『ドン・ジョヴァンニ』 ムーティ指揮 ウィーン1999 第二幕
ムーティ1999


 見た目が良いのはダルカンジェロのレポレロ。衣装は替わるのに、なぜか道化のように白塗りした顔はずっと変わらなかった。ドン・ジョヴァンニの髪型だって変わるのに。ダルカンジェロは声も立派だし、彼が映っているとつい、こっちがドン・ジョヴァンニだと勘違いしてしまうくらいだ。他の男声3人も悪くない。ドン・ジョヴァンニとレポレロは、めずらしく汗がしたたり落ちるのがみえるぐらいの熱演だ。衣装替えが厳しいのかもしれない。

 騎士長像が歌う部分で、全身と顔の上部分がブロンズ風に固まって、口が動くようにアゴの部分だけブロンズヒゲが付いていて、それがパクパク動くので、コメディアンの着ぐるみみたいで、妙におかしかった。
 
 オッターヴィオのミヒャエル・シャーデも悪くない。あまり目立たない二つのアリアでは、なかなか聴かせる。キルヒシュラーガーはツェルリーナにしては中低音が強い。どうしてもグリストとかバトルのようなものだと思っている。

 これを見たついでに、カラヤン87ザルツブルグ公演、スカラ座の二つ、ムーティ87とバレンボイム2010のビデオを見た。やっぱりあまりにも舞台の規模が違う。贅を尽くしたスカラ座のプレミエ公演なんかと比べてはいけないのだ。ウィーンの小劇場の通常の公演はこういうものだ、ということなのかもしれない。

 歌手でもっとも聴き応えがあるのが、アンナを歌うアドリアーネ・ピエチョンカである。ヤノヴィッツ、トモワ=シントウ、グルベローヴァ、スチューダー、ネトレプコらに勝るわけではないが、立派なドンナ・アンナだ。実演で聴いてみたい。

 ムーティ・ウィーン国立歌劇場の演奏は、特にフィナーレはすばらしい。ブッセートにあるヴェルディ劇場でのファルスタッフ公演でも、狭い簡素な舞台にそこそこ有名な歌手でエレガントな演奏をしていた。大舞台では力ずくで押していくような演奏だったが、今回は洒落て余裕のあるといったフィナーレでとても良かった。二つの旋律が交錯するコーダが見事。かつてベーム・ウィーンPOでしか聴いたことがないような美しさだ。


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テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

[2013/08/19 18:55] | ドン・ジョヴァンニ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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