イル・トロヴァトーレ Salzburger Festspiele2014 第2幕
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第2幕 ロマの女 22:34、17:52

 ロマの女とは、当然、物語の主人公アズチェーナのことです。手持ちのCDライナーノートを見ると、「ロマ」という言葉はいっさい書いていない。こんな現実味のない言葉でいいのだろうか。

 古典的真っ赤なドレスや、マゼンダ、バイオレットの色をちりばめた40人ほどのダンサーが、美術館の中で踊る。ロマの集団ということです。その古典的様相に対して、アズチェーナはまたもよ、美術館のツアー係員です。先ほどの女声二人とちがい、青いワンピースにグレーのセーターを羽織って、ちょっと太らせた感じです。やはり目立つメガネをかけている。彼女率いるツアーは10人ほどですが、後に大勢のロマの集団がいます。ここでソファーに乗ってアリアを歌いますが、衣装とアンバランスな状況が強すぎて、歌がどうだったのか印象にありません。アズチェーナ最大の聴き所なのに。

 歌いながらソファーに倒れ込むアズチェーナを、ロマの5人ほどの女性が取り囲む。2分ぐらいゴソゴソ囲っているうちに、いつのまにかアズチェーナの衣装が古典的な、一般的イメージの姿になり、ソファーに倒れている。フェランドが入ってきて、ここから普通に歌が楽しめる。アズチェーナの歌はかなり立派だ。しかし後の壁面は動いているし、10人ぐらいの現代人が絵を鑑賞している。フィオレンツァ・コッソットの長期政権のあと、取って代わる人がいない。メトのザージックは気を吐いていたが、このマリー・ニコル・ルミューもなかなかいいと思う。

 ロマの親子の場面のみで、第2幕のような気がして仕方がないのだが、次の教会の場面も第2幕。手前の天上を蝶番のようにして、天上部分がステージを隠すように降りてくる。スクリーンとして名画の顔のさらなるアップが映される。ヤン・ファン・アイクの「ゲントの祭壇画」は強力に映し出される。左側にルーナ伯爵、右側から修道女で、しばらくしてレオノーラが出てくる。中央部分のみ背景真っ赤に歌手も真っ赤という状態。前面を覆っていたスクリーンが天井にもどると、舞台はついたてがなくて広くなっている。奥からマンリーコが登場する。

 ここでルーナ伯爵とマンリーコの対決となるが、ドミンゴはちょっと痛々しい。悪く言うと、穴に隠れていたのを捕まった、どこかの大統領。なんとなく他の歌手が気遣っているような気がする。敵役だが、がんばってもらいたい。それとやはりバスティアニーニみたいな声の方がいいんじゃないの。

 第2幕終わりで、休憩は、恐らく、ここで1回入るだけ。同じくネトレプコのザルツブルグ『椿姫』でも、第2幕の真ん中で、1回のみの休憩だった。時間の都合と、歌手の声休め的に、ここらが妥当なのだろう。それにしても第3幕は、2場合わせても、第2幕第1場ていどしかない。短すぎる。だからビデオで続けて見ていると、第2幕第2場からが第3幕のような気がする。第2幕第1場がこの物語の主題であって、それが終われば一段落。あとは第4幕までのつなぎ場面だから。

 もしかしたら絵に興味のない人には、美術館の中って舞台装置、そんなに違和感を感じないのだろうか。やっぱり音声だけで聴いている方が感動的だ。


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[2015/05/26 18:36] | ヴェルディ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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