V.  Thomas Pynchon Complete Collection
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「存在の耐えられない軽さ」 ミラン・クンデラ、
「巨匠とマルガリータ」ミハイル・ブルガーコフ、という海外の、そんなに有名でもないと思う長編を読んでみた。池澤夏樹個人選の世界文学全集に入っていたので、タイトルで選んだ。主題というか、結局何が言いたいのかというようなことは理解できていないように思うが、最後まで読ませるおもしろさがあった。

そのあと、「プラナリア」 山本 文緒、「乳と卵」 川上 未映子、
という直木賞と芥川賞をとったらしい比較的最近の小説も読んでみた。端境期だ。

 登場人物の紹介みたいな、川端康成小説の導入部みたいなゆるーい情景で始まって、さてこれから物語が動き出すのかなと、思うまもなく話が終わった。すっごく短い。「プラナリア」の方は直木賞なのにもっと短い。歪な性格の女性が出てきただけ(という印象が残っただけ)。

 イアン・マキューアンのように、そういえばこの人のは4冊読んだ、異例な、嫌なことばかり起こるのもしんどい。しかし何も起こらないのも困る。気持ちよく何も起こらないのならばいいのかもしれないが、嫌な人を目の前にした状態のまま何も起こらないのだ。
日本女性の小説ってこういうのが多いのだろうか。

 昨年読んだ「センセイの鞄」 川上 弘美も、特に印象的なことは起こらなかった。でもこれぐらい長ければ、川端康成同様?、悪くないような気もした。

 それなら外国の小説は違うのか。半世紀前だけど。
「悲しみよこんにちは」 サガン を読んだ。
楽しんで読めたが、こっちは明快で、わかりやすすぎるくらいだ。

 以前、「競売ナンバー49の叫び」を読んで、さっぱりわからなかったピンチョン再び。デビュー作の「V.」。3作目の「重力の虹」が有名みたいだが。
V. 上 Thomas Pynchon Complete Collection トマス・ピンチョン
V. 下 Thomas Pynchon Complete Collection トマス・ピンチョン

【ピンチョン,トマス
現代世界文学の最高峰に君臨し続ける謎の天才作家。1937年5月8日、ニューヨーク州ロングアイランド生まれ。16歳で名門コーネル大学に入学、応用物理学を専攻するも英文科に転じ、2年間の海軍生活ののち最優等で卒業。2年ほどのボーイング社勤務後は作品以外の消息を完全に絶つ。1963年、『V.』でデビュー、フォークナー賞を受賞する。第2作『競売ナンバー49の叫び』(1966)でローゼンタール基金賞受賞。第3作『重力の虹』(1973)でアメリカ最大の文学賞である全米図書賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 】

 やっぱりこれぐらい長い方が、落ち着いて読める。(どういう性格だ?)話の内容は、回想と、ニューヨークとヴァレッタ(マルタ)で起こることだが、魅力的な人物は出てこない。個々のエピソードはおもしろい。しかし登場人物と場面転換が多すぎて、あいかわらず内容がわからない。それでも途中で止める気にならない。

 先月の「ユーラシアの双子」大崎 善生とか、村上春樹って、すっごくわかりやすかったんだなーと思う。
この世には何も起こっていない。私たちが感じているものは「空」だ。
人生も小説も、ただの粒子の振動だっ。ついてこいっ。


V.〈上〉 (Thomas Pynchon Complete Collection)
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[2014/10/14 18:18] | おすすめの本 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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