イル・トロヴァトーレ Salzburger Festspiele2014 第1幕
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第1幕 決闘 11:04、10:20、7:47

 幕が開くと、そこは(たぶん)国立大美術館の展示室。真っ赤な壁面に、身長の二倍以上ある巨大な人物画がぎっしり掛けられている。ルーブル美術館のルーベンスの間でもないかぎり、通常あり得ない並べ方だ。その壁が、真ん中、右、左と移動して、真ん中にスペースを作ったりする。絵は、フィリッポ・リッピ、ラファエロ、ファン・デル・グース、ジャン・フーケ、ファン・アイクなどの絵が、おおむね実物よりも巨大に描かれている。若干ヘタっぽいので、コピーではなくて、美術担当が模写したのかもしれない。模写を集めた美術館という設定なのかもしれない。

 フェランドは美術館の学芸員。30人ぐらいの現代人を引き連れて絵の説明をしている。まるで絵がルーナ伯爵家の親族であるかのように話している。しかし、兄弟、火あぶり、子供の骨、運命、魔女などのセリフが、展示されている絵とまったく合っていない。

 近年、昔風の呼び方はいけなくて、「ロマ」と書かなくてはいけなくなったようだ。ブログなんかでも、「不適切な表現」があると、文章を拒否されることがある。以前、画家の名前を100人ほど書き出したら、何か誤解を招くつづりがあったらしく、拒否されたことがある。だから書かないようにするけど、みなさんご存じでしょう。

 美術館の展示室には、すみっこに係員が座って監視している。フェランドも含め、係員はみな青のスーツを着ている。右に座っていた係員が歌いながら左へ。左に座っていた係員も歩み寄り、これがレオノーラのアンナ・ネトレプコだった。イネスはパンツ姿で、レオノーラはスカート。縁の強い黒めがねをかけている。首から身分証明書をかけている。

 これがまた地味で、とてもネトレプコと思えない。歌っている間、巨大絵を掛けてある壁面が、左右に動くのも、歌手を小さく見せる。一曲終わったところで、メガネを外す。ちょっと格好良くなる。天上の、左三分の一が降りてきて、スクリーン状になって、ここにも人物画のクローズアップを映す。次は上着を脱いで、薄いブルーのワイシャツ姿になる。だんだんネトレプコになってきた。

 ルーナ伯爵であるプラシド・ドミンゴ登場。薄いブルーのワイシャツ姿に紺のパンツである。この役は、当然バス・バリトンの役であるから、ドミンゴの声では、違和感ありすぎだ。だが、ドミンゴの歌うワーグナーよりも気にならない。リゴレットも歌っていたし、本来と違いすぎて、別物と考えられるのだろうか。とにかく、男性歌手はテノールが二人に思われるし、女性歌手はネトレプコの声が太いので、メゾ(アズチェーナのこと)が二人であるかのように感じる。テノール対メゾ・ソプラノの戦い。

 古典的衣装を着たマンリーコとレオノーラに気を取られていたら、いつのまにかドミンゴも衣装替えしていた。みんな濃赤、マゼンダ、バイオレット気味の色あいの服を着ている。背景の赤い壁よりも、暗めの赤っぽい色だ。歌手はみんな、すごく立派に歌っているようだが、普通の絵と違って、インパクト強すぎる、巨大な顔の絵が回りを取り囲んでいるので、ちっちゃい歌手にしか見えないのが残念だ。

 第1幕締めの、3人が歌っている最中に、背後でベラスケスの「馬上のカルロス1世」の絵が移動している。「なんて日だ!」



"Il Trovatore" Salzburger Festspiele 2014年8月15日

マンリーコ: フランチェスコ・メーリ
レオノーラ: アンナ・ネトレプコ
ルーナ伯爵: プラシド・ドミンゴ
アズチェーナ: マリー・ニコル・ルミュー
フェランド: リッカルド・ザネッラート
イネス: ディアナ・ハラー
ルイス: ジェラルド・シュナイダー

<演出・美術>アルヴィス・ヘルマニス <衣 装>エヴァ・デッセカー
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テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

[2015/05/19 21:08] | ヴェルディ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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