『ドン・ジョヴァンニ』 ジュリーニ指揮 1970年ライブ
ヤノヴィッツ


 先日とりあげたEMIのフィルハーモニア盤に勝るとも劣らないキャストです。
 いや、前回騎士長「ゴットローブ・フリック」に勝るとも劣らない強面な名前、ニコライ・ギャウロフとセスト・ブルスカンティーニでまず、なんだかすごい。

 そして、アルフレード・クラウスにセーナ・ユリナッチです。ユリナッチとブルスカンティーニが夫婦だと、歌手紹介に目立たなく書いてました。

 いやいや、一番大事なのは、ドンナ・アンナを歌うグンドラ・ヤノヴィッツ。


『ドン・ジョヴァンニ』 ジュリーニ指揮RAI放送ローマ管弦楽団
RAIローマ 1970年5月12日モノライブ収録 T.T.63:29+45:18+60:11

ドン・ジョヴァンニ:ニコライ・ギャウロフ
ドンナ・アンナ:グンドラ・ヤノヴィッツ
ドンナ・エルヴィラ:セーナ・ユリナッチ
ドン・オッターヴィオ:アルフレード・クラウス
レポレロ:セスト・ブルスカンティーニ
騎士長:ディミテル・ペトコフ
マゼット:ワルター・モナケシ
ツェルリーナ:オリヴィエラ・ミルジャコヴィチ


 ところでまず驚いたのが、これまた意外なことに、序曲の演奏がとてもいい。かつての名盤を聴くときでも、序曲は途中ではしょって、進めちゃうことが多いのだけれど、ジュリーニの序曲には、引き込まれてしまった。この演奏で十分だ。全体的には、他の演奏に比べると、低音不足は感じられますが、立派なオケの演奏です。

  ニコライ・ギャウロフとアルフレード・クラウスは特にすばらしいし、名前を知らない他の歌手も十分満足できる声です。ただユリナッチとブルスカンティーニという、ちょっと古めのモーツァルトオペラに、ちょくちょく顔を出していた2人ですが、ここではちょっとした不満があります。エルヴィラにしてはヤワで、レポレロにしては柔軟性に欠ける。

 ヤノヴィッツのドンナ・アンナは、正規録音ではありませんでした。CDの海賊版(って今でも言うのかな?)では数種あります。これは「新潮オペラCDブック14」という本のくくりに入っています。まあ、どっちにしてもめったに見かけることはありません。

 かつてのマルシャリンとか伯爵夫人とかフィオルディリージを歌うようなプリマ歌手は、つまりシュワルツコップとデラ=カーザは、ドンナ・エルヴィラを歌っていたから、ヤノヴィッツがアンナを歌うとは意外な展開です。まあ、どっちも彼女に向いているとは思えません。

 カラヤンのマルシャリンとか伯爵夫人である、アンナ・トモワ=シントウもドンナ・アンナですが、こっちはピッタリです。というか、ほとんど最高のアンナでしょう。それに比べると、ヤノヴィッツは線の細い、その分高い声が出るアンナです。

 グルベローヴァも歌っていますが、トモワ=シントウよりです。むしろ若い頃のグルベローヴァにありそうな高い声です。この点で、ニルソンやサザーランドよりも安心して聴けます。最初は彼女の歌うジークリンデみたいに違和感ありありでしたが、数回聴いたら納得できました。ライブですし、演目からしても、熱血歌唱が聴けます。

最高の伯爵夫人、グンドラ・ヤノヴィッツのドンナ・アンナ。
もっと早く聴くべきでした。



モーツァルト フィガロの結婚 (新潮オペラCDブック)
新潮オペラCDブック 14

モーツァルト:ドン・ジョヴァンニ ハイライト
モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」(全曲)


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テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

[2012/06/30 19:34] | ドン・ジョヴァンニ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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