『タンホイザー』 レヴァイン指揮メト1982 第1幕
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 最初に「タンホイザー」を見たのは、NHK放映されたベルリン国立歌劇場来日公演である。それから向かう、図書館にはLPとVHSでフィリップスのワーグナー全集が揃っている。全部バイロイト収録のものだ。LPはサヴァリッシュの名盤、VHSはコリン・デイヴィス1978年の、これまた有名な映像。ところが、今はもうどこにもないであろうパイオニア・レーザーディスクのコーナーに、クラシックではただ一組「タンホイザー」があった。(他は、チャイコフスキーのくるみ割り人形とアニメ映画)

 そのディスクは館内利用のみの貸し出し禁止である。貸してもらっても再生装置なんて誰も持っていないからいいのだけれど。映画のVHSなどもたくさん置いてあって、いやそっちが主流か、ヘッドホンをつけ図書館内で見ている人もたくさんいた。私が図書館でじっくり3時間も見通したのは、この時だけである。


ジェイムズ・レヴァイン指揮 メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団 ビデオ ★
オットー・シェンク演出 1982年11月22日・12月20日(2時間56分)
Ⅰ.65m16s Ⅱ.61m04s Ⅲ.50m38s

ヘルマン:::::ジョン・マカーディ★
タンホイザー:::リチャード・キャシリー
ヴォルフラム:::ベルント・ヴァイクル★
ヴァルター::::ロバート・ナジ
ビテロルフ::::リチャード・J・クラーク
エリーザベト:::エヴァ・マルトン★★
ヴェーヌス::::タチアナ・トロヤノス★
牧童:::::::?


第1幕
 幕が開くと、鍾乳洞か洞窟の穴の中。手前の広場から、やや右奥のトンネル穴に向かって上り道がある。序曲~バッカナールでは、やはり裸に近いダンサーが組んず解れつ踊っている。しかし穏健派なメトである。ベルリンやバイロイトの「こんなのテレビで映していいのー」と叫ぶほどのものではない。裸に近く見えるタイツの上に、スケスケな薄いドレスをはおっている。演奏も穏健なせいか、いつもより長く感じる。

 ダンサーが徐々に立ち去ると、いつのまにか中央の床に二人が倒れている。(いや、寝ている)タンホイザーのリチャード・キャシリーは、リチャード・ヴァーサルみたいに高くて細い声。歌い出しでプロンプターの声がする。非常に安定しない歌唱だ。しかもいきなり大汗をかいている。これを見る直前にヴェンコフとジョーンズの映像をちょっと見たので、それに比べると雲泥の差だ。後半はヴェーヌスのタチアナ・トロヤノスもプロンプターの声がかぶる。ただトロヤノスの声は立派だし容姿もふさわしい。タンホイザーは騎士らしいガウンを羽織っている。ヴェーヌスは普通のドレスで、決して乳房など出していない。(と、当然だ)遠方、後の方で数人のダンサーがダンスを続けている。やっぱりパリ版だろうから第2場が長い。

 床面と穴に向かっていた坂道だけ残して、後は空と山の書き割りに変わる。牧童の歌は、ライブだと素朴で美しく感じる。草笛も妙にへたっぴーで味がある。その右に向かっている坂道から巡礼団が出てきて、牧童がビックリ。巡礼団が左側に歩いていくと、いつのまにかその先にタンホイザーが倒れている。(これは寝ているのではなくて、倒れているのだろう)先ほどまで汗びっしょりの顔だったのに、拭いてきたのだろう、スッキリしている。

 騎士団も、巡礼団と同じように登場するかと思っていたら、左奥下、右、右上と三方向から一気に出てきた。ヴォルフラムとヴァルターの声が、しっかり聞こえる。歌の合いの手のように入る繊細なヴァイオリンがいい。タンホイザーもバリトン風の低音が出て、調子を上げてきたようだ。パリ版追加の管弦楽部分はぎこちない演奏だ。こういうところは小澤がうまかった。レヴァインは全体的に、ややゆっくりした演奏。





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[2013/09/22 19:44] | タンホイザー | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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