「源氏物語」 The Tale of Genji
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 「失われた時を求めて」を読み終えた後、これに匹敵するような読み応えのある日本の小説というと『源氏物語』しか思いつかない。

 「本居宣長」を書いた頃の小林秀雄の話では、正宗白鳥さんは源氏をアーサー・ウェーレー(Arthur Waley,1889-1966)訳の英語で読んで、はじめて源氏の良さがわかったと言っている。英語で読んだって良いんですよ。

 ドナルド・キーンさんも、第二次世界大戦中、敵国であった日本文学の源氏物語、同じくアーサー・ウェーレー訳のものを本屋で見つけて読んだそうです。(今は売っていない「私と源氏物語」というカセットテープで語っている。)ウェーレー先生は天才でした。日本語は1ヶ月も勉強すれば読めるようになると言っていたそうです。


 源氏物語の本というと、ずーーと前から3種類持っている。与謝野晶子、田辺聖子、円地文子のダイジェスト版だ。ところがこの持っている本は、ほとんど読んでいない。20年ぐらい前に田辺聖子の「新・源氏物語」を知り合いに借りて読んで、大変感動したので、それから「新・源氏物語」5冊は買ったのだ。

 谷崎源氏は、図書館にカセットテープの全集があったので借りてみたが、何を言っているのかさっぱり分からない。瀬戸内寂聴と田辺聖子の対談によると、谷崎源氏は、源氏そのもので、訳になっていないそうだ。小林秀雄お勧めの円地文子のは、円地さんの小説になっていると言っている。その他、橋本治『窯変源氏物語』も古本屋でよく見かけるが、訳が自由すぎるような気がする。

 円地文子さんが訳を始めた頃に、瀬戸内寂聴が同じマンションに住んでいてお世話したそうで、いろいろなところで話している。田辺聖子の「新・源氏物語」が先に出て評判も良かったために嫉妬したとか、川端康成が訳し始めたという話を聞いて「あんな甘やかされた人に源氏の訳なんか出来るわけがない」と怒ったりしたそうだ。

 その怒れる円地さんが亡くなったあとに、ようやっと瀬戸内寂聴が訳します。今回読んでいるのはこの瀬戸内寂聴訳全10巻です。これも何十枚かの朗読CDが出ています。しかしCDで聴くんだったら、田辺聖子の「源氏物語」解説CD、全36枚の方が楽しめますよ。


源氏物語 巻一 瀬戸内 寂聴 (講談社文庫)

新源氏物語 (上) 田辺 聖子 (新潮文庫)


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[2014/05/19 17:20] | おすすめの本 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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