愛の作法  姜 尚中
愛の作法カン


 本屋さんでは、数年前から見かけて、変わった名前なので気になっていたのですが、テレビではほんとにたまにしか見かけないカンさんです。それが昨年の3月まで、2年間もNHK日曜美術館に出ていました。どうみても、冗談を言ったら怒られそうな、真面目一徹そうな人ですね。そんな人に「愛の作法」などという、杉本彩が書きそうな、タイトルの本があったので読んでみました。



『愛の作法 姜 尚中(カン サンジュン)』より

 わたしたちは「3・11」を境に、これまでとは違った時間を生きているのではないでしょうか。昨日までのいいようのない閉塞感は吹き飛び、はっきりと「戦時を生きている」といってさしつかえないと思うのです。

 希望がなくても愛はありえますが、愛のないところに希望はありません。


 結婚して35年ぐらいになるでしょうか。妻とは結婚式も挙げていないし、そもそもプロポーズしたかどうかもはっきり覚えていません。なんとなく一緒にいなくてはいけないものだと思うようになって、そのうち子どもができて、気づいたら家族になっていました。
 
 仕事も似たようなもので、若い頃から特にビジョンを持っていたわけではありません。結局就職できないので、仕方なく大学院に残った。計画性は何一つありませんでした。だから、いま就活とか婚活という呼び方をして、結婚も仕事も設計しようとする流れにはちょっと理解ができません。

 あるがままではいい人は見つからない。自分が努力しなければいい結婚生活はできない。情報を集め、傾向と対策を分析し、選ぶ側に自分の持っているものをよく見せる。これはどこか投機と似ていませんか。計画通りにいかないと、すぐに手放してしまう。

 しかし、あらゆる営みの中で結婚ほどやってみなければわからないものはないのです。相手を熟知しているつもりでも、常に未知の領域があるのが結婚生活。知らない部分を知らなかったと互いに自覚するまでに、最低10年はかかります。子どもができれば夫婦関係も一変して、波乱要因も不確実性も増していきます。

 これほどまでに不確実な世の中にあって、万人に共通した理想や幸せは成り立ちません。だったら、結婚こそ場当たり的でいいと思います。妻と知り合って以来、我が家にもいろんなことがあったけど、そばにいてくれてよかった、と年を取れば取るほど思えてきます。



愛の作法 (朝日文庫)

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[2013/05/27 19:36] | おすすめの本 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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