振れば、基本的には出来上がるのがプロ
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☆ カタールらしい

 昨日は、『最強の市民ランナー』川内 優輝 選手で一躍有名になった「春日部高校」のこれまた音響抜群、センテニアルホールに行ってきました。(毎週5回ぐらい通っている道ですが。)

 青島広志のピアノ伴奏と語り、日本人にはめずらしいヘンデンテノールの雄、大野徹也さん、ソプラノの山口道子さんの出演でした。

 ホールが異常に狭いためか、声量がすばらしいためか、オペラの時のように歌手と客席の間にオケが鎮座していないためか、非常に声が立派に響き渡りました。

 しかし、大野さんの、期待していたトゥーランドットのカラフのアリアを歌わず、有名でない小曲ばかりだったので、もの足りませんでした。

 なお、テレビでもお馴染みび青島広志さんのお話は、おもしろすぎて、歌唱を完全に食っていましたね。


そんでもって、初心者用クラシックの本をひとつ
『拍手のルール 秘伝クラシック鑑賞法 茂木大輔』より

 これだけ多数の情報を、プロのオケと指揮者は「動作を見る」ことだけで伝達できてしまう。リハーサルは、それでも伝えきれなかった部分についてのみ行う、というのがプロの仁義、レベルというものなのである。

 いかなる手の動きにもついてくる、訓練・洗練されたプロ集団を相手にすると、自分がガチガチに動いておいて「エレガントにお願いします」と言ったところで、「パーカ」と言われるのがオチなのだ。

 「振れば、基本的には出来上がる」のがプロで、振っただけでは出来なかったことだけをリハで追加するようにしないと、たとえ3日間もリハを貰っても、なにも実現しないで終わってしまうか、オケに物凄いストレスがたまる。棒がウマイ、棒ですべてを表せることはやはり必要なのだ。

 それでは、練習で1回通しただけで、もう本番が出来てしまうのか? と言われるかもしれな意外にもその答えは「基本的にイエス」である。

 その程度に、プロの指揮者とオケの間での無言での指揮情報というものは、多量に、かつ誤解無く伝達されるもので、受領・実行されるものなのだ。むろん、いくつか上手くいかない場所もぁり、また判断の分かれるようなところもあるから、数箇所、ちょちょっと直して、「はい、メンコン出来たよ!」と本番に送り出せばよい。大抵のプロオケの通常公演は練習が4時間くらいしかないのが普通なのである。

        
 では、なぜN響定期公演などでは3日間もリハーサルが取ってあるのか?
 というと、実は、「ここからが凄いのが巨匠、大指揮者というもの」だからである。
 デュトワ、サヴァリッシユ、サンティ、チョン・ミュンフン、プレヴイン、メータ、シュタイン……。

 もぎぎが経験してきた巨匠たちは、1回の練習で (最初の3分くらいで) 圧倒的な情報量と、そのイメージの素晴らしさで全員を感動させ、「もう、この肉だけでソースいらない……」と思わせておきつつも、そのあとの調理がまた凄いという、「上にはまだまだ上がある」というリハーサルを繰り広げる。

 プレヴインのように、にやっと笑って、「もう一回、ただし御一緒に(合わせて)」と言うだけの人もいる。通常の検査レベルではもちろん御一緒合格なのに、突如この工場長は「レベル160に引き上げ」と宣告したわけであり、その瞬間に以後5日間の演奏神経が引き締まる。
 
 「もう一回」 の演奏は、「聴いたことのないN響」に、一瞬で変わる (あ、若手指揮者の方、絶対マネしないで下さい。「アンタがジャマしているからだ。あんただけもう一回!」と思われます)。




★拍手のルール 秘伝クラシック鑑賞法 茂木大輔

 


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[2012/01/22 18:20] | 音楽の本 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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