「魔法の笛」 クレンペラー指揮 フィルハーモニア管1964 第1幕
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 こんな時ではありますが、クレンペラー指揮の「魔法の笛」1964年を、久しぶりに聴きました。クレンペラーのオペラ録音では、「ドン・ジョヴァンニ」1966年、「フィガロの結婚」「コジ・ファン・トゥッテ」1970年もあります。このシリーズ最初が「魔笛」でした。

 しかし、本当は、EMIによって1959年に「ドン・ジョヴァンニ」、1960年に「フィガロの結婚」のレコーディングがおこなわれるはずだったのです。それも飛びきり素晴らしいキャストが組まれていました。

 クレンペラーは、ここぞと言うときに怪我とか病気で、チャンスを逃してしまう指揮者で、この時、病気のクレンペラーの代役として指揮をしたのがジュリーニでした。名盤と誉れの高いジュリーニ指揮による「ドン・ジョヴァンニ」、「フィガロの結婚」は、こうして生まれたのでした。

 これらのクレンペラーのオペラ録音中では、「ドン・ジョヴァンニ」が名盤といわれ、「魔笛」がそれに次ぐものだと思われます。「フィガロの結婚」は、宇野功芳しかほめていませんし、「コジ」に至っては、話題になった気配すらありません。

 大ざっぱに言いますと、クレンペラーの演奏は、バッハもベートーベンもモーツァルトも同じ、「ドン・ジョヴァンニ」も「コジ」も同じに聴こえます。どの音符にも同じような力を入れているみたいです。したがって、比較的普通の「ドン・ジョヴァンニ」よりも「フィガロ」「コジ」の方が、他と違っていて面白い演奏です。

 そしてこの「魔笛」。やはり重厚長大、気宇壮大で他とはずいぶん違います。歌手も主役が新人で、脇に豪華名歌手を揃えています。「フィガロ」ほど変(私は好きですが)ではありませんし、餡がたっぷり黒光りする羊羹みたいで、なんだか買って特をしたような気がします。

 ご存じのように、この「魔笛」にはセリフ部分がなくて、音楽だけです。ステレオになる前の古い録音ではよくありますが、この時代には珍しいことです。そのせいか、逆に、普通の録音ではカットされている、すべてのセリフ入り台本が付いています。


オットー・クレンペラー指揮 フィルハーモニア管弦楽団&フィルハーモニア合唱団
録音:1964年3月、4月キングスウェイホール

タミーノ:ニコライ・ゲッダ
パミーナ:グンドラ・ヤノヴィッツ
パパゲーノ:ワルター・ベリー
夜の女王:ルチア・ポップ
ザラストロ:ゴットロープ・フリック
弁者/第2の僧:フランツ・クラス
第1の侍女:エリザベート・シュワルツコップ
第2の侍女:クリスタ・ルートヴィッヒ
第3の侍女:マルガ・ヘフゲン
パパゲーナ:ルート・マルグレート・ピュッツ
モノスタトス/第1の僧:ゲルハルト・ウンガー
二人の戦士:カルル・リーブル&フランツ・クラス
第1の少年:アグネス・ギーベル
第2の少年:アンナ・レイノルズ
第3の少年:ジョセフィン・ヴィージー
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テーマ:オペラ - ジャンル:音楽

[2011/03/16 14:46] | 魔法の笛 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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