「タンホイザー」 準推薦盤の逆襲
2012バイロ1s



 そういうわけで、久しぶりに「タンホイザー」を聴いてみた。
 いちばん最初に取り上げたカラヤン盤、音が悪いので2回ぐらいしか聴いていないボダンツキー盤、そして、最近とんと新録音がないのでバレンボイム盤だ。しかし、しばらく聴いていなかったので、どれも感動的で存在意義がある(に違いない)。しばらく聴かないでおくのもいいものだ。(なぜ2回言う)

 今回、本当にいいと思う3組は棚上げにした。以下そのキャスト。
タンホイザー、エリーザベト、ヴォルフラム、ヘルマンの4人に絞る。

ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮 バイロイト祝祭管弦楽団・合唱団★★★ 
1962年 バイロイト祝祭劇場ライブ 「ドレスデン版」 フィリップス
ヘルマン:::::ヨーゼフ・グラインドル
タンホイザー:::ヴォルフガング・ヴィントガッセン★★
ヴォルフラム:::エーベルハルト・ヴェヒター★
エリーザベト:::アニア・シリア★★

オットー・ゲルデス指揮 ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団・合唱団 
1968年12月、1969年2月、5月 「ドレスデン版」 ドイツグラモフォン
ヘルマン:::::テオ・アダム★
タンホイザー:::ヴォルフガング・ヴィントガッセン★
ヴォルフラム:::フィッシャー=ディースカウ★
エリーザベト:::ビルギット・ニルソン★

ジュゼッペ・シノーポリ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 ★★
 1988年4月から8月録音 「パリ版」 ドイツグラモフォン
ヘルマン:::::マッティ・サルミネン
タンホイザー:::プラシド・ドミンゴ ▽?
ヴォルフラム:::アンドレアス・シュミット
エリーザベト:::シェリル・スチューダー★★

 高名なコンヴィチュニー盤と、そのようでもないハイティンク盤(ポップが聴きたいからね)、ラモン・ヴィナイの歌うカイルベルト盤などはまだ聴いていない。それで以下に挙げる3組の何が悪いのかというと、ようするに、主役がいまいちなのだ。上のなかでも、ドミンゴとニルソンはちょっと黄旗、審議中であるが、ほぼ万全の体制。サヴァリッシュ鬼神の指揮以外の演奏も、指揮は立派である。

 それで久しぶりに聴いて、新たに感じた部分について何か書こうかと思っていたのだが、以前の記事を読み直してみると、ほぼ、いや思った以上に書いてあったので、いまさら書き加えることはないような気がしている。

 こちらも、あらためて指揮は特上だし、合唱までも楽器のひとつのように、完全にコントロールして、溶けあっている。特にバレンボイム盤は、珍しく序曲を完奏しているのだが、最後の、パリ版ではバッカナールに移行するときにカットされるところが本当に素晴らしい。トロンボーンが主題を歌うなか、弦楽器が波のように押し寄せる。クナッパーツブッシュみたいだ。

 このバレンボイム盤ではドレスデン版であるが第1幕第2場のみパリ版、カラヤン盤はパリ版であるがヴァルターの歌が入っている。(いいことだ)サヴァリッシュやシノーポリも序曲のつなぎの部分が違う。もうほとんど全盤違う(ような気がする)。基本ドレスデンで、もうちょっとどうにか良い版ができないものか。


ダニエル・バレンボイム指揮 ベルリン国立歌劇場 2001年5月6月★
「ドレスデン版」(第1幕第2場のみ「パリ版」)テルデック
ヘルマン:::::ルネ・パーペ
タンホイザー:::ペーター・ザイフェルト
ヴォルフラム:::トーマス・ハンプソン
エリーザベト:::ジェーン・イーグレン

カラヤン指揮 ウイーン国立歌劇場 1963年 ★
1963年1月8日 ライブ録音 「パリ版」モノラル ドイツグラモフォン
ヘルマン:::::ゴットロープ・フリック
タンホイザー:::ハンス・バイラー
ヴォルフラム:::エーベルハルト・ヴェヒター
エリーザベト:::グレ・ブラウエンステイン

ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団 録音:1936年1月18日
指揮:アルトゥール・ボダンツキー 「パリ版」
タンホイザー ラウリッツ・メルヒオール
領主ヘルマン エマニュエル・リスト
エリーザベト キルステン・フラグスタート
ヴォルフラム ローレンス・ティベット

 この準推薦3盤は、主役が弱いのであるが、どういうわけかヴォルフラムとヘルマンは、他の盤に比べても十分すぎるくらい立派だ。ルネ・パーペとトーマス・ハンプソンも良い。ローレンス・ティベットとエマニュエル・リスト。なんでこんなすごい声量で歌うのだ。メルヒオールとフラグスタートがかすむじゃないか。

 カラヤン盤は、古いモノ録音なのに弦が美しい。ウィーン国立歌劇場の威力か。それぞれのパートが少しずつズレていったり、揺れていたのがちゃんと合わせて重なったりの繊細な響きに魅了される。これトリスタンじゃないよね。ウィーンってベームのライブでもときたま何とも言えない美しい瞬間がある。

 タンホイザーは、メルヒオールいちばん、ヴィントガッセン2番、だと決めつけている。むりして5番は、スパス・ヴェンコフとライナー・ゴールドベルク。リッチャレッリがどっかで言っていたが、歌手は1に声量、2に声量、3、4がなくて、5に声量だそうな。だから7番以降はもはやだれでもいい。。それにしてもニルソンとフラグスタートがひかえめなのに驚く。彼女らはブリュンヒルデかイゾルデでないと力を出さないのか。
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テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

[2013/06/16 17:53] | タンホイザー | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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