世界でいちばんカラフル化進行
美しい街1

美しい街3


「木曽路はすべて山の中」ではないが「ヴェネチアの路地裏はボロボロ」である。
はがれた壁面から、不揃いの焼き煉瓦がのぞく。アンカーの黒い鉄の棒も、崩れそうな壁面に、不規則にへばりついている。これが普通のヴェネチアである。

 写真集「新・世界でいちばん美しい街、愛らしい村」を見ていて、改めてブラーノ島だけ、住宅がカラフルに塗られているのはなぜなのか不思議になった。共産中国の経済特区のように、実験的にやっていることなのだろうか。一応、漁に出ている主人が帰ってくるときに、自分の家が見つけやすいようにという理由はあるが、それならどうして他にこんな住宅街がないのか。ここだけなのか。

 ヨーロッパの美しい町や村の壁面は、個人で勝手に色をつけたり改築することは許されない。部屋の中を近代的にするのはかまはないが、壁面だけは古いまま残さなければならない。同一の様式と配色が強制される。しかしである。ブラーノ島は、まるで「隣近所と同じ色を塗ることを禁ず。なるべく派手に濡れ」という法律でもあるかのようだ。

 このエム・ディー・エヌから出ている「新・世界でいちばん美しい街、愛らしい村」であるが、「新」とついていることから分かるように「世界でいちばん美しい街、愛らしい村」の続編だ。以前借りた、その本をまた借りようと検索したら、「新」が出ていた。どちらもすばらしい写真が載っている。

 この「新」の表紙とトップがハイデルベルクである。それがまた非常にカラフルだ。こんなにきれいだったっけ。もっと古ぼけた街だったような気がする。先の大戦で崩れた街を、戦前のように復元して作ったはずだ。2004年に行ったときの写真を探してみた。やはり現実はこんなもんだ。古い石積みに黒っぽい柱、漆喰の壁。これでもずいぶん美しく写っていると思う。もっとどんよりとした印象が強い。

 やはり最近の絶景写真集は、キレイすぎる。
彩度を盛っているのではないか。
絵を描くにはいいのかもしれないけれど。


美しい街4

美しい街5
スポンサーサイト

テーマ:本の紹介 - ジャンル:学問・文化・芸術

[2015/11/05 16:59] | 美術の本 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
<<ヴェローナのギリシャ劇場 2-2 | ホーム | 長月会作品展に>>
コメント
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL
http://samotorakenike.blog91.fc2.com/tb.php/1546-19671d30
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |