『アイーダ』 レヴァイン メトロポリタン1988
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 先日、ヴェローナの新『アイーダ』を取り上げたばかりだが、偶然ブックオフでレヴァイン・メト1988盤DVDが安価に売っていた。しょうがない、買うか。

 それで、ヴェローナもミラノもメトも古い方が良かったと、毎度言っているようなのだが、まさしくそうなのである。ビデオでこんなにまとまったキャストは他にないだろう。


ジェイムズ・レヴァイン指揮 メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団
ソーニャ・フリーゼル演出 1989年10月、メトロポリタン歌劇場

アイーダ:アプリーレ・ミッロ
ラダメス:プラシド・ドミンゴ
エジプト王:ディミトリ・カヴラコス
アムネリス:ドローラ・ザージック
ランフィス:パータ・プルチェラーゼ
アモナズロ:シェリル・ミルンズ
伝令:マーク・ベイカー
巫女:マーガレット・ジェーン・レイ

第1幕 第1場28m28s、第2場10m06s。
第2幕 第1場15m56s、第2場24m50s。
第3幕 32m42s
第4幕 第1場20m30s、第2場11m42s

 ドミンゴとレヴァインは、普段好んで聴くことはないのだが、こういう場合は安定感抜群である。かつてのプロスト、今のアロンソのような信頼感。意外なことはしない。

 メトロポリタン歌劇場の舞台装置は大胆である。第1幕、第2幕ともに、第1場は舞台前方のみを使い、第2場に変換するときには、前の方の幕や書き割りのセットなどを引っ込めると、裏に第2場の巨大な舞台が出てくる。

 という、当たり前のことであるが、第1幕ではセットが上に上がった。(これ普通)。第2幕では、なんとセットが下がっていき、後に神殿が見えてきて、第1場は床になってしまうという、ちょっと驚きの展開だ。

 そして現れた宮殿は、正面向きではなく、左を向いて斜めになっている。それで左奥に通路があるので、軍隊の行進などは左奥から右手前にぞろぞろ出てくる。メトもミラノも、ヴェローナに比べてしまうと、平土間が少なくて狭い感じはいなめない。

 第4幕では、舞台床が途中まであがって、下に穴があり、ラダメスがいるという展開になる。なかなかの工夫だ。新国立劇場も、リングのときのように、舞台装置を上下に動かしてほしいものだ。


 アイーダは実演で3回聴いたが、歌手はミッロ、グライダー、グレギーナであった。まず、ミッロでそうとういい線だろう。この頃、他の歌手というと、スチューダーしか思いつかない。スチューダーの歌っているビデオは消してしまったので、確かめられないが、きっと素晴らしいアイーダだろう。

 アムネリスのドローラ・ザージックも、フィオレンツァ・コッソット以降では、もっともましなアムネリスだろう。ただ映像的には、ミラノ旧盤のゲーナ・ディミトローヴァの方が断然威厳と美しさがあった。

 ランフィスのパータ・プルチェラーゼ。強面で、これ以上の適役は知らない。みんな恐いけど、特にこの人は強情そうだ。ランフィスが死刑と言ったら死刑なのだ。王様も逆らえない。

 ところがなんと、エジプト王とアムネリスの容姿が、王家の威厳など無く、庶民的でかわいい。普通のおじさんとおばさんだ。他の4人は、ぱっと見こそ太っちょだが、プロレスラーのような筋肉質の体格だ。特にアプリーレ・ミッロが、二の腕といい、胸板といい(ただの巨乳か?)たくましい。

 そして、ヴェローナ新盤と同じく、アモナズロのシェリル・ミルンズがひときわ立派なので、アイーダとの親子関係が納得できる。何となく似ている。エジプト王のように、戦争はラダメスに任せているのとは違い、自ら武闘派のエチオピア王家である。

 今回もまたまた、エジプトの負けであった。

ヴェルディ:歌劇《アイーダ》 [DVD]



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[2013/03/09 20:01] | アイーダ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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