『ラインの黄金』 バレンボイム スカラ座2010 第1場
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 年末にNHK-BS放映された、スカラ座『ラインの黄金』です。先に『ドン・ジョヴァンニ』は書きましたが、ウィーン、バイロイト、ザルツブルグなどとは雰囲気が違いますね。この『ラインの黄金』。ビデオでは、サヴァリッシュ盤、ブーレーズ盤、レヴァイン盤、ツァグロゼク・シュトゥットガルト盤、クプファー演出のバレンボイム盤などを見ているはずです。なかでも、演奏ではサヴァリッシュが、演出(映像的に)ではクプファーが良かったように思います。さて、今回はどうでしょう。


『ラインの黄金』ダニエル・バレンボイム指揮 ミラノ・スカラ座管弦楽団
ギー・カシアス演出 2010年5月26日収録 2h32m23s
2011年12月27日(火)深夜24:20~翌日3:13(173分)放送

ヴォータン:ルネ・パーペ
ドンナー:ヤン・ブッフヴ
アルベリヒ:ヨハネス・マルティン・クレンツレ
フロー:マルコ・イェンチュ
ローゲ:シュテファン・リューガマー
ミーメ:ウォルフガング・アプリンガー・シュベルハ
ファゾルト:ヨン・クワンチュル
ファフナー:ティモ・リーホネン
フリッカ:ドリス・ゾッフェル
フライヤ:アンナ・サムイル
エルダ:アンナ・ラーション
ヴォークリンデ:アガ・ミコライ
ウェルグンデ:マリア・ゴルチェフスカヤ
フロスシィルデ:マリナ・プルデンスカヤ
バレエ:イーストマン・バレエ・カンパニー


 バレンボイムは、まず小さく3回ほど棒を振ってから、大きめに振り降ろした。そこから演奏が始まった。カラヤンのライブ映像を見ても、先に「いち」「に」と小さく合図をしてから、棒を振り下ろしていた。

 幕が開くと、センターは緑色の壁である。ほとんどは真っ黒であるが、光の当たったところだけ緑色に輝いている。サファイアとかの石を薄く切って積み上げているような輝くテクスチャーを生み出している。これは当然照明によって色が変わる。

 その前、左右に、2倍サイズの畳を立てかけているような方形の板。金屏風のように輝いている。表面上はキレイだが、板を立てているだけで、奥行きのない簡素な舞台だ。これで水の中だと思えってことか。きっと、この背景の板が引っこむと、後ろに壮大な舞台装置があるのではないかと、思わせる。

 ラインの乙女たちは、みんな、腰まで来るぐらいの長い金髪とブロンド。黒っぽい、肩を出した普通のドレス。かと思っていたら、明るくなってみると黒地にいろいろな模様が入った、懲りに凝った衣装だ。

 アルベリヒは、現代的、浮浪者風、よれよれコート、長い手袋とブーツとまあ、もじゃもじゃ頭の寒いファルスタッフといった体型だ。こんな今風なのはやめてほしいものだ。

 緑の壁面は、光の揺らぎで海底の雰囲気を出し、ときおり顔のようなものが映ったり、ぼんやりダンスをしている姿が映ったりする。その前の、まあ、なにもない所で、4人が大騒ぎをするわけだ。といっても、勝手に踊っているだけのようだが。

 床面には薄く水が張ってあるらしく、時々、バチャバチャしている。左右の金屏風巨大畳は、いつの間にか表面が岩肌になっている。岩のような金塊が現れたということか。

 「オレはこのようにして、愛を呪うのだ」アルベリヒが着ていた上着を脱いで、振りかぶって水にたたきつけると、緑だった背面壁が金色に変わる。奥の壁が上にあがり、金色地に、真ん中に黒い煙が立ち上る。結核の肺のレントゲン写真にも見える。

 水びちゃびちゃの中、8人の男女ダンサーが現代的舞踏をくりひろげる。全面、赤っぽい金に煙がただよい、あたかも金が燃えているかのようにも見えているうちに第1場は終わる。背景は金から緑に色が変わってくる。
…って、これで金塊が持ち去られたことになるのか。

 これって、二期会の『ダフネ』『ファウスト』の時にあった「演出・振付:大島早紀子」を思い出すぞ。ラインの乙女たちも歌手というよりも、モデルのようだ。美しい人が多いので、見た目に退屈はしないが、こんなにダンサーが要るのか。これが『ラインの黄金』か?




  
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[2012/02/07 18:04] | ラインの黄金 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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