青が散る 宮本輝


 久しぶりに上下2巻にもわたる長編小説を読んだ。「青が散る」 出来たばかりの新設大学のテニス部の話だ。ひょんなことから(今時めったに使わない表現)学園のアイドル的な美少女と知り合いになったが、つきあいが深まることもなく大人になっていく。

 ありきたりな青春小説ともとれるし、熱血根性部活の部分は共感できないし、わりと簡単に少女と仲良しになるところなど素直にのめりこめない。それでも読み終わると、美人と付き合えるのは別にしても、若い頃ってこうだったよなと思い出すことは多い。

 この手の青春小説は、有名なものもそうでもない作品も、特に取り柄のない男の子が、特別な美少女と仲良くなる話が多い。のび太くんとしずかちゃんだ。女性の作家が書くと話は逆になるのかもしれないが、読んだことがあるのは作者が男性の話ばかりだ。

 名画の場合だと、美人や英雄を描いた絵ばかりではなくて、真実の人間の姿を描いた、要するに美しくないと思われる絵もたくさんある。だからといってこの青春小説のような話を、バカバカしいと思うかというと、そうでもない。やはり美人と付き合うのは気持ちがいい。作家の想像力だけの産物とも思えない。そこそこ現実にあり得るのだと思っている。

 私の場合、高校時代に手の届かないような、好きな女の子がいたのであるが、ひょんなことからその女の子のお姉さんと仲良くなった。東京で下宿していたおねえさんの所へ、夏休みに遊びに行くようになり、その後、3人で映画を見たりするようになった。その元好きな女の子と、大学受験も一緒に行き、おべんとうも一緒に食べた。しかし結局、つきあいが深まることなく会わなくなった。

 そういうことを思い出す。その時に何らかの決断をした。しかしその時から、何十年か経っているのに、なにも解決していない。ずっと大人にならないのだろうか。
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[2016/09/12 20:06] | おすすめの本 2 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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