ここでは『ドン・キホーテ』全六冊を読んだことが語られる。
ドンキホーテ


 ここでは『機知に富んだ騎士ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』全六冊を読だことが語られる。および、まことにもって楽しき猛暑と爆撃雷と竜巻について。。

 昨年末、『1Q84』を読んでから、なんとなく心を入れ替えて、小説を読んでみようかという気になって、月に一冊ぐらいは読もうと努力しています。今年になって『羊をめぐる冒険』『ねじまき鳥クロニクル』『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』『カラマーゾフの兄弟』『悪霊』『わたしを離さないで』などを読んできました。歯ごたえのありすぎる小説です。かといって『ユリシーズ』とか『失われた時を求めて』なんていうのに挑戦するほど無鉄砲ではありません。

 そこで小説と言わず、余にもこの世界にも『物語』が必要とされていることに思い至ったのであります。「トリスタンとイゾルデ」「ニーベルングの指輪」であろうと「スター・ウォーズ」、「ロード・オブ・ザ・リング」であろうと、物語というものは、同じ形式を持っており、その元祖は『ドン・キホーテ』にあることは歴戦の騎士であればご存じのことと思われる。この文庫で400項を越える書をほぼ毎日一冊ずつ読んで、いよいよ最後の一冊となりもうした。(もっと古いな、きっと)(それでここのところ静かにしていたのか!)

ドン・キホーテ 前編1・2・3 セルバンテス 牛島信明訳
ドン・キホーテ 後編1・2・3 セルバンテス 牛島信明訳の6冊。

 正式名称、ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャの、ラ・マンチャというのはスペインの地名です。ビンチ村のレオナルドといっしょです。騎士道物語にのめり込み、自分を騎士だと思いこんで愛と勇気と冒険の旅に出るお話ですな。

 作者のセルバンテスはどんな人かと思っていたら、なんとベネチアとヨーロッパ連合軍が、コンスタンチノープル、ロードス島と侵攻してきたオスマントルコと戦ったあの「レパントの海戦」に参加して、銃弾を受け左腕不随になったという。ちょっとだけ身近に感じた。1605年に前編が出版され、それから10年の間を置いて後編が書かれた。後編では、前編の出版によってドン・キホーテが周知の有名人になっているという設定だ。

 シデ・ハメーテという、なんだかふざけた名前のアラビア語の原作者が書き残したものを元にセルバンテスが訳出しているという設定。原文がないという理由で、話の途中で終わったり、話の順番が交互に出てきたり、ストーリー展開上必要そうでもない人の、長い身の上話が始まったりと、自由な展開をするのには驚かされる。作者自身もその点にツッコミを入れている。あの話は場違いなんじゃないのと。

 それで、『ねじまき鳥クロニクル』を思い出した。ついでに、章ごとにタイトルみたいなのが付いている。(もちろん『1Q84』にも付いている)たとえば「この章ではよいニュースはなにひとつない」「笠原メイの家に起こった唯一のこと、笠原メイのぐしゃぐしゃとした熱源についての考察」なんてのがついているが、ドン・キホーテにもある。

 「ガレー船の見物に際してサンチョ・パンサにふりかかった災難、および美しいモーロ姫の数奇な冒険について」というようなのがそれぞれについている。中には変なのがある。「この物語に関わりがあって、他の物語には関係のない事項を扱う章」とか、「ここでは、この章で起こることが語られる」あたりまえだろ!と言いたくなるような、意味不明なタイトルもある。「これを読むものには目に見え、これを読むのを聞くものにはその耳に入るであろう事どもを扱う章」ふー、どれだけ自由なんだ。

 なにしろ、大文学者シデ・ハメーテが書いたんだからしょうがない。
やれやれ。まいったまいった。


ドン・キホーテ〈前篇1〉 (岩波文庫)
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[2013/08/29 18:15] | おすすめの本 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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