The Grass Pillow or Tristram Shandy 1
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 ローレンス・スターンの『紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見』である。
The Life and Opinions of Tristram Shandy, Gentleman.

名前だけは以前から知っていたが、他の名作のように本屋や図書館で見たことはなかった。漱石はロンドン留学中に読んだのだろうが、よほどこの作品が気になっているのか、書評みたいなものも書いている。私が知ったのは『草枕』の後半で出てくるからである。

 最初の一文だけは作者が書いたものだが、あとにどう続くかは神の意志によるのであって、話がどうなろうと作者には責任がない。非人情の旅、余の散歩もこの流儀でいこうと書いてある。といっても、いきなり観海寺の和尚に会いに行っただけなのだけれど。

 その漱石当時にして150年前に書かれた本であった。今回借りてきた本は、岩波文庫の昭和44年初版本だった。たぶんそんなに売れていないのだろう。

『トリストラム・シャンディ』(The Life and Opinions of Tristram Shandy, Gentleman)は、イギリスの小説家ローレンス・スターンが書いた未完の小説。全9巻からなる小説で、1759年の末から1767年にかけ、2巻ずつ(ただし最後の第9巻は単独で)5回に分けて出版された。日本には、1897年に夏目漱石によって初めて紹介され、『吾輩は猫である』に影響を与えたとされる。(ウィキペディアより)

 『トリストラム・シャンデーと云う書物のなかに、この書物ほど神のおぼしめしにかのうた書き方はないとある。最初の一句はともかくも自力でつづる。あとはひたすらに神を念じて、筆の動くに任せる。何をかくか自分には無論見当がつかぬ。かく者は自己であるが、かく事は神の事である。したがって責任は著者にはないそうだ。余が散歩もまたこの流儀をくんだ、無責任の散歩である。ただ神を頼まぬだけが一層の無責任である。』(草枕より)


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[2016/02/12 17:45] | おすすめの本 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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