日本語、意味が良くわかる。最初にこれを聞き込んでおけば、オリジナルを聴いたときに、英語と同時に意味がわかるという利点がある?か、ないか?。それにしても、音楽的には気持ちよくないけど。

 特に感心したのは、劇中劇「ハンニバル」The dress rehearsal of "Hannibal"で歌われるスィンク・オブ・ミーThink of Me。始めに正統なオペラ歌手であるカルロッタが歌って、それをいったん中断し、クリスティーヌが同じ曲を最後まで歌うところ。

 ロイド=ウェバーさん、いきなり最初からこんな名曲を持ってくるところもすごいが、「マイスタージンガー」で歌の完成までの制作過程を見せられているような、2人の歌い方の違いが楽しい。クリスティーヌが完全に歌うのだが、ここでのカルロッタの歌い方は、他盤以上にオペラティックで見事だ。ネトレプコのような、一流の歌手で聴いてみたい。



  


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[2010/12/14 18:09] | その他のオペラ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
イオアン・ホーレンダー監督フェアウェル・コンサート
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☆ホーレンダー監督と左はネトレプコ。


 ウィーン国立歌劇場の総監督を20年務めたイオアン・ホーレンダーが退任するそうで、その記念?コンサートの模様がNHKハイビジョンで放映されました。隙間のほとんどない、ビッシリ詰めた編集であるので、きっと販売されるのでしょう。
 オーストリア 2010年6月26日収録  NHK BS-hi

 まずメータ指揮の「リエンチ」序曲で始まります。なぜ?こんな曲で?と思いました。それから先も、知らない曲が目白押しです。その後は歌ばかりですが。そして歌っている途中に、実際に歌劇場で演じられたビデオも流されます。

 あんまり縁のない曲。
フェドーラ、エロディアード、シャモニーのリンダ、ウィリアム・テル、ゆめくい小人、ジャンニ・スキッキ、夢遊病の女、ロメオとジュリエット、死の都、ウェルテル、妖精ヴィルリ、連帯の娘、ファウスト……

 と、半分くらいは知らない曲でした。途中、めげそうになりました。
知ってる曲もあります。
フィガロの結婚、コシ・ファン・トゥッテ、影のない女、ワルキューレ、ラインの黄金、ローエングリン、トリスタン(2曲)、トロヴァトーレ、シチリア島の夕べの祈り、ナブッコ、ドン・カルロ、運命の力、マクベス、アラベラ、マノン、メリー・ウィドウ、ホフマン物語、無口な女、ホフマン物語などです。

 しかし、演目も、指揮者、歌手も知っているのは半分と言ったところです。これくらいの演目は、ウィーンの人たちには、常識なのでしょうか。

 知っている指揮者は、ウェルザー・メスト、メータ、ファビオ・ルイージ、パッパーノ、シュナイダー、ドミンゴ(歌と両方)

 知っている歌手は、ザイフェルト、シャーデ、シュトルックマン、ハンプソン、キーンリサイド、ピエチョンカ、ヌッチ、ドミンゴ、ヴァルガス、フルラネット、ポータ、グールド、ポラスキ、ネトレプコ、デッセー、キルヒシュラーガー、マイアー、フリットリ、ラムダウ、アンゲラ・デノケです。そのほか大勢の歌手の皆様。

 さてこのように、知らない曲が多くて、辟易していると、2時間たったところで、『影のない女』フィナーレをやってくれました。そして、終盤ホーレンダー監督のあいさつがあり「すべてこの世は冗談だ」と言って、最後の曲です。

 いやー、『影のない女』とこの曲は、もっとも好きな曲なので、案外ウィーンと私の好みは近い!と、確信して気持ちよく休みます。

 そうです、フィナーレは『ファルスタッフ』でした。
「すべてこの世は冗談だ」。客席を指さし「全員がいかさま師だ!」

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[2010/11/23 22:30] | その他のオペラ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
新国立劇場公演  アンドレア・シェニエ
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 先月の『フィガロの結婚』と、完全に左右対称になる席でした。3階LまたはR8列の壁側から二人目でした。音はいいものの、今回は前の人の頭で、舞台中央がゴッソリ見えませんでした。しかし、最安席なのに、舞台に近くて声がよく聞こえます。

 この演目について、詳しいわけではないので、細かいことは言いません。最近、私の耳が節穴になったのか、楽天的になったのか、前回同様、音楽的に不満はほとんどありません。『フィガロの結婚』同様、四幕まで同じセットで通したのには驚きましたが、回り舞台だったので、変化はついていました。いやいや、それどころか、とても素晴らしい演出だと感動しました。

