誰が音楽をタダにした?
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 今週はたまたま、音楽を愛好する人にとって大変な問題を取り上げた本を読みました。
この本の訳者が後書きにも書いてありますが、今の携帯音楽プレイヤーで聴いている若者は、かつて音楽はお金を出して買っていたということを知らないのではないでしょうか。

 60年ぐらい前のレコードは、確か、給料一ヶ月分くらいの値段がしていました。物価に変動して値段はほとんど変わらず、だいたい1枚、2千円~3千円ぐらいだったはずです。(今でもそうですね)

 それが今では、ネット上で探せば、どこかで手に入ります。
『誰が音楽をタダにした?  スティーヴン・ウィット』です。

まずはアナログLPがCD(デジタル・オーディオ・コンパクトディスク)になり。そのCDが、パソコンの記録装置としても標準装備されたことから悲劇は始ります。

 CDの録音容量を圧縮できるMP3の開発。誰が発信したかわからないインターネットの普及。そしてユニヴァーサルミュージックの巨大CD工場に勤務している1人の男が発売前のCDを盗み出す。それを変換してネット上に流すチーム。

 このたった一組のチームによって、ネット上に出ているほとんどの音楽が流失しました。おかげでCDレコードの売り上げが激減。レコード会社の力が衰えました。

 かつてウォルター・レッグは、レコードを売りたいのなら、わたしとジョン・カルショウをレコーディング・プロデューサーに呼び戻すことだと言いました。ろくでもないレコードばかり作っているから売れないのだと言いたかったのでしょう。

 今となっては、辣腕プロデューサーをもってしても、かつてのようなオペラの録音はできません。カラヤンやベルリンフィルを、一週間も拘束しておけるような予算などあるはずもありません。    

 このままでは、レコード音楽はもちろんタダ同然ですが、本もタダになって、そのうち油絵なんかも、本物そっくりのコピーが出回るのではないかと心配しています。まあ、コピーできるようなものと、本物はまったく違うのですが、そんなこと気にしない人が多くなれば、価値が下がることは間違えありません。

 そうは言っても、ネット上で探せば、どこかで手に入りますと書きましたが、それは有名なものだけで、クラッシックのほしいものは、実はそう簡単に手に入りません。本なんかも、アマゾンにもほとんど売ってません。「ネット上で何でも売ってるじゃないか!」と言っている人は、あまり音楽を聴かない人、本を読まない人ではないかと思っています。


誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち

なぜアマゾンは1円で本が売れるのか

一枚のディスクに―レコード・プロデューサーの仕事


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[2017/03/10 16:54] | おすすめの本 2 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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