「草枕」変奏曲―夏目漱石とグレン・グールド
漱石グールド



 先日、「草枕」CD朗読をとりあげた。
その縁で、調べていたら、なんとあのピアニストのうちでももっともよく聴いているグレン・グールドが「草枕」を愛読していたということだった。

 それで『横田 庄一郎 (著)「草枕」変奏曲―夏目漱石とグレン・グールド』
を借りてきて早速読んでみたら、愛読どころではなかった。

 グールドが死んだときに、枕元に置いてあった本は、聖書と草枕だけだったそうだ。聖書は、彼の死後、父親が枕元においたもので、実のところ「草枕」だけだったらしい。
「草枕」の本は、英訳本、日本語本合わせて4冊も所有しており、知人に電話で全文を朗読して聞かせたり、自らのラジオ番組で、自ら短縮した文章を朗読したりもするという、とんでもない偏愛ぶりを示している。

 私は、とても本で読む気はなくて、朗読を聴くだけで、それもバラバラに聴くだけで満足している。今回、気をつけて聴いてみたら、那美さんに画工が小説の読み方を語っている部分がある。これがこの本の読み方を示したものといえる。

以下、二人の会話。
「じゃあ何が書いてあるんです」
「そうですね。実はわたしにも、よくわからないんです」。
「それでお勉強なの」
「勉強じゃありません。ただ机の上へ、こう開けて、開いたところをいい加減に読んでいるんです。小説なんかそうして読む方が面白いです」
「はじめから読んじゃ、どうして悪いでしょう」
「はじめから読まなけりゃならないとすると、しまいまで読まなけりゃならないわけになりましょう」
「妙な理屈だこと。しまいまで読んだっていいじゃありませんか」
「むろんわるくは、ありませんよ。筋を読む気なら、わたしだってそうします」
「筋を読まなけりゃ何を読むんです。筋の他に何か読むものがありますか」


「草枕」変奏曲―夏目漱石とグレン・グールド


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[2012/12/09 21:06] | 音楽の本 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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