 今までの数作品と違い、歌手は舞台前方まで出てきて歌い、幕の間にも映像を映し、効果音も出しといった、サービスは、好意的に解釈したいものです。各幕の締めに、上から斜めの壁が降り、その後、左右からも斜めの壁が出てきて合わさる、のにも感動しました。二回目から、これはギロチンの刃なんだと気づきました。

 このオペラの主役と言ってもいいようなジェラールの声が弱めだったことを除けば、マッダレーナとシェニエの声は、予想以上の力強さでCDで聴いたり、ビデオで見たときの感動をはるかに上回りました。とても良かったです。

 リングのシリーズを除けば、新国で最高の演目の一つだと思います。


【指 揮】フレデリック・シャスラン
【演出・美術・照明】フィリップ・アルロー
【衣 裳】アンドレア・ウーマン

【アンドレア・シェニエ】ミハイル・アガフォノフ★★
【マッダレーナ】ノルマ・ファンティーニ★★
【ジェラール】アルベルト・ガザーレ★
【ルーシェ】成田博之
【密偵】高橋 淳
【コワニー伯爵夫人】森山京子
【ベルシ】山下牧子
【マデロン】竹本節子
【マテュー】大久保 眞
【フレヴィル】萩原 潤
【修道院長】加茂下 稔
【フーキエ・タンヴィル】小林由樹
【家令/シュミット】大澤 建

【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

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[2010/11/13 17:24] | その他のオペラ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
スメタナ「売られた花嫁」
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 数日前の「ファウストの劫罰」とは違って、公演の10日ほど前にCDを聴いて、都響ホームページで全価格帯のチケットがまだ売っているのを見て、急に決めました。舞台横のLAやRAの席、¥4500もまだ売っています。

 さらに、シルバーエイジわくもあって、通常の30%割引で買えることもわかりました。知人の分はこれで、3日前の15日、「ファウストの劫罰」で東京文化会館に行った時、都響事務所で買いました。それで買ったS席がまた、前から7列目、実質4列目といったとても良い席でした。

 急遽CDを聴いてみたのですが、2・3回聴けば楽しんで口ずさめるような、わかりやすい曲です。こんな曲は初めてです。「ファウストの劫罰」なんて、50回ぐらい聴いても、何だか良くわかりませんから。

 サントリーホールは2年ぶりだったのです。暑いから、降りたことのない南北線「六本木一丁目」という新しい地下鉄の駅で降りました。地下鉄に長時間乗っていると、すごく遠方に来た気がします。これは初台の新国立劇場よりも面倒な気が…。サントリーホールはなるべく来ないようにしようと決意を新たにしました。



都響スペシャル 都響創立45周年記念特別公演 コンサートオペラ「売られた花嫁」
チェコ語上演/日本語字幕付/コンサートオペラ形式
7月18日 (日)14:00 会場:サントリーホール

指揮・演出:レオシュ・スワロフスキー
イェニーク:ルドヴィット ・ルーダ
マジェンカ:アドリアーナ・コフトコヴァ
ヴァシェック:オトカール・クライン
ケツァール:ヤン・ガラ
クルシナ:セルゲイ・トルストフ
ルドミラ:エヴァ・シェニグロヴァ
ミーハ:フランティシェク・ジュリアチ
ハータ:ルチエ・ヒルシェロヴァ
合唱:二期会合唱団
ナビゲーター:朝岡聡
演出補:菊池裕美子

第1幕14:05~:55  第2・3幕15:15~16:45


 直前まで、全席種のチケットが売っていたのとは裏腹に、客席に空席はあまりありませんでした。特に、1階・2階の良い席はビッシリでした。舞台裏のP席は、真ん中3分の1が合唱団席となり、左右はシートをかけられていました。1階最前列の3列もシートがかけられて座れないようになっています。

 オーケストラの後ろにほんの少し舞台があり、ここで演技をしたり、ダンスを踊ったりしました。ときおり、舞台のオーケストラの前にきて歌ったり、座ったりもします。前に出てきて歌われると、普通のオペラではあり得ない近さで歌われて感動モノです。

 それぞれの幕の最初に、オペラ大好き朝岡聡が、この街のバールの主人の役で登場。何となくの状況説明で、ちょっと笑わせる。第1幕はほぼそのまま。普通のオペラと違って、休憩が20分と短くて、なんだか変な気分がした。第2幕と3幕は、20分ほどのカットを入れて短くしたうえで連続して演奏。

