宇津保物語 うつほ物語
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 読み通してみて、なんとなく源氏物語に近いと思うのは、最初の頃はきちんとした連続性はなく、短編の積み重ねみたいなところだ。バルザックの人間喜劇シリーズのように、同じ時代に起こった、同じような人々が登場する。時間が前後したり、同じ話題が上ったりする。その中で起こった事件をとりあげている。ところが全体の半分ぐらいまですすむと、完全に大長編小説といった連続した流れになる。

 『うつほ物語』の『うつほ』って何だ!としばらく思っていたが、光源氏みたいな主人公である「仲忠」が幼少の頃住んでいた、木のあなぐらのことのようだ。何もタイトルにしなくてもいいと思うような部分なのに。女主人公は「あて宮」、あてみやと読む。二人とも、特に習ってもいないのに、琴の演奏が神のようにうまい。「仲忠」の娘で、秘琴を伝えられるのが「いぬ宮」だ。信じられない名前だ。

 その他、出世するたびに変わる肩書きである、右大将、左大臣、籐中将、大納言や、天皇ごとに一ノ宮、女三ノ宮、などがおり、住居も一条、三条から、ようするに言葉に馴染んでピンと来るまで、相当時間がかかる。でも、かなり、おもしろい。



うつほ物語 (以下ウィキペディアによる)

 『うつほ物語』(『宇津保物語』と表記されることもある)は、日本の平安時代中期に成立した長編物語。全二十巻、著者は不明だが源順説などがある。『竹取物語』にみられた伝奇的性格を受け継ぎ、日本文学史上最古の長編物語である。

写実的な描写などは『源氏物語』の成立へ影響を与えたと言われている。当時の貴族にとって、その演奏が教養でもあった楽器のひとつ「琴(きん)」の音楽をめぐって物語が展開していく。当時の年中行事を記した日記的な記述が多くみられる点も特徴のひとつである。 『枕草子』に源涼と藤原仲忠の優劣論争が記され、『源氏物語』の「絵合」巻に「『うつほ』の俊蔭の物語絵」が見えている。


あらすじ

遣唐使清原俊蔭は渡唐の途中で難破のため波斯国(ペルシア)へ漂着する。天人・仙人から秘琴の技を伝えられた俊蔭は、23年を経て日本へ帰着した。俊蔭は官職を辞して、娘へ秘琴と清原家の再興を託した後に死んだ。俊蔭の娘は、太政大臣の子息(藤原兼雅)との間に子をもうけたが、貧しさをかこち、北山の森の木の空洞 - うつほで子(藤原仲忠)を育てながら秘琴の技を教えた。兼雅は二人と再会し、仲忠を引き取った。〔俊陰〕

そのころ、源正頼娘の貴宮(あて宮)が大変な評判で求婚者が絶えなかった。求婚者には春宮(皇太子)、仲忠、源涼、源実忠、源仲純、上野宮、三春高基らがいたが続々と脱落し、互いにライバルと認める仲忠と涼が宮中で見事な秘琴の勝負を繰りひろげたものの、結局、あて宮は春宮に入内し、藤壺と呼ばれるようになった。〔藤原の君〜あて宮〕

仲忠は女一宮と結婚し、その間に娘の犬宮(いぬ宮)が生まれた。俊蔭娘は帝に見いだされ尚侍となる。仲忠は大納言へ昇進し、春宮は新帝に、藤壺腹の皇子が春宮になった。〔蔵開・上〜国譲・下〕

仲忠は母にいぬ宮へ秘琴を伝えるようお願いし、いぬ宮は琴の秘技を身につける。いぬ宮は2人の上皇、嵯峨院と朱雀院を邸宅に招いて秘琴を披露し、一同に深い感動を与えるシーンで物語は終わる。〔楼上・上〜下〕


新編日本古典文学全集 (14) うつほ物語(1)
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[2014/12/16 16:55] | おすすめの本 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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