『ドン・ジョヴァンニ』 バレンボイム指揮 スカラ座 第2幕
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 さて、エルヴィーラのアリア。これも重要な曲だ。ここで、5重の奥行き舞台の奥にさらに10重ぐらいの書き割り奥行き舞台装置が現れる。ものすごい遠近法というか、トンネル状に奥行きがある。しかし、そっちに気が取られて、歌に集中できない。

 そしてエルヴィーラのアリアが終わると、その書き割り15重の舞台が全部、上に持ち上げられて、舞台上は倉庫の中のようになる。だから、そんなところで驚かすなって。

 その背景に、何やら四角くてペラペラのものがあると思っていたら、最初に出てきたスクリーン状の鏡だった。その鏡に映る、客席側舞台の上と左右の幕が映っていたのだ。さらに良く見ると、客席の人たちまで映っている。

 騎士長が登場して、ジョヴァンニを誘うところ。なんと、その鏡の中央部で騎士長が歌っている。これも最初に映し出された、ローヤルボックスに座る、ナポリターノ大統領夫妻とモンティ首相夫妻の間に立って歌っているのが、ペラペラ鏡に映っているのだ。おお怖い。心霊写真の幽霊みたいだ。(まあ、死んでるんだけど)

 さて第2幕のアンナの大アリアもたいへん見事なもの。同じ名前ながらアンナ・トモワ=シントウの歌唱に近い。それにしても、アンナ・ネトレプコにしてからが、1幕・2幕のアリアしか印象にない。他の歌手の歌はもちろん、印象に薄い。生ではなくて、ビデオなのでなおさら演出にのみ引きずり回された感じだ。

 フィナーレの幕が開くと、今度は平面書き割りのスカラ座客席。先に鏡に映っていた5階までの全体像だ。その前に、左右に長すぎる最後の晩餐風白い食卓。舞台の端から端まであるくらい長い。そこへ、エルヴィーラがやってきてテーブルの上に乗る。下着姿で色っぽく迫る。またまた歌の内容とは違い、2人は楽しく抱き合っている。アンナもエルヴィーラも抱かれたいのである。

 その平面書き割り板が上がって、煙の中に騎士長の登場。今度も背景はスカラ座客席だ。しかも、妙にブレがあって不安定さを感じると思ったら、3段階の奥行きのある曲面のハリボテを重ねたものだ。どんだけ、バリエーションをつけるねん。

 あいかわらず騎士長は、胸から血を滴らせており、こんどはジョヴァンニを刺す。ジョヴァンニが倒れると、舞台上は真っ赤に燃え上がるが、同時に上から大ハリボテ緞帳が下りてくる。同時に、左右から他の5人が出てくるのだが、緞帳で狭くなってくる赤い背景に、5人のシルエットが美しく映る。

 さらに5重唱が終わる終結部、後ろの大ハリボテ緞帳が上がると、ジョヴァンニがタバコを吸いながら前に向かって歩いてくる。それと同時に細長い亀裂が出来て、夜の女王の地獄落ちのように、5人だけ下に落ちていって、ジョヴァンニのみ舞台に残る。

 4人の名歌手は、やや歳をとったかなという気がしてしまう。
まあ、死なない「ドン・ジョヴァンニ」は、だれしも見てみたいのでは。 
ロバート・カーセンと、アンナ・ネトレプコの一人舞台だった。


ダニエル・バレンボイム指揮  ミラノ・スカラ座O&Cho BS ★★
ロバート・カーセン演出  2011年12月7日ライブ収録、25日放映
 Ⅰ.93m45s(序曲 5m59s)  Ⅱ.83m10s

ドン・ジョヴァンニ=======ペーター・マッテイ☆
ドンナ・エルヴィーラ======バルバラ・フリットリ
ドンナ・アンナ=========アンナ・ネトレプコ★★
ドン・オッターヴィオ======ジュゼッペ・フィリアノーティ
レポレロ============ブリン・ターフェル★
ツェルリーナ==========アンナ・プロハスカ
マゼット============ステファン・コツァン
騎士長=============クワンチュル・ユン
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テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

[2011/12/29 16:53] | ドン・ジョヴァンニ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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