図解 『サロメ』 東京二期会 2011年2月23日 
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 コンヴィチュニー演出と評判の公演。意味はさっぱりわからないが、あんがい私は、そんなことは気にしない。もちろんもっと普通の演出で見たかったが、なにしろ歌と演奏はすばらしかった。期待しないで出かけるもんである。

 「ネザーランド・オペラ及びエーテボリ・オペラとの共同制作」と、パンフには書いてある。ネザーランドってネーデルランド、つまりオランダのことだと思うが、どっちにしろ今まで聞いたことのないオペラハウスだ。そんな共同制作するような、舞台装置に演出なのだろうか?

 核シェルターの中で、最後の晩餐、(レオナルドに限らない)定型タイプの座り方をしている。左にはソファーがあり、テーブルの手前には厚手のペルシャ絨毯が敷いてある。キリストのようなヨカナーンも、最初から中央に座っているが、紙袋をかぶって顔を隠している。

 そんなに珍しくもないが、舞台の奥の方に箱があり、すべてはその中で起きる。舞台手前5mぐらいの黒い土間は、最後にちょっと使うだけ。全員最初から舞台上の登場しており、台本とは関係なく?ドタバタ劇を演じる。ヘロディアスにいたってはヨカナーンの上に乗って、「楽しんご」のように腰を振ったりしている。

 『サロメ』の見どころ「七枚のヴェールの踊り」では、エロティックなところは全くなく、ドタバタに終始する。ちょっと損した気がするのは、私だけではないだろう。「一部にセクシャルかつ常軌を逸するアヴァンギャルドな表現を含んでおります」とパンフには、わざわざ注意書きが入っています。

 これは何のことでしょう。ヘロディアスの腰使いのことでしょうか。核シェルター?それとも最後の晩餐?。。通常ナラボートが自殺するところで、ヘロデが射殺します。みんなでパンツを脱がせ、よってたかってお尻を叩いたりしていじめたところでしょうか。わかりません。

 こんな環境の中、成長したサロメは、核シェルターの壁に、チョークでドアを書く。そして外へ出ようとする。他のユダヤ人たちも真似をして、それぞれドアを書く。でも、外へは出られない。ここのところ、演出っぽい。

 皿の上の首ですが、ヨカナーンの胸から上をきり取ったモノが出てきます。が、生きているヨカナーンもそのままいます。ふたりで首を持ち替えたりしながら、歌います。愛の二重唱ですね。そんなもの持たないで、普通に2人で歌えばいいのに。

そして、ヘロデが最後に言う「あの女を殺せ」である。舞台上には、カーテンが閉められ、それ以前にシェルターボックスは後ろへ後退していて、2人しかいなかった。まっくらになり、会場の1階中央にスポットライトが当たる。その中の一人が立ち上がり、"日本語で"「あの女を殺せ!」と叫んだ。横にいる妻らしきご婦人は、それを止めようとしているような動きをしていた。さっきまでのヘロデと違う人ジャン。


 CDやDVDで視聴するのと、実演は、サロメの場合特に印象が違う。以前見た演出は、ほとんどなにもない舞台で、なにをやっているのかわからなかったが、時間がたつうちに引き込まれていき、最後は感動に包まれた。もしかすると、演奏会形式でも良いのかもしれない。

 歌手の見かけでは、ヨカナーンがいちばん、次がヘロデ、それらしい風貌をしていた。そもそもの舞台からして、白人・ヨーロッパ人のようである必要はないのだが、他の人は、いかにも日本人であって、クローズアップすると違和感がある。遠目に見ましょう。

 歌に関しては、先のマリインスキー歌劇場のような、歌手の凹凸というか、凹は特になかった。あんな!テノールはいない。サロメの大隅智佳子、ヘロデの片寄純也の歌唱はお見事。全員そこそこ健闘しており、サロメがいちばん魅力的に声が出ていた。完全に満足です。

 そういや、忘れちゃいけない、数年前の若杉弘指揮の「ダフネ」の時も、演出はともかく、演奏と歌はとても良かった。二期会、がんばってますね。


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東京二期会 オペラ「サロメ」
2011年2月23日

原作 : オスカー・ワイルド
ドイツ語台本 : ヘドヴィッヒ・ラッハマン
作曲 : リヒャルト・シュトラウス
会場 : 東京文化会館

指揮 : シュテファン・ゾルテス
演出 : ペーター・コンヴィチュニー
舞台美術・衣裳 : ヨハネス・ライアカー
照明 : マンフレット・フォス
演出助手 : ロッテ・デ・ビール、澤田康子、太田麻衣子
舞台監督 : 幸泉浩司
公演監督 : 多田羅迪夫
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テーマ:オペラ - ジャンル:音楽

[2011/02/24 18:12] | シュトラウス | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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