新鮮なメト「ホフマン物語」 第2・3幕
metホフマン2


 第2幕はシンプルで薄紫の背景で右手にピアノがあるだけ。アントニア最初の大アリアである「キジバトは逃げていった」は、声質のせいかパッとしない。続く、フランツ(このキャラの意味がいまひとつわからないが)の、滑稽なしぐさと歌い方、オランピアの真似をしてホフマンをからかったりと、楽しめる。こんな場面、今まで見たものにもあったのだろうか。

 アントニアの次の歌「飛び去る恋の歌」では、ネトレプコ持ち直す。しかし、実演では素晴らしいのだろうが、ビデオになるとどんよりモヤッとした声に聞こえる。ホフマンの方がずっと声が通る。このときあたりから背景の色が肌色になったり、青になったりと変化する。手前にスリットがあり、ドアが4つあるようにも見える。

 ネトレプコは下着のような白いドレスで出てくる。アントニアの母が出てくるが、(見かけも)声もあまり良くない。ただし、ミラクルと母とアントニオの三重唱は盛り上がる。ドラマティック・ネトレプコが本領を発揮する。第2幕では背景がシンプルで、あくまでも歌手が中心という雰囲気で好感が持てる。

 幕間に2回目の、デボラ・ヴォイトのインタビューコーナー。彼女はネトレプコのことを、「アーナ」と呼んでいた。ホフマンの新鋭ジョセフ・カレヤには、「(いつぞやの舞台)ドミンゴが見ていたそうですが、どうですか?」と質問。「あんな生ける伝説みたいな大歌手にはとうていかないませんが……」
私が生で聴いたドミンゴは、全然よくなかったんだけど。

 第3幕も舞台上のセットらしいモノはないが、人でいっぱい。黒いブラとショーツだけのダンサー多数。たしか美しいヴェネチアのはずなのだが、トロヴァトーレの荒野、またはタンホイザーのヴェーヌスの世界だ。オランピア人形が4体出てきて、もはや回想ふうになってくる。

 終幕:ルーテルの酒場。さっきまで黒いコートだったニクラウスが、下着風桃色ドレスのミューズで登場するのでビックリする。アントニアとジュリエッタも登場。あれっ、ホフマン物語ってこんなフィナーレだったっけ??今まで見たのとだいぶ違うぞ。

 「人は愛によって成長し、涙によってなお大きくなる」
レヴァインの指揮も、20年前の実演の時よりもずっと暖かい。新春第一弾は、これで良かったのだ。
今まで見た、メトロポリタンオペラの中でいちばん感動した。


歌劇 「ホフマン物語」 (オッフェンバック)
ジェームズ・レヴァイン指揮  バートレット・シェア演出
2009年12月19日 メトロポリタン歌劇場

ホフマン   ジョセフ・カレヤ
ミューズ/ニクラウス  ケイト・リンジー
ステラル/アントニア  アンナ・ネトレプコ
オランピア   キャスリーン・キム
ジュリエッタ   エカテリーナ・グバノワ


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テーマ:オペラ - ジャンル:音楽

[2011/01/16 17:27] | その他のオペラ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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