つかんでいるその手を放す
この世の悩み

『この世の悩みがゼロになる 小林正観』より

 アフリカでチンパンジーやオランウータンを生け捕りにするときに、用いる罠があるのだそうです。どんな罠かというと、木のウロ(空洞になっているもの)や、あるいは土を固めてちょっとした小山をつくり、そこにちょうどチンパンジーやオランウータンが手を入れられるくらいの穴をあけておくのだそうです。そして、その中に彼らが好むバナナや木の実を入れておくというのです。
 
チンパンジーやオランウータンはそれを見つけると、中に手を突っ込みます。そしてむんずとそのバナナや木の実をつかみます。それで何が罠かということになるのですが、実は、その穴は、何もつかんでいないときにはただの穴なのですが、ものをつかんで拳を握ったときには、それを引っ張り出せない程度の大きさなのだそうです。

 ですから、手を放せば当然すぐに逃げることができるのですが、チンパンジーやオランウータンは、一度つかんだ獲物を決して手放そうとしません。そこで歯をむき出してキーキー言っているうちに、スボッと頭からまるごと生け端りにされてしまうというわけです。

 この罠の話をすると、ほとんどの人が明るくワッハッハと笑ってくれます。しかし、よく考えていくと、その笑顔が真顔になっていきます。チンパンジーやオランウータンの話とは思えなくなってくるのです。もしかしたら、私たち自身がチンパンジーやオランウータンではないのでしょうか。

 私たちは、縛られているわけではなく、捕らわれているわけでもないのに、実は自らが何かをつかんで放そうとしていない、それがゆえにまるで捕らわれているように思えるのではないかということです。放しさえすればよいのです。放せば私たちは自由になれる、その執着から放たれることができるのです。

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[2016/07/16 17:30] | おすすめの本 2 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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