 それぞれの曲がわかりやすく楽しめるが、特に舞曲。第2幕のフリアント、第3幕のスコチナーの部分が、ほぼ、たった4人のダンサーで踊られるだけだが、気分の高揚する場面だ。各フィナーレは、モーツァルトの最良の部分を短く因襲しているような気の利いたもので、幸福感に包まれて帰路についた。


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[2010/07/19 09:49] | その他のオペラ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
もうすぐ『ファウストの劫罰』
ファウスト劫罰1007



東京二期会/東京フィル ベルリオーズ・プロジェクト 2010
エクトール・ベルリオーズ 4部からなる劇的物語『ファウストの劫罰』

東京文化会館 大ホール(JR上野駅公園口前)2010年7月
指揮: ミシェル・プラッソン
演出・振付: 大島早紀子

配役 15日(木)/17日(土)
ファウスト 福井 敬
マルグリート 林 美智子
メフィストフェレス 小森輝彦
ブランデル 佐藤泰弘

メインダンサー:白河直子
ダンサー:木戸紫乃、小林史佳、斉木香里、泉水利枝、池成愛、野村真弓
合唱:二期会合唱団
児童合唱:NHK 東京児童合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団


 よくわからないまま、チケットを買いました。劇的物語「ファウストの劫罰」全曲 CDは、シャルル・デュトワ、インバル、チョン・ミュン=フン、ケント=ナガノ、マルケヴィッチのものを数回聴きましたが、なんでしょうこの曲は?

 オラトリオみたいで、とてもオペラとは思えません。どうやって演出したら納得できる舞台になるのでしょうか。ベルリオーズだから、実演では迫力のある演奏になると期待しています。

 大島早紀子さんの演出は、一昨年の若杉『ダフネ』日本初演の時に拝見しましが?


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[2010/07/12 17:36] | その他のオペラ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
ヘンゼルとグレーテル 小澤征爾 横浜7月20日
小澤ヘンゼル




「ヘンゼルとグレーテル」横浜公演 初日に行ってきました。
3F最後尾の席から見ましたが、とてもクリアでした。
第2幕後半から舞台装置が、美しくなり、音楽も楽しめました。
歌手の中では特にグラハム・クラークに感心しました。ほんとにミーメの声をしている。

カーテンコールの時、緞帳が下りてくるのに気づかず、舞台の前の方にいた小澤の腕を、キルヒシュラーガーが引っ張って、後ろに下がらせ、二人が顔を見合わせたところ、暖かいなー。



音楽監督・指揮:小澤征爾

グレーテル:カミラ・ティリング
ヘンゼル:アンゲリカ・キルヒシュラーガー
ゲルトルート(母親):ロザリンド・プロウライト
ペーター(父親):ウォルフガング・ホルツマイアー
魔女:★グラハム・クラーク
眠りの精/露の精:モーリーン・マッケイ

演出:デイヴィッド・ニース
装置:マイケル・イヤーガン
衣裳:ピーター・J・ホール
照明:高沢立生

管弦楽:小澤征爾音楽塾オーケストラ
児童合唱:東京少年少女合唱隊
児童合唱指揮:長谷川久恵

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[2009/07/20 23:10] | その他のオペラ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
後味の悪い、マクベス夫人
マクベス夫人




 この公演、芸術監督若杉弘が自ら指揮する予定だったのですが、交代したのは残念です。以前の「ダフネ」もよかったので、ぜひ若杉さんで聴きたかった。

 全編刺激的で、ダルいような所もなく、居眠りすることもなく、最後まで緊張感を持っていられました。その点、前回の『ワルキューレ』よりも面白かったと思います。4階席で聴いても、ありあまるほど歌手の声が届きます。オケの音は、ちょっと大きすぎるように思いますが、特に、不満はありません。

 チョン・ミュン・フンのCDで聴いていても、ストーリーとは裏腹に、聞き苦しいところはありませんし、実演でも、音楽は楽しめました。

 しかし、その後の後味の悪さはなんでしょう。この物語に共感できないからでしょうか?気分がよくないです。
来年の「ヴォツェック」はやめとこうかな。


【作 曲】ドミトリー・ショスタコーヴィチ
【台 本】アレクサンデル・プレイス

【指 揮】ミハイル・シンケヴィチ
【演 出】リチャード・ジョーンズ
【美 術】ジョン・マクファーレン
【衣 裳】ニッキー・ギリブランド
【照 明】ミミ・ジョーダン・シェリン

