版の問題であるが、一応バレンボイムはドレスデン版と(CDでは)書かれている。CD録音でそうであったように、第1幕第二場はパリ版であるが、他のところも「ドレスデン版」とは違っている。序曲からそのままバッカナールに突入する、いわゆる「パリ版」。ヴェーヌスの最初の一声が出るまでに、22分経っている。
それから、そのどちらでもないのか?、第2幕の最後、静かな合唱部分のちょっとだけ前、今まで聴いたことがない部分があった。なんだこれは!気のせいか。歌合戦と、コーダは「ドレスデン版」
おそらくペーター・ザイフェルトは、偉大なる宮廷歌手ルチア・ポップと結婚した方ですが、以前よりもタンホイザーらしくなったと思います。やっぱりヘンデン風とは思えませんが。ポップもエリーザベト歌ってましたね。
まあその、ちょっと違和感の残るザイフェルト以外の歌手は、ほとんど不満が思い当たらないぐらいの素晴らしさ。バッカナール以外に、映像的にも控えめでいい。歌に集中しやすい。
歌合戦も、ヴォルフラムのペーテル・マッティがすごくいい。第1幕で相当いいなと思っていたのが、確信に変わった。それなのにエリーザベトは無関心で、タンホイザーの歌ばかりに魅了される。
領主ヘルマン役のルネ・パーぺは、一度か二度?聴いたことがあるけれど、巨漢で顔がフィッシャー=ディースカウに似ている。安定感抜群だ。こういう役は、テオ・アダムを思い出す。
(つづく)
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