ジャンニ・スキッキ ミラノ・スカラ座2008
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 プッチーニの曲というと「トゥーランドット」しか愛好していない。したがって有名な「トスカ」「バタフライ」「ボエーム」なんかは、一応100回くらいは聴いているが、他の演目にはとんと手を出す気にならない。

 「トゥーランドット」は未完であるから、プッチーニが最後に完成したオペラはこれのようである。言うまでもなく作曲時期が「トゥーランドット」に一番近いわけだから、もしかしたら「ボエーム」なんかよりも気に入るかもしれない。可能性はある。

 そう思って前日NHK・BS放映された3部作を見る。2008年3月13日に、一度に上演されたものらしいが、「外套」「修道女アンジェリカ」「ジャンニ・スキッキ」配役はそれぞれ違っている。放映された源語のタイトル、個別にではなくて、「3部作」みたいな単語になっていた。そんな言い方でいいのだろうか。

 なんでも原作はダンテの「神曲」のお話みたいだ。12世紀くらいのフィレンツェ。それにしては背景に現代のフィレンツェのシルエットが映っている。舞台は全面真っ赤なところに、死者の眠ったベッドが客席から見やすいように斜めに置いてある。シーツも枕も背景も赤だ。死者に掛けてある毛布みたいなのだけ金色をしている。周りの人たちは真っ黒の現代的喪服。なんとなく全盛期のヴェネチア風である。


プッチーニ「ジャンニ・スキッキ」53m。
リッカルド・シャイー指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団 2008.3.13
ジャンニ・スキッキ:レオ・ヌッチ
ラウレッタ(ジャンニの娘):ニーノ・マチャイッゼ
(どうせ知らない配役と歌手なので以降は省略、ヌッチはとてもいい)


 若い頃から、自分の娘が結婚する時のお父さんぐらい悲しい者はない。そんな悲しい思いをするぐらいなら娘なんかいない方がいい。と思っていたのだが、本当に今まで娘がいないとは想像していなかった。残念な気がする。

 娘に「おねがい!おとうさん」と哀願されて、拒否できるお父さんがいるものだろうか。

 3部作も、もちろんオペラ聴き始めの頃に、2~3回聴いてみていたが、わからずそのままになっていた。ただ「ジャンニ・スキッキ」のラウレッタのアリア「私のお父さま」だけは、いろいろなアリア集などに入っているし、美術番組「美の巨人たち」のエンディングテーマにも使われており、それこそ耳にたこができるくらい馴染んでいる。

 プッチーニのメロディーの枯渇ぶりは後期になるほどひどくなる。なにもモーツァルトやヴェルディのようなふんだんに美しいメロディが出てくることを期待するわけではないが、若い頃たくさんあったものの数が、すごく少なくなった。逆にそのせいか「トゥーランドット」のリューみたいに、ごくまれに出てくる歌に感動させられる。

 それで、この慣れすぎているラウレッタのアリアが始まったら、涙がこぼれてきた。

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[2014/03/14 18:35] | その他のオペラ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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