ユーラシアの双子
futago 1


 吉川一義訳岩波文庫の「失われた時を求めて ゲルマントのほう」を5、7、6という順で読んだ。6がどういうわけか図書館のリストに載っていなくて、7を読んだあとに、やっと手に入ったからなのだ。困ったことに、ここまでしか出版されていない。あとの文は、半年ごとに1冊のペースででてくる予定みたいだ。

 そのあと、村上春樹「色彩を持たない多崎つくる」。
もう一つ別にプロジェクトが進んでいる「失われた時を求めて」高遠弘美訳 光文社古典新訳文庫の中から(といっても1~4巻と12巻しか出ていない)、上記の文庫版から想像するに、恐らく12巻目に当たる「消え去ったアルベルチーヌ」のだけを読む。これは誰も訳していない、最終的な版を使っていて、ひどく短い。ブルックナーのように、いろいろな段階の版があるのだ。

 いままで、比較的有名な作品だけを読んできたつもりであったが、ここいらで気分転換と、棚にあった聞いたこともない小説を借りてきた。
ユーラシアの双子 上 大崎 善生
ユーラシアの双子 下 大崎 善生

 大崎善生という人の本は、以前ここで『傘の自由化は可能か』というエッセイ集を取り上げたことがある。「転機にならないから結婚する」という内容の文章だった。相手と相談した結果、結婚しても独身の時とほぼ変わらない生活が持続できそうだったので、結婚に踏み切ったという内容だ。おもしろい人だ。

 だけどこんな知らない人の、有名でも何でもない小説を読む気なんてなかったのだが、2冊組で表紙がキレイだったので、なんとなく借りてしまった。かわいい女の子みたいだし。それですぐに3日で読めた。読ませるだけすごい。

 シベリア鉄道を使って、鉄道のみでリスボンまで行くという、苦しい旅行記である。途中で、自殺した自分の娘と同じような境遇の少女の足跡を追ってリスボンまで行くのである。作者は実際に旅をしてみたようで、それは別の本として出ている。ロシアなんて、絶対に行きたくないと思わせるぐらい、まずい料理の描写が多い。鉄道のコンパートメントも牢獄のようだ。

 イシグロや春樹でなくても、こんなに引っ張ってくれるんだと、驚いた。2冊もハリキって読んだ割には、最後に盛り上がりがなくて、いまいち納得できない。やたらと朝からビールなどを飲んでいるのと、必要とも思えない濃厚な性描写と、結局後味がスッキリしないのは、村上さんと同じか。


ユーラシアの双子 上


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[2014/09/26 18:08] | おすすめの本 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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