パルムの僧院 スタンダール
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 「パルムの僧院」図書館から検索して最も新しい本を借りた。2005年出版の新潮文庫。その次はというと、1995年以前の本はたくさんあったのだが、新しめのはこれだけだった。改版されて新しそうになっていたが、大岡昇平訳で昭和46年(1951年)初版であった。60年も前だ。ちょっとした古典の名作をさがすと、まったくもう、これである。

 それで、今まで読んだ文学紹介の本などから考えるに、最初の方は歴史的なことでつまらないが、後半ものすごくおもしろくなるというのが、おおかたの評判のようだった。ところが、ずっと同じようにおもしろく読めた。なにしろ3日で読めた。おもしろくなくても、同じぐらいで読むことはあるけれど、苦もなく読めるにこしたことはない。モーリス・ルブランやガストン・ルルーのようにどんどん読めた。バルザックよりもずっと読みやすい。

 以前、「赤と黒」を読んだときは、「ジェーン・エア」と続けて、3日ずつ、6日で2冊読んだ。だいぶムリして読んだような気がする。それでこの「パルムの僧院」は読んでいないと思っていたが、塔に幽閉されるところが出てきて、読んでいたことに気づいた。いつ読んだのだろうか、覚えていない。仕事もしない、恋に明け暮れる貴族のダメ青年を、権力者や大僧正や一番の貴婦人が、養護して尻ぬぐいばっかりしている、ちょっと反発したくなる話だ。

 引き続いて、「赤と黒」も半分読んだ。こっちは、明らかに読んだはずなのだが、始めて読むようなお話だ。続けて読むと、「パルムの僧院」ほとんど同じ構図だと思う。美男子だが性格の悪い、ワガママで田舎者の若者に、高貴な美女が入れ込むのである。半分までだが、恋愛論を小説にするとこうなっちゃったんだろうか。

 引っぱられるように苦もなく読めた代わりに、気持ちが引きつけられるような魅力的な人物はいないし、ものすごく盛り上がることもない。主人公は嫌なヤツだ。それなのに気分が良いのは、最近読んだ古典小説ではめずらしく、最後に悲惨な結末がやってこないことだ。あんなに好き勝手生きて、平穏に死んでいく。トルストイも手本にしたと言われる、最初の戦闘場面は秀逸だと思うが、これは名作なのだろうか。読みやすい新しい訳でも出れば、おすすめなのだけれど。


パルムの僧院 (上) (新潮文庫)
赤と黒(上) (光文社古典新訳文庫)
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[2015/03/08 19:03] | おすすめの本 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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