『ドン・ジョヴァンニ』 エストマン ドロッドニングホルム宮廷劇場1989
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 これは古楽器による『ドン・ジョヴァンニ』の最初の録音です。L'Oiseau-Lyreレーベルですからホグウッド・シュレーダーの交響曲全集と同じですね。ところが先日のクイケン盤と大違いで、とっぴょうしもない演奏です。基本的に速く、たまに遅く、おふざけのような歌い方の部分もあります。


アルノルト・エストマン指揮 ドロットニングホルム宮廷劇場管弦楽団&合唱団
1989年録音。Ⅰ.74m45s  Ⅱ.79m09s  Ⅲ.補遺異稿27m。
ドン・ジョヴァンニ……ハーカン・ハーゲゴール
レポレロ……カシュマイユ
ドンナ・アンナ……アーリーン・オジェー
ドン・オッターヴィオ……ニコ・ヴァン・デル・メール
ドンナ・エルヴィラ……デラ・ジョーンズ
マゼット……ブリン・ターフェル
ツェルリーナ……バーバラ・ボニー

 序曲からして速いです。最初の音、普通の演奏では「ジャン・ジャーン・ジャーーン(低音ズーン)」といったところですが、カラヤンほどではないにしても、一本の棒のようにさっさと演奏しています。その後も、やり過ぎではと思うほどに速いです。

 序曲とかフィナーレでは、クイケン盤のように、ティンパニと金管楽器が目立つが、さらにハデにきつくなっている印象を持った。だから衝撃的演奏でもあり、楽しめる。

 レポレロ1003人のアリアは、そもそも普通の指揮者が速めに演奏するために、ちょっと遅めに感じる。逆に、普通は速く演奏する、農村のツェルリーナ登場場面がやたら遅くて、拍子抜けするが、これはこれで味わい深く、楽しめます。

 ドン・ジョヴァンニがツェルリーナを誘惑する2重唱。出だしがものすごくやさしくコミカルだ。ガーディナー盤のケルビーノのアリアのようで、思わずのけぞってしまう。こんなに羽目を外してイイのだろうか。

 
 クイケン盤がほとんど聞いたことのない歌手ばかりだったのに比べれば、オジェー、ターフェル、ボニーといった、今までのレコードで馴染みのある歌手だ。特にターフェルは、ここではマゼットだが、ショルティ盤でドン・ジョヴァンニ、アバド盤でレポレロも歌っているはずだ。だから、マゼットには実力十分ということ。

 その他の歌手は、知らない。なにしろこのセットのメンバーがちゃんと載っているページを見たことがないし、記事によって、広告によってハーゲゴールやニコ・ヴァン・デル・メールの日本語表記が違っている。定着していない名前なのだろう。間違っているかもしれない。

 ドンナ・エルヴィラを歌う、デラ・ジョーンズが聴き応えがある歌唱だと思う。他は、クイケン盤のように、他の名盤に比べれば特に言うこともないような出来である。あくまでもエストマンの指揮を楽しむべき盤だろう。

 原則としてプラハ初演版によっており、第1幕がCD1枚目、第2幕が2枚目にキッチリ入っており、短い3枚目にウィーンの演奏で差換えられたアリアなどが入っている。最初は特典付き3枚組で、その後は2枚組で発売されているようだ。第1幕フィナーレでCDが終わるのは、非常に気持ちがいい。

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[2012/07/26 19:01] | ドン・ジョヴァンニ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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