【芸術監督】若杉 弘

【ボリス・チモフェーヴィチ・イズマイロフ】ワレリー・アレクセイエフ
【ジノーヴィー・ボリゾヴィチ・イズマイロフ】内山 信吾
【カテリーナ・リヴォーヴナ・イズマイロヴァ】ステファニー・フリーデ
【セルゲイ】ヴィクトール・ルトシュク
【アクシーニャ】出来田 三智子
【ボロ服の男】高橋 淳
【イズマイロフ家の番頭】山下 浩司
【イズマイロフ家の屋敷番】今尾 滋
【イズマイロフ家の第1の使用人】児玉 和弘
【イズマイロフ家の第2の使用人】大槻 孝志
【イズマイロフ家の第3の使用人】青地 英幸
【水車屋の使用人】渥美 史生
【御者】大槻 孝志
【司祭】妻屋 秀和
【警察署長】初鹿野 剛
【警官】大久保 光哉
【教師】大野 光彦
【酔っ払った客】二階谷 洋介
【軍曹】小林 由樹
【哨兵】山下 浩司
【ソニェートカ】森山 京子
【年老いた囚人】ワレリー・アレクセイエフ
【女囚人】黒澤 明子
【ボリスの亡霊】ワレリー・アレクセイエフ

【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京交響楽団

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[2009/05/10 17:18] | その他のオペラ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
納得できない「ヘンゼルとグレーテル」の名盤
ヘンゼル


☆小澤征爾音楽塾のポスター


 クロアチアツアーと名古屋・奈良旅行の前後に展覧会という、珍しい忙しさが終わって1週間。ようやく落ち着いたと思ったら連休です。

 クロアチアツアーの初日にのチケット発売日が当たったので、買っていませんが、どうしようかだいぶ悩みました。昨年まで「東京オペラの森」でやっていたのがなくなった小澤さん、小澤征爾音楽塾で「ヘンゼルとグレーテル」をやるそうな。
 
 演目と指揮者はどうでもええ(わけないか?)のだが、歌手がゴックンもの。
グレーテル:バーバラ・ボニー
ヘンゼル:アンゲリカ・キルヒシュラーガー
ゲルトルート(母親):ロザリンド・プロウライト
ぜひとも見てみたいが、ちゃんとしたオペラなのだろうか?

 この「ヘンゼルとグレーテル」というオペラ、もちろんあまり有名ではない。が、しかし、図書館で検索をすると、少なくともシュトラウスやプッチーニの名作よりも、いろいろな種類が揃っている。

 カラヤンのレコーディング歴をみても、1950年に有名な『フィガロの結婚』『魔笛』を入れてから、次の正規録音はこの「ヘンゼルとグレーテル」1953年なのです。しかもグリュンマー、シュワルツコップが歌っています。西洋ではメインのレパートリーなのでしょうか。

 ともあれ聴いてみましょう。
CDとDVD、2つ借りてきました。どちらも素晴らしい配役です。いやいや、なんだか、小澤音楽塾とおなじで、もったいないような。

◎サー・コリン・デイヴィス指揮 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 CD
ヘンゼル:アン・マーレイ
グレーテル:エディタ・グルベローヴァ
父ペーター:フランツ・グルントハーパー  母ゲトルート:グィネス・ジョーンズ
魔女:クリスタ・ルートヴィヒ       眠りの精:バーバラ・ボニー

◎ヴェルザー=メスト指揮 チューリッヒ歌劇場 DVD
 こっちはライブですからそこそこですが、ムフ、レヒナー、ニキテアス、ハルテリウス、フォーゲルです。マリン・ハルテリウスはこういう役にうってつけで、とびきりかわいいです。後半の魔女の部分はけっこうな盛り上がりを見せます。

 しかし、これだけ揃えたら、なにか他のものを収録してもいいのでは。ヨーロッパでは売れるのでしょうか。納得できない。

 じつは、今『影のない女』のDVDを見て、感動のあまり、なにか書こうと思い、前置きとして「ヘンゼルとグレーテル」について書いたら、長くなりました。
『影のない女』は、またこんど。

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[2009/04/28 19:44] | その他のオペラ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
ツェムリンスキー作曲「こびと~王女様の誕生日~」を見た!
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 チケットを買ったときにお知らせしていたとおり、びわ湖ホールの「こびと」を見てきました。11月22日から29日にわたる関西ツアーのちょうど真ん中の日です。

ツェムリンスキー作曲「こびと~王女様の誕生日~」全1幕
日本初・舞台上演 ドイツ語上演・日本語字幕付き

原作: オスカー・ワイルド「王女様の誕生日」─童話集「ざくろの家」より
台本: ゲオルク・C・クラーレン
作曲: アレクサンダー・ツェムリンスキー

指揮 : 沼尻竜典
演出 : 加藤 直

こびと : 福井 敬
ドンナ・クラーラ(スペインの王女) : 吉原圭子
ギータ(王女の侍女) : 高橋薫子
ドン・エストバン(侍従長) : 大澤 建
侍女 : 黒澤明子、佐藤路子、渡辺玲美
王女の女友達 : 黒田恵美、栗原未和
合唱 : びわ湖ホール声楽アンサンブル
管弦楽 : 京都市交響楽団

2007年11月25日(日)14:00開演  びわ湖ホール【大ホール】

あらすじ
●王女ドンナ・クラーラの誕生日を迎えたスペインの宮廷では、侍従長ドン・エストバン、王女のお気に入りの侍女ギータ、それに3人の侍女たちが祝賀の準備をしている。王女への贈り物の中で一番素晴らしいものは、スルタンから贈られた「こびと」とのこと。このこびとは歌の名手だが。鏡を見たことがないため、自分の醜さを知らずに、自分のことを高貴な騎士だと思っているという。●祝賀の式典に現れたこびとをあざ笑う侍女や女友達をこらしめようとギータにけしかけられて、王女はこびとに、侍女や娘たちの間から結婚相手を選ぶように命じるが、こびとは王女に愛を告白し求婚する。●王女と踊り白いバラをもらって喜ぶこびとに、ギータは王女から命じられ、鏡を見せようとするが、こびとを憐れむギータにはそれができない。●王女の玉座のクッションにキスをしたこびとは、誤って後のカーテンを落としてしまい、大きな鏡を見てしまう。絶望するこびとの前に現れた王女に、こびとはなおも自分を愛していると言ってくれと懇願するが、王女は愛することができるのは人間だけ、あなたは動物みたいと言い放つ。●倒れているこびとを見つけたギータから王女の白いバラを受け取ったこびとは、それにキスをして息絶える。


第1部 14:03~14:26 「こびと」へのイントロダクション
休憩20分
第2部 14:50~16:10  歌劇「こびと」

第1部が始まると、オスカー・ワイルド役の内田紳一郎と指揮者の沼尻竜典がピアノでモチーフを弾きながらのトーク、というか寸劇が始まって、ちょっと拍子抜けがした。初めのうちは、この部分もオペラの一部なのかと思いつつ見ていたのだが、関係なかった。当時のウイーンの状況やツェムリンスキーが作曲するに至った経緯などを説明した。そんなに堅苦しくはなく、「ここは笑うところではありません」と笑いを取ったりもしていたが、それほど意味があるとも思えなかった。

 チケットの売れ行きから判断して、いや曲目からして、席が空いているとは思っていたが、本当に空いていた。半分ぐらいしか埋まっていないようだ。私は4千円のチケットで3階隅っこの席だったのだが、あまりにセンター中央部分の良いところが、お金持ちが100人分買い占めたみたいにゴッソリ空いていたので、そちらに席を移動した。このホールはとても素晴らしい。3階席なのに、普通の2階センター以上の近さだ。天井のシャンデリアも、バイエルン国立歌劇場のように開演に合わせて上に持ち上がる。非力な歌手(失礼!)の声もよく聴こえる。ロビーの外には琵琶湖が見える。こんなに良いホールだったら、来春の桜の季節にでもまた来たい!

 結局この曲のCDは買わず、全然予習をしないで公演に望みました。こんなことは初めてです。オスカー・ワイルドが原作というのとはまったく関係なく、初めて「サロメ」を見たとき(1度しか見ていない)の印象に近いものがあります。曲がわからないので、みんなでギャーギャーわめいているだけの歌声なのだけれど、字幕の効果もあって、だんだん引き込まれ、うっすらと感動に包まれていき、最後には衝撃を受けて終わる。えっ!こんなに良いオペラだったの?

 歌手の印象としてはみんな悪くなかったけれど、なんと言っても主役の福井 敬さんがおみごとでした。「ダフネ」の時より印象に残ります。こびとの扮装が、足を黒タイツで見えないようにし、お腹の当たりから短い足を出して、というか垂らして、まるでお笑いコントのようなものだったのです。上半身はそのままで、下半身だけ短足。しかしそれほど気にはなりませんでした。

 「あらすじ」だけを見ていると滑稽な作り話のようですが、真実の物語が含まれているように思えます。鏡を見てしまったこびとは、そこに剣とか池とかに出てくる悪魔がいることに驚きます。池に写る自分の姿を、自分だとは思っていなかったのです。醜い悪魔がときどき姿を見せていると思っていたのです。それが自分自身だったとは。

 私たちも、他人が自分を映した写真を見せられて、こんなの自分じゃない、ひどく写真写りが悪いと思ったり、録音された自分の声を聴いて、気分を悪くした経験がありますよね。自分が「裸の王様」ではないという保証があるでしょうか。あるとき「あなたの心はこんなに醜い!」と真実を突きつけられたら、生きていけるのでしょうか。

 この時、私は、この公演のチケットを2枚持っていました。

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[2007/12/01 18:51] | その他のオペラ | トラックバック(0) | コメント(2) | page top
ツェムリンスキー作曲「こびと~王女様の誕生日~」って何?
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 秋に奈良・京都ツアーをおこなう予定にしているので、かねてから行ってみたかった「びわ湖ホール」のチケットをとちゃいました。紅葉まっただ中の3連休の最終日のため、その前日までのホテルがほとんど満席または高価でとれません。日曜日からはなんとかなるけれど、その前がひどい状況なので、とりあえず大阪にホテルをとっておきました。そして、なんだかわからないツェムリンスキーのオペラです。

 先日、マーラー「復活」の時に、ついでに秋葉原の(旧)石丸電機レコード館に行って、オペラ売り場の店員に調べてもらったのだ。分厚い英語版カタログ2冊調べてくれたのだが、このオペラは発売されていないということだった。ただし、ここに全て載っているとは限らない、とも言っていたけれど、とにかく売っていなかった。

 主催者側に問い合わせてみたら、最初はわからないと言っていたが、わからないじゃあ買えないじゃないかと、しつこく頼む。向こうも誰かに問い合わせて、しばらくして又聞きの話を不安げに言っていたのだが、EMA(EMIの間違いだと思う)クラシックスからジェームズ・コンロンの指揮で出ている・・らしいと。つまり、どちらにしても、よくわからないオペラなのだ。

 知ってる人がいたら、教えてください。

 チケットは6月から発売しているのだが、売れているのはE席¥3000だけで、S席11000からD席¥4000まで残っている。時期をおいて問い合わせしているのだが、売れ行きが進んでいる様子はない。大津だから関東圏の人が、わざわざ見に行くわけもない。ツアーみたいに催行中止にならないのだろうか。



ツェムリンスキー作曲「こびと~王女様の誕生日~」全1幕
日本初・舞台上演 ドイツ語上演・日本語字幕付き

原作: オスカー・ワイルド「王女様の誕生日」─童話集「ざくろの家」より
台本: ゲオルク・C・クラーレン
作曲: アレクサンダー・ツェムリンスキー

2007年11月25日(日)14:00開演 【大ホール】

あらすじ
●王女ドンナ・クラーラの誕生日を迎えたスペインの宮廷では、侍従長ドン・エストバン、王女のお気に入りの侍女ギータ、それに3人の侍女たちが祝賀の準備をしている。王女への贈り物の中で一番素晴らしいものは、スルタンから贈られた「こびと」とのこと。このこびとは歌の名手だが。鏡を見たことがないため、自分の醜さを知らずに、自分のことを高貴な騎士だと思っているという。
●祝賀の式典に現れたこびとをあざ笑う侍女や女友達をこらしめようとギータにけしかけられて、王女はこびとに、侍女や娘たちの間から結婚相手を選ぶように命じるが、こびとは王女に愛を告白し求婚する。
●王女と踊り白いバラをもらって喜ぶこびとに、ギータは王女から命じられ、鏡を見せようとするが、こびとを憐れむギータにはそれができない。
●王女の玉座のクッションにキスをしたこびとは、誤って後のカーテンを落としてしまい、大きな鏡を見てしまう。絶望するこびとの前に現れた王女に、こびとはなおも自分を愛していると言ってくれと懇願するが、王女は愛することができるのは人間だけ、あなたは動物みたいと言い放つ。
●倒れているこびとを見つけたギータから王女の白いバラを受け取ったこびとは、それにキスをして息絶える。

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[2007/08/22 22:42] | その他のオペラ | トラックバック(0) | コメント(4) | page top
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