『ドン・ジョヴァンニ』 バレンボイム指揮 スカラ座 第中幕
スカラ2011-3

スカラ2011-2



 マゼットはスネ夫で、ツェルリーナもお似合いな感じだ。スーツ着てるけど、そして回りのみんなもドレスアップしているが、主役たちに比べてひどく見劣りがする。それでもいいのだけど。

 ハリボテ幕の板を裏返しにして重ねた背景が、村の祭りの舞台。これが、なんだか普通の舞台っぽい。ジョヴァンニとツェルリーナの2重唱は、そこそこ。別の上着を着たエルヴィーラが現れて、みんなを説得する5重唱。ハリボテ大幕1枚の前で起こる。

 さて、ジョヴァンニが「アディーオ」と去ると、あの男こそ犯人と気づく、アンナの大アリア。ここでネトレプコが本領発揮。なにしろ太っているので、容姿よりも歌唱力で他の歌手を圧倒。どこで歌っても、グルベローヴァの時のように、ネトレプコだけ声量が違って他の歌手がみすぼらしい。

 戦艦大和を使った、大砲巨艦主義のような戦いはどうしたものだろう。しかしここが第1幕で、最も良かったところです。歌い終わると、パンダのような大きめのサングラスをかける。

 ここからフィナーレに入る時、今までもずっと舞台の緞帳ハリボテだけの舞台装置だったが、古いオペラ劇場にありがちな、舞台の奥に向かって段々小さくなっていく、左右の柱と天蓋が5重に重なって奥行きを感じさせる舞台装置となる。

 アンナ、エルヴィーラ、オッターヴィオの3人が、左手から歩いてきて、指揮者バレンボイムの後ろに立つ。舞台上のレポレロとピットを挟んで招待される。それから前を向いて歌う。客席の人は、歌手が近すぎてビックリじゃないのかな。

 最後にドン・ジョヴァンニがみんなに追い詰められる場面では、村人全体が、パーティーのドレスを脱ぎ、スーツ姿になって迫ってくる。バレンボイムの指揮は、アバド、ガーディナー、ショルティ、ハーディングなど最近の颯爽とした速めの演奏と違って、古い重厚長大、ゆったりテンポの演奏だ。


 第2幕は、いままでとちょっと違う舞台の変化がある。
大ハリボテ中幕に窓が開いており、そこからエルヴィーラが歌うのを、ジョヴァンニとレポレロがからかっている。

 その中幕が上がると、エルヴィーラが現れる。やいなや、その後ろの同じデザインの幕も上がる。と見せかけて、実は、ジョヴァンニのいる舞台前方はそのままで、奥の方が床ごと1mぐらい持ち上がる。演出がちょっと面白くなってきた。

 ジョヴァンニがセレナーデを歌うと、メイド姿の女の子が飛び込んできて、キスをする。彼は時々、上の世界へ行って、レポレロのふりをする。が、下に降りると、他の人には見えない設定だ。

 ツェルリーナの薬の歌は上で、下ではジョヴァンニとメイドがいちゃついているのである。この時舞台奥は、1幕フィナーレの時と同じ5重に奥行きを出している舞台。

 さて、ここで中幕フィナーレです。正確に言うと、フィナーレのような重唱曲です。この盛り上がりが終わったとたん、下段にいた2人は、右手に立ち去ります。このとき、いつのまにか、メイドは真っ裸になっています。それも、右に行きかけて、忘れ物を取るために、いったん体前を客席側に見えるようにぐるっと回転してもどります。ブーツを履いているだけで、完全に裸でした。

 このように、歌が終わるたびに、ビックリする刺激入り演出で、名唱を味わうというようなところは皆無であります。


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[2011/12/28 18:23] | ドン・ジョヴァンニ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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