読み方の教科書
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 『小説とは本当は何か 中村真一郎』を読んで、そのおかげで「うつほ物語」を読みました。年末は大団円(なんのこっちゃ)だったような気分です。それで味をしめて、もう一冊、何らかの指針になるのではないかと借りてきました。

 (だいぶ読んでから気づいたのですが)二年ぐらい前にも一度読んだ本でした。あの「もしドラ」の作者です。
『小説の読み方の教科書 岩崎夏海』
 この本でおすすめしている「ドン・キホーテ」「ハックルベリー・フィンの冒険」は、一昨年読んで、昨年も「失われた時を求めて」「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」「源氏物語」などの名作を再読し、それからこの本を再読すると、さらによく分りました。この手の本でも、二回読むと違います。

 「ドン・キホーテ」が偉大な小説だというのは、認めるのにやぶさかではありませんが、「ハックルベリー・フィンの冒険」はどうでしょうか。アメリカの小説には、どうも、本当には共感しません。そしてこの本の半分は、「ハックルベリー・フィンの冒険」の読み方について書かれています。

 この中で、真意は伝わらないと思いますが、重要そうなところを思い切り詰めて書き出します。絵を見ることについても同様のことが言えるでしょう。そういうわけで、たいていの美術番組を見ると、私は気分が悪くなります。

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 誤った小説の読み方をしている人に共通する特長のうち、最も多いのが、小説を「物語を知るためのもの」と受け取っていることです。かれらはどんな小説だろうと一度きりしか読みませんし、またその内容を説明されたり、結末を教わることを極度に嫌います。

  読書をする上で大切なのは、まずは「書かれていることをそのまま受け取る」ということです。その逆に、最も避けなければならないのは、「都合の悪い部分は受け取らない」という読み方です。

 小説を読む上で絶対にやってはならないことは、「結末を予想しながら読む」こと。最大の弊害は、それによって小説の中に描かれている大切なものを見落としてしまうからです。それをしないためのたった一つのよい方法は、「結末を知っておく」ということです。あるいは「一度読んでしまう」ということです。

 裏を返せば、どんな小説でも、初めて読むときはなかなか正しい読み方ができないものなのです。つまり「小説の正しい読み方」とは、複数回読むことである、ということでもあるのです。結末がしれてしまうともう読む気をなくす作品というのは、どれも本質的な作品ではないのです。再読することによって、人は、小説の中の最も味わい深い部分-行間を読むことができるようになるのです。

 読者はまず「自分が足りていない、それがゆえ何かを受け取る立場にある」ということを肝に銘じなければいけません。これを忘れてしまっては、とたんに傲慢な気持ちが鎌首をもたげ、受け取るものも受け取れなくなるのです。

 読書をする上で、読みにくかったり、受け取りにくい部分というものは、往々にして、自分の器では受け止めきれない、受け取ることに困難さを伴ったりするものです。そこでその困難さに屈することなく、受け取りにくいことでも素直に受け取るようにしていけば、人間としての成長を果たすことができるのです。「これまで読み取れなかったもの、気づかなかったものを、読み取れるようになったり、気づけるようになる」ということです。



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小説の読み方の教科書
ハックルベリー・フィンの冒険
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[2015/02/05 22:15] | おすすめの本 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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