「椿姫」  マゼール指揮 スカラ座 ゲオルギウ 2007年ライヴ
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 またまた新たなミラノ・スカラ座「椿姫」が放映されました。あのネトレプコの後、ありきたりなキャストでの「椿姫」なんて、しかもゲオルギウ(こう表記されていた)。メトもスカラ座もイマイチだしなー。とまあ、まったく期待しないで見始めた。

 ところがこれがまたすばらしい演奏だった。とても素晴らしいので、悪いところを先に言っておきたい。この演奏、まだ珍しいブルーレイディスクで発売されている。演出・舞台装置もロイヤルオペラの時よりもいい。ああ、それなのに、歌手のクローズアップになると目を背けたくなるような映像である。

 アルフレードのラモン・ヴァルガス。昨年、今までの最高額を払って見に行ったスカラ座来日公演『ドン・カルロ』、全体的にダメな中で、一番がっかりな歌手だった。テノールとしても、同時来日したヨハン・ポータの方がずっといい。そのヨハン・ポータにしても、先日のメト『アイーダ』ではパッとしない。

 それで、つまり、歌がダメな上に、彼の顔を知っている方ならおわかりでしょうが、どう見てもアルフレードではない。アンジェラ・ゲオルギューにしても、もともとそんなにいいと思っていないが、だんだんイレアナ・コトルバスのような表情が多くなった。


 気分が悪くなったことは忘れて、肝心のゲオルギューの歌であるが、1994のショルティ指揮で歌ったときのような、どもこかしこも踏み込みが浅い歌唱ではない。昨年のロイヤルオペラ「椿姫」では、ゲオルギュー降板に何の不満も感じず、代役の不調に期待を膨らませ、僥倖、ネトレプコのヴィオレッタに喜んだ。

 しかし、そもそも歌う準備のなかったネトレプコよりも、予定通りゲオルギューが歌っていれば、最高の感動があったのでは?と思わせる見事なヴィオレッタだ。もとより声質はネトレプコよりもヴィオレッタらしい。きっと指揮者のパッパーノも良い演奏をしたに違いない。(がっかりしたのだ)

 そして、指揮者がロリン・マゼール。かつて、ポストカラヤンの筆頭でありながら、ベルリンフィルの音楽監督をアバドに奪われ、以降、重要なポストに就いていない。(たぶん、っていうかこっちが気にしていなかっただけ?)いままで、CDでは何回か聴いているが(あんまり聴いていないって)、「ワルキューレ第1幕」しか感心した覚えはない。

 先日の「椿姫」カルロ・リッツィの指揮が、ごくオーソドックスな形ですばらしい演奏なのだが、まあ大抵の演奏がそう、しかしここでのマゼールの指揮は他と全く違う。後半、特に第3幕が遅い。異常な緊張感の持続する遅さに、激しい歌唱のヴィオレッタ。ティーレマンのワーグナー演奏のようなと言えばわかりやすいか。

 これに先だって放映された「スカラ座の秘密」という番組で、音楽監督になったバレンボイムが、歌手やオケをトスカニーニばりに、怒鳴りまくっている場面があった。「それでスカラ座のメンバーかっ!」「なんだ、言いたいことがあるのか!」
スカラ座、それで変わったのか?

 

【ヴィオレッタ・ヴァレリー】アンジェラ・ゲオルギウ
【フローラ・ベルヴォア】ナターシャ・ペトリンスキー
【アンニーナ(ヴィオレッタの女中)】ティツィアーナ・トラモンティ
【アルフレード・ジェルモン】ラモン・ヴァルガス
【ジョルジョ・ジェルモン(アルフレードの父)】ロベルト・フロンターリ
【ガストン子爵】エンリーコ・コッスッタ
【ドゥフォール男爵】アレッサンドロ・パリアーガ
【ドビニー侯爵】ピエロ・テラノーヴァ
【グランヴィル(医者)】ルイージ・ローニ
【ジュゼッペ(ヴィオレッタの召使)】ニコラ・パーミオ
<合唱>ミラノ・スカラ座合唱団
<管弦楽>ミラノ・スカラ座管弦楽団
<バレエ>ミラノ・スカラ座バレエ
<指揮>ロリン・マゼール
<演出>リリアーナ・カヴァーニ

<字幕>広塚洋子
収録:2007年7月1・4・7日
ミラノ・スカラ座(イタリア)



    




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[2011/01/18 18:06] | 椿姫